Koji Murataの映画メモ

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 京都シネマに。
 プーピ・アヴァーティ監督・脚本『ボローニャの夕暮れ』(イタリア、2008年)。
 この監督は、パゾリーニと『ソドムの市』の共同脚本をした人です。
 第二次世界大戦前のイタリア、ボローニャ。
 高校の美術教師(プロフェッサーと呼ばれている)ミケーレ(シルヴィオ・オルランド)は、繊細な一人娘のジョヴァンナ(アルバ・ロルヴァケル)のことが愛おしく、心配で仕方がない。そんな父子を母デリア(フランチェスカ・ネリ)は、少し醒めた目で見ている。
 劣等生だがプレイボーイの青年に、ジョヴァンナは心惹かれている。ミケーレはその青年に、娘に優しくするよう求める。青年にとっては進級がかかっていた。
 ある日、学校の体育館で、ジョヴァンナの親友だった女子生徒が殺された。実に、犯人はジョヴァンナだった。自分の好きになった青年を奪われるの逆恨みしたのだ。ジョヴァンナは刑務所付属の病院に収容される。
 戦争は日に日に激しくなるが、失職した父は娘の病院に通い続ける。母は娘と会うことさえ拒む。ジョヴァンナは無意識のうちに美しく社交手な母と自分を比べて、劣等感に悩んでいた。しかも、母が親しい隣人の警察官と心では愛し合っていることに、気づいていたのだ。
 やがて、戦争は終わる。隣家の元警察官は、ファシストとして処刑された。ようやくジョヴァンナは退院するが、母の消息は不明だった。
 平凡な家族を見舞った悲劇と戦争の悲劇が重なる。その中で、幸せそうな家族の複雑な関係と心理が浮き彫りになっていく。
 オルランドの切なそうな演技とロルヴァケルの引きつった演技が出色。

 夜、自宅でビデオ。テレビを46インチに買い換えたので、快適。
 成瀬巳喜男監督『秀子の車掌さん』(東宝、1941年)。
 甲府の老朽化したバスで、運転手の園田(藤原鶏太)と車掌のおこま(高峰秀子)は、客足の低下に悩んでいる。そこで、観光ガイドを盛り込むことにして、東京から来た作家の井川に原稿を依頼する。
 しかし、バスが事故を起して、おこまは怪我をしてしまう。保険のおかげで、バスは新しくなり、ようやく、おこまも観光ガイドができるようになるが、実は社長はバスを売りに出して店じまいを計画していた。
 原作は井伏鱒二。成瀬と高峰のコンビ第一作。
 藤原鶏太は藤原鎌足のことで、内務省から芸名の変更を迫られたのだという。鶏太(けいた)、つまり芸名を「変えた」の意である。
 1時間弱の、長閑な小品でした。

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