Koji Murataの映画メモ

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11月19日 邦画136

 また新幹線で東京に向かう途次にDVDを一本。
 豊田四郎監督『駅前旅館』(東宝、1958年)シリーズ第一作です。原作は井伏鱒二、八住利雄の脚色です。
 上野駅前には旅館が林立している。ある旅館の番頭・次平(森繁久弥)を中心にしたコメディで、番頭仲間に伴淳三郎や多々良純、修学旅行生を引率する先生たちに左卜前や藤村有弘ら。フランキー堺は留年を繰り返す大学生で、あだ名は「万年」、アルバイトで旅行会社の添乗員をしている。
 豊田監督の名作『夫婦善哉』で森繁と共演した淡島千景は次平に思いを寄せる小料理屋の女将・お辰。二人の着物姿には風情がある。次平と昔関係のあった元女中役には淡路恵子。
 悪質な客引きのことを「カッパ」というらしいが、その親分格を演じるのが山茶花究。「カッパ」たちとの揉め事が元で、次平は旅館を辞めることになる。彼の住み込んでいた旅館の主夫妻が森川信と草笛光子。特に女将は団体旅行客の受け入れで儲ければいいとの考えで、古風な番頭をお払い箱にする。次平は女中部屋で生まれた根っからの宿屋稼業。「宿屋が旅館工場になる」と、彼は嘆く。
 フランキーが三味線でロカビリーを演じ、浪花千栄子が体操服姿で体操を披露する。
 達者な役者と職人たちによる、楽しいながらも風情のある佳作です。

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