Koji Murataの映画メモ

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11月3日 邦画131

 今日は久しぶりに京都シネマで、冨永昌敬監督・脚本『パンドラの匣』(2009年)。原作はもちろん、太宰治。
 1945年、敗戦の頃に結核を患った青年(染谷将大)が、「新しい時代」の「新しい男」に生まれ変わるべく、人里離れた不思議な健康道場に入ることになった。ここでの挨拶は、「がんばっとるか」、「よしきた」。患者(塾生)も看護婦(助手)もすべて、奇妙なあだ名をつけられている。青年のあだ名は「ひばり」に決まった。
 ほどなく、同室の「つくし」(窪塚洋介)が退院していく。「ひばり」が「つくし」に送る手紙のナレーションで物語りは進む。「つくし」の退院と入れ替わりに、美しい組長(看護婦長)の「竹さん」(川上未映子)が赴任してくる。「つくし」は「竹さん」に一目惚れ。「ひばり」は若い助手の「マア坊」(仲里依紗)に興味があるが、彼女は「つくし」に思いを寄せている。やがて、「ひばり」は「マア坊」とも親密になるが、「竹さん」のことも気になり出す。
 一年後、「ひばり」の健康はかなり回復したが、「竹さん」は婚約して道場を去ることになった。「ひばり」は自分が「竹さん」を愛していたことにようやく気づく。去っていく「竹さん」―−彼女の婚約相手は何と「つくし」だった。
 他にも、同室の塾生は変わり者ぞろいだ。長老格の「越後獅子」(小田豊)は実は著名な詩人だったし、大学生の「固パン」(ふかわりょう)は気障な奴。気のいい「かっぽれ」(杉山彦々)は病で亡くなってしまう。
 皆それぞれ元気だが、そこには死が常に隣接している。
 まったりしたテンポと音楽が、不思議な雰囲気を醸し出している。
 『ヴィヨンの妻』と本作では、個人的にはこちらのほうが気に入りました。
 主役の染谷は若いながらも達者なもの。川上は芥川賞作家だし、ふかわはコメディアンだ。道場長役には、ミッキー・カーチスが。『野火』での好演を思い出しました。

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