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今夜は自宅でビデオ。イングマール・ベルイマン監督『野いちご』(1957年、スウェーデン)。
76歳になる医学者のイサク・ボルイ(ヴィクトル・シェスレム)は、家政婦と暮らす頑固で孤独な老人だ。ルンド大学から名誉医学博士号を受けることになり、老教授は車でストックホルムからルンドに向かう。息子の嫁・マリアンヌ(イングリッド・チューリン)が同道している。息子夫婦は離婚の危機にある。
途中、イサクは若い三人の男女のヒッチハイカーを乗せ、また、喧嘩の絶えない中年夫婦を乗せる。まるで息子夫婦のようである。
イサクは子供の頃暮らした旧家に立ち寄り、回想にとらわれる。初恋の婚約者サーラ(ビビ・アンデショーン)を弟に奪われたのだった。サーラは昔、庭で野いちごを集めていた。野いちごは今も庭にある。ヒッチハイカーの娘は、なぜかサーラそっくりだった。イサクは96歳になる母親の元へも立ち寄る。さらに、イサクは妻の浮気を目撃した過去を突然思い出す。
イサクは母の冷淡を受け継ぎ、彼の孤高は周囲に一層冷淡と見られ、そのために愛する女性を二度も失った。それがイサクをさらに孤独で冷淡にした。今や、イサクの息子も同じ道を歩もうとしている。車での一日の旅がイサクの人生と重なり、現実と回想が交差する。
やがて、イサクは静かに人間性を回復していくのだった。長年一緒に暮らしてきた家政婦に、「先生」ではなく名前を呼ぶように求めるのは、その現われである(彼女はそれを拒否するが)。
以前から観賞したかった古典的名作で、先日ようやくビデオを見つけました。
淡々としながらも幻想的な作品で、人生の意味や老い、死、家族の意味などを問いかけています。
主人公のシェスレムの落ち着いた演技が渋い。彼は往年の名監督だったそうです。1960年には亡くなっています。
ガソリンスタンドの主の役に、マックス・フォン・シドーを顔を出しています。
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