Koji Murataの映画メモ

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11月4日 邦画132

 新幹線の中でDVD。
 崔洋一監督『血と骨』(2004年)。原作は梁石日。
 1923年といえば関東大震災の年だが、済州島から貧しい金俊平が大坂にたどり着く。のちに俊平(ビートたけし)は子持ちの英姫(鈴木京香)を手篭めにして結婚した。二人の間には長女の花子と長男の正雄が生まれる。戦争中に出奔していた俊平が舞い戻り、暴力で家族を支配しながら、かまぼこ工場を始める。舎弟の信義(松重豊)らがこれを支える。
 ある日、俊平の子供と称するヤクザの朴武(オダギリジョー)が現われ、居候になる。女まで連れ込んで勝手邦題だが、父と殴り合いの喧嘩をして出て行く。正雄はこの異母兄に憧れるのだった。
 かまぼこ工場で財をなした俊平は労働者を搾取しながら、自らは美しい未亡人の清子(中村優子)を愛人にする。やがて、俊平は高利貸しに転じ、莫大な富をえる。だが、清子が脳腫瘍で寝たきりになり、俊平は新たな定子という愛人を見つけた上、清子を殺す。
 長女の花子(田畑智子)は夫に暴力をふるわれ、自殺する。彼女が密かに慕っていた工員の若者(柏原収史)は共産主義運動に身を投じ、逮捕投獄されたのち、北朝鮮に渡った。働きづめだった英姫も癌に冒されていた。英姫の治療費すら出そうとしない俊平に、ついに正雄(荒い浩文)も反抗し家を出る。
 俊平は花子の葬儀の際に大暴れして、脳血栓で半身不随になる。溜め込んでいた金は、定子に持ち逃げされてしまう。それでも、俊平は身勝手かつ強欲に暮らし、定子との間にできた男の子を拉致して、全財産とともに北朝鮮に渡る。1984年、俊平はかつて済州島から大坂に渡った日のことを思い出しながら、息を引き取った。
 暴力とセックスと金だけ――壮絶な男のエゴの物語である。
 しかし、彼をこうした「化け物」にしたのは、日本社会の差別と貧困だった。そして、この孤独な男も「血と骨」、つまり血縁と家族に実は渇仰していた。
 ビートたけし、すごい俳優ですね。
 柏原演じる若者が「金日成将軍万歳!」を叫びながら「共和国」へ旅立っていくシーンは、吉永小百合主演の『キューポラのある町』を思い起こさせました。
 

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