Koji Murataの映画メモ

映画に関するコメントのみお受けします。

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12月24日 邦画150

 皆さん、メリー・クリスマス!
 久しぶりに、京都文化博物館に。今月は「忠臣蔵」特集です。
 伊藤大輔監督『元禄美少年記』(松竹、1955年)。
 ご存知、赤穂浪士の討ち入りの話だが、主人公はまだ18歳の矢頭右衛門七(中村賀津雄)。足軽ゆえに病弱な父(三井弘次)は仇討ちの仲間に加えてもらえず、切腹する。ようやく、右衛門七は大石内蔵助(柳永二郎)に仲間に入れてもらえるが、同じ足軽の寺坂(多々良純)や佐野(片山明彦)とともに、浪士の中でも様々な身分差別を受ける。佐野は討ち入り前に仲間を抜け、女郎(淡路恵子)と暮らす決意をする。
 右衛門七は江戸に向かう道中で知り合った娘しの(雪代敬子)と淡い恋に落ち、吉良家討ち入りの際には手柄を立てる。ようやく上級の侍たちに仲間と認められ、しのに愛されていることを確信しながら、右衛門七は死での旅に出る。
 「〜殿、おしまいなされました」が切腹の終わったという意味。
 他に、石黒達也や諸角啓二郎、佐竹明夫ら。
 堤と仕舞が美しく悲劇を盛り上げる。
 中村賀津雄は初々しくも凛々しく、主役を演じている。
 柳の大石役も貫禄です。

12月23日 邦画149

 二日酔いながら、今日は大阪・九条のシネ・ヌーヴォまで。「南田洋子追悼特集」をやっています。
 島耕二監督『十代の性典』(大映、1953年)。
 ある高校で、英子(若尾文子)は上級生のかおる(沢村晶子)を「お姉さま」と慕っている。英子は良家の子女で、男性には興味がなく、ラブレターをもらっても相手にしない。かおるは神父(千田是也)の娘で、新田(長谷部健)という大学生の恋人がいる。貧しい家庭に育った房江(南田洋子)は英子の財布を盗みかけ、また、路上で拾った金を使ってしまったことで、良心の呵責に苛まれ不登校になる。美術学校に通う麻子(津村悠子)も裕福な家庭の子女で、男たちに囲まれながら奔放な生活を送っている。彼女は新田青年に一目惚れしてしまう。この十代の女性四人が主役である。
 実は、かおるはかつて強姦された経験をもち、それがトラウマとなって新田を受け入れることができない。彼女は思いつめて、ついには自殺してしまう。
 かおるは精神に傷をもち、房江は物資的に苦しんでいる。麻子の家庭環境も複雑なようだ。若尾演じる英子が、客観的にはもっとも幸せそうだ。失礼ながら、南田より若尾のほうが光彩を放っています。
 私が今まで観た最も初期の若尾出演作品です(彼女が20歳になる年です)。
 英子の父役には見明凡太郎、麻子の父役には小沢栄。
 かおるとその一家は、あまりにも浮世ばなれしている。
 かおるは喫茶店で新田に手を握られることすら、拒絶する。
 当時としては、衝撃的な性教育映画だったそうで、のちに続編と続続編も作られています。
 

12月22日 邦画148

 今日は自宅でビデオ。
 森崎東監督『喜劇・女売り出します』(松竹、1972年)。「女」シリーズの三作目。
 新宿芸能社の金沢(森繁久弥)と竜子(市原悦子)は、ストリッパーの派遣稼業で、ストリッパーたちから「お父さん」「お母さん」と慕われている。
 ある日、金沢がスリの浮子(夏純子)を捕まえて連れてくる。竜子は浮子を更生させようとする。だが、スリ仲間の武(米倉斉加年)に連れ戻される。その途次に、浮子は貧しい少女から財布をすってしまう。少女は山形から東京に出てきて、売春で身を立てていた。浮子は武と協力して、少女を売春宿から救出する。
 浮子は朝子というその少女を連れて、新宿芸能社に戻った。浮子には縁談がもちあがり、近くのすし屋では板前をめぐって女将と元女店員が諍いをおこしていた。浮子は体を張って板前を女将のところに連れ戻すが、縁談は破談となり、しかも、件の板前は何と朝子と懇ろになってしまっていた。
 川島雄三と同様に、森崎監督も「猥雑」がよく似合う人です。それが70年代の風俗と相乗効果を上げています。
 「女」シリーズは、明らかに「寅さん」の「男」シリーズを意識しています。森崎監督も、「寅さん」を一本だけ監督したことがあります。この作品でも、浅草のシーンで「寅さん」の主題歌「男はつらいよ」が流れてきます。
 市原が気丈な女将を好演しており、女の生活力を代表しています。
 スリの武の口癖は「笑わせるぜ」だ。
 他に、西村晃や小沢昭一など芸達者も。
 

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