Koji Murataの映画メモ

映画に関するコメントのみお受けします。

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 京都駅前シネマへ。
 大映特集。
 衣笠貞之助監督・脚本『新・平家物語 義仲をめぐる三人の女』(大映、1956年)。原作は吉川英治。
 木曽義仲(長谷川一夫)は倶利伽羅峠の戦いで平家を破り、京の都を占領する。しかし、都の貴族と民は義仲たちを「山猿」と軽蔑し、義仲らもそれに強く反発する。やがて、頼朝の兵が京に迫り、義仲は都を捨て、ついには追っ手に討たれるのだった。
 義仲の内妻・巴御前に京マチ子、女兵・山吹に山本富士子、さらに関白基房(柳永二郎)の娘・冬姫に高峰秀子。これがタイトルの由来だが、中身ははるかに男性中心。
 他に、志村喬、大河内伝次郎、進藤栄太郎ら、渋い顔ぶれ。
 倶利伽羅峠の戦いは迫力があるし、さすがは大映で美術は見事。
 しかし、長谷川に田舎者は不向き、山本も汚れ役には似合わない。
 さすがに、長谷川は誰かに斬られて死んだりはせず、弓に射られて落命します。
 中世絵巻で話題を呼ぼうという、当時の大映の二番煎じ的な発想も見え隠れします。

 今日も京都みなみ会館。
 ヴィスコンティの『ルードヴィヒ』(1972年、イタリア、フランス、西ドイツ)。
 1980年、私の高校1年生の時に日本で公開され(3時間)、衝撃を受けた作品です。あれから30年経って、今回は4時間版で観ることができました。
 19世紀後半のバイエルン。若いルートヴィヒ(ヘルムート・バーガー)が王位を戴冠する。ルートヴィヒは従姉にあたるオーストリア皇后エリザベート(ロミー・シュナイダー)を愛しているが、所詮は叶わぬ恋である。若い王は芸術に関心が深く、作曲家のワーグナー(トレヴァー・ハワード)を招いて厚遇するが、そのため莫大な国費を投入し内閣と世論の反発を招いた。
 さらに、普墺戦争、普仏戦争と国難が続く中、ルートヴィヒは政治と現実から逃避して暮らす。弟のオットー王子(ジョン・モルダー・ブラウン)は発狂してしまう。この頃から、王は同性愛に目覚め、豪華な城を建設し、ますます退廃的な生活を送るようになる。
 ついに、内閣は王の廃位を決定し、ルートヴィヒを幽閉するが、雨の夜に王は湖に投身自殺するのだった。「私は謎でありたい。私自身にとっても」と言い残して。
 絢爛豪華なヴィスコンティの後期作品の特徴を、余すところなく示しています。ややネオ・リアリズム調の「若者のすべて」とは随分異なります。「赤い貴族」だからこそ、描くことのできた作品でしょう。
 また、ヴィスコンティのバーガーへの寵愛が如実に示されています。作中で、美貌のバーガーが見事に老醜をさらしていきます。
 ルートヴィヒの弱さとコンプレックスは、当時のバイエルンの置かれていた立場の反映でもあるでしょう。
 因みに、この映画の色彩には、武智鉄二のそれに似たものを感じました。
 

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