Koji Murataの映画メモ

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9月15日 邦画84

 自宅でビデオ。
 芳村公三郎監督『地上』(大映、1957年)。原作は金沢出身の作家・島田清次郎、脚本は新藤兼人。
 大正時代の金沢。大河平一郎(川口浩)は金沢中学5年生で、母(田中絹代)と二人で貧しい生活を送っている。平一郎は地元の実業家吉倉(清水将夫)の娘・和歌子(野添ひとみ)に恋をしており、彼女も平一郎に好意を抱いていた。だが、吉倉の工場には平一郎の友人が働いており、そこでストライキが起こる。平一郎も事件に巻き込まれ、しかも和歌子との文通が発覚して、停学になってしまう。
 一方、冬子(香川京子)という娘が輪島から金沢に、芸者に売られてくる。冬子は平一郎と母と親しくなるが、吉倉の背後にいる東京の大実業家・天野(佐分利信)の妾になって、東京に向かうことに。
 和歌子との仲を割かれ、停学になった平一郎も、母とともに東京に向かうのだった。
 他に、殿山泰司や山茶花究、潮万太郎ら、お馴染みの顔ぶれ。
 三者三様の若者の人生。吉村監督らしく、金沢の花柳界は巧みに描かれているが、その背後にある階級闘争の描写は、やや冗長で平板な気がする。
 松江から還ってきたばかりですが、金沢もまた美しい街です。

 松江の映画館で李相日監督『悪人』(東宝、2010年)。
 長崎の土木作業員・祐一(妻夫木聡)は、出会い系サイトで博多のOL佳乃(満島ひかり)と出合った。約束の当日に車で待ち合わせ場所に向かったものの、目の前で佳乃は憧れの大学生・増尾(岡田将生)の車に乗って去っていく。だが、山中で佳乃は増尾の車から蹴り出され、あとをつけてきた祐一とも口論になる。増尾への怒りの捌け口として、「レイプされたと訴えてやる」と叫ぶ佳乃を、祐一は絞殺してしまう。
 当初、警察は増尾を犯人と疑うが、やがては祐一に捜査の手が。その頃、祐一は出会い系で佐賀の紳士服店員・光代(深津絵里)と出会う。寂しさを癒しあう二人。祐一は光代にすべてを告白して、自首しようとする。だが、光代は二人で逃げようと、すがる。祐一の幼い頃の思い出の灯台に、二人は向かうのだが。
 他人から愛されることで、初めて自らを悪人と自覚する主人公。
 地方の過疎化と格差社会が、背景になっています。
 登場人物はそれぞれ、深いリアリティをもっていますが、岡田演じる大学生の身勝手さはコメディ並みで、ここにはリアリティを感じられませんでした。
 とはいえ、たいへん重厚な作品で、今年私が観た邦画の中では、一二を争う力作だと思います。
 妻夫木の金髪と表情が印象的。
 他にも、樹木希林や榎本明らが渋い演技を披露しています。
 妻夫木も深津も九州出身のようですが、九州の様々な方言が、これまた効果的に使われています。

 松江に向かう車中でDVDを一本。
 ロマン・ポランスキー監督『チャイナタウン』(アメリカ、1974年)。
 1930年代のロサンジェルス。
 私立探偵ギテス(ジャック・ニコルソン)は、かつてチャイナタウン担当の警官だった。ある日、彼はある夫人から夫の浮気調査を依頼される。夫は市の水力電気部長モーレイだ。ギデスが浮気の証拠を押さえ、それが新聞にもリークされる。ところが、本物のモーレイ夫人(フェイ・ダナウェイ)が現われ、ギデスを告訴するという。
 やがて、モーレイの水死体が発見された。事件の背後には、ダム建設をめぐる巨大な陰謀がうごめいていた。ギデスは徐々にモーレイ未亡人と親密になるが、実は事件の糸を引いていたのは、未亡人の父でロスの有力者クロス(ジョン・ヒューストン)だった。
 さらに、衝撃的な近親相姦の秘密と、チャイナタウンでの悲しいラストが待っていた。
 作中ギデスは悪党に鼻を切りつけられる。そのため、鼻に大きな絆創膏を貼っている。この悪党を演じたのが、ポランスキー監督自身である。
 ニコルソンもダナウェイも力演で、ヒューストンは怪演。
 ロバート・タウンがアカデミー脚本賞を獲得して、『ゴッドファーザー』に一矢報いた作品でもある。

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