Koji Murataの映画メモ

映画に関するコメントのみお受けします。

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 京都シネマでポン・ジュノ監督『母なる証明』(韓国、2009年)を観る。
 母(キム・ヘジャ)とトジョン(ウォンビン)は、母一人子一人の関係。母は貧しいが働き者で、息子は純粋だが要領と記憶が悪く、悪友のジンテ(チン・グ)とつるんでいる。
 ある夜、トジョンはスナックで泥酔して帰宅する。翌朝、女子高生の死体が見つかり、近くでトジョンのゴルフボールが発見された。警察に逮捕されたトジョンは、易々と供述書に署名してしまう。
 息子の無実を信じる母は、必死に真相解明に乗り出す。弁護士は貧乏人を相手にしておらず、頼りにはならない。母はジンテを疑うが、これは見当外れ。逆に、ジンテから被害者の周辺を探れと教えられる。実は、被害者の女子高校生は認知症の祖母と二人暮らしで、生活のために何人もの男と寝ていた。しかも、相手の男たちの姿を携帯電話の写真に密かに収めていたのだ。
 母はこの携帯電話を入手する。トジョンの記憶も少し蘇る。新たな容疑者が浮上するのだが、事件は驚くべき展開を遂げる。
 最後には、お互いに相手の秘密を知り合う母子。しかし、肉親の愛情がそれに優る。すべてを忘れようとする母親の姿で、映画は終わる。
 夏に観た『チェイサー』といい、最近の韓国映画はすごいですね。
 本作では、まずシナリオがすばらしい。
 母を演じたキム・ヘジャは迫真の演技だし、ウォンビンも単なるアイドルから脱却しています。
 母を濡らす雨が印象的。

11月17日 邦画135

 大坂でテレビの仕事があったので、ついでにビデオを借りてきました。
 今井正監督『越後つついし親不知』(東映、1964年)。
 昭和12年の冬。留吉(小沢昭一)や権助(三國連太郎)は、越後から京都の伏見に出稼ぎに来ている杜氏である。働き者の留吉に比べて、権助は酒や女に溺れやすい。権助は母危篤の報に接して郷里の親不知に戻ったが、酒に酔った勢いで留吉の美貌の妻おしん(佐久間良子)を強姦する。しかも、京都に戻ると、権助は留吉におしんの浮気話を吹き込むのだった。
 春になり親不知に戻った留吉は妻を詰問するが、彼女を信じることにした。やがて、おしんが妊娠していることが明らかになる。最初は自分の子供と喜んだ留吉だったが、去年の年末の妊娠と知って逆上し、おしんを殺してしまった。
 おしんの遺体を抱擁する留吉。しかし、遺体にはやがて蟻がたかりはじめる。仕方なく、おしんの遺体を焼いた上で、留吉は出兵する権助を道連れに、親不知の断崖から飛び降りるのだった。
 留吉の母に北林谷栄、権助の兄に殿山泰司、他にも、田中春男、東野英治郎らベテランが顔を揃える。
 ストーリーは暗くて単純。同じく水上勉原作の『はなれ瞽是おりん』を容易に連想させる。
 佐久間は実に美しいが、ほとんど科白はない。おしんは過去にも奉公先で強姦されており、彼女の無口は女の運命への黙従を示している。彼女が権助に犯され、結果として命が宿る時に、権助の母が死ぬ。
 小沢は飄々とした人物を演じることが多いが、この作品では嫉妬に狂う善良で勤勉な夫を力演している。
 昭和初期の農村の風俗が、越後の厳しい自然環境の中で再現されている。この海を越えて、横田めぐみさんは拉致されたわけです。この映画の製作年はめぐみさんや私の生年でもあります。
 留吉という名は、私の祖父の名でもありました。この登場人物は、ほぼ祖父と同世代でしょう。こんな古風な名はほとんど耳にすることがなくなりましたが、それだけでも懐かしくなりました。

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