Koji Murataの映画メモ

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 最近、邦画欠乏症ですので、帰宅後DVDを。
 野村芳太郎監督・脚本『拝啓総理大臣様』(松竹、1964年)。『拝啓』シリーズの3作目にして最終作。撮影は川又昂。
 東京ムーラン(長門裕之)とルージュ(横山道代)は夫婦漫才で、「拝啓総理大臣様」という時局ネタがテレビでヒットしている。そこに大阪から、ムーランの昔の相棒で売れない漫才師の角丸(渥美清)がやって来る。角丸はムーランに仕事の世話を頼むが、ムーランは浮気騒動でそれどころではない。
 やがて、角丸は偶然出会った日本人と黒人との混血娘・あや子(坪井文子)と、土座まわりの漫才を始める。そこに、ムーランから、東京でのテレビの仕事に誘われ、角丸はあや子をおいて東京に戻る。だが、二人の漫才は大失敗。ムーランは角丸を捨ててルージュとのコンビに戻る。角丸もあや子と再出発するのだった。
 他に、山本圭、宮城まり子や加藤嘉ら。
 さすがに、渥美!関西弁を巧みに操り、泥臭い漫才芸を披露する。テレビと寄席、東京と大阪の対比が鮮やか。
 私が生まれた年の作品ですが、まだ混血児が白眼視される時代であったようです。自分を「黒んぼ」と蔑む日本人に、あや子は「黄色んぼ」とやり返します。
 当時の首相は池田勇人です。「拝啓、総理大臣様。この人たちがあなたを選んだのです」と、ラストのナレーションが語ります。それから40年近くたって「拝啓総理大臣様」は現実になりました。小泉首相がメルマガを始めたのです。
 
 札幌の映画館で、キャスリン・ビグロー監督『ハート・ロッカー』(2009年、アメリカ)。今年のアカデミー作品賞受賞作です。
 2004年夏のイラク。ブラボー中隊という爆弾処理班の物語で、タイトルは「棺桶」を意味する軍隊の隠語だとか。
 冒頭で、ブラボー中隊のベテラン班長が爆死する。これが『メメント』の主役だったガイ・ピアースである。
 後任のジェームズ軍曹(ジェレミー・レナー)は凄腕だが、単独行動で黒人のサンボーン軍曹(アンソニー・マッキー)とトラブルが絶えない。技術兵のエルドリッジ(ブライアン・ジェラティ)は精神を病みつつある。
 やがて、砂漠での銃撃戦を通じて、三人の間に連帯感が生まれる。この戦闘でアメリカ人傭兵隊が全滅するが、この隊長役が『イングリッシュ・ペーシェント』のレイフ・ファインズ。
 その後、目の前で親しかった軍医が爆死したことで、エルドリッジはさらなるショックを受ける。ジェームズもイラク人少年が人間爆弾にされているのを目撃して、それまでの冷静さを失い、無謀な戦闘行動に走る。
 ブラボー中隊の任期満了までは、あとわずかなのだが。
 2時間ほど観終わった、どっと疲労感を感じる、そんな作品です。
 軍隊としてはかなり無理なストーリー設定もあるから、ドキュメンタリー・タッチとはほど遠いが、迫力は満点です。
 「戦争は麻薬だ」と冒頭で提示される。
 帰国したジェームズは幼子を抱きながら、「パパたちの年になると、大事なものはほとんどなくなる。二つか三つだ。いや一つだ」と言う。そのジェームズが再び意気軒昂に戦場に戻る。彼にとって大切な唯一のものは、もはや戦争なのでしょうか。

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