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三条ムーヴィックスで、鈴木卓爾監督『ゲゲゲの女房』(2010年)。
昭和30年代。布枝(吹石一恵)は島根の酒屋の娘で、婚期が遅れている。ようやく見合いで、東京に住む同郷で10歳年上の水木茂(宮藤官九郎)と結婚することに。茂は戦争で左上でなくし、漫画を描いて生計を立てている。
嫁いでみると、茂はたいへんな貧乏生活で、布枝は質屋に往復する苦労続きだ。茂の妖怪漫画も一向に売れない。貸し本業界自体が不況だ。
そんな中で、布枝は妊娠し一児を出産する。それでも茂は「妖怪が売れないなら、妖怪と心中する。世間は見えるものしか見ないんだ」と、自分の作風を変えない。だがついに、茂のもとに大手出版社から週刊誌への寄稿依頼が届くのだった。
水木しげるの物語らしく、目に見えない妖怪が作中に多数登場する。
貧しさの中で明るさを失わない夫婦愛の物語で、吹石、それに官藤が実にいい味を出している。
ストーリーは平板だが、昭和30年代前半を記憶する人には、懐かしくてたまらないだろう。
質屋と水木家を往復する、ネジ巻式の柱時計――祖父の部屋にも同じようなものがありました。確かに、懐かしいですね。時間の流れまでがゆっくりと感じます。
「悪魔くん」も水木原作だったとは、知りませんでした。
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