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ニューヨークのブロードウェーで、金曜日に公開されたばかりの映画を一本。
ジャック・オーディアール監督の"A Prophet" [フランス、2009年)。
アラブ系フランス人の貧しい青年マリク(タハル・ラヒム)が刑務所に収容されてくる。この刑務所はシーザー(ニールス・アリストラップ)というボスを中心に、クロアチア人のギャングが支配している。そこにアラブ人の囚人がもう一人収容されてくるのだが、シーザーらは自分たちの支配を維持するため、マリクにこの囚人の殺害を命じる。殺さなければ、自分が殺される。マリクはアラブ人を殺す。それからは、マリクはシーザーたちの子分にされてしうまう。
マリクは時々、自分が殺した男を幻想するようになる。文盲の彼は、亡霊に促されて、刑務所内の学校で読み書きを習得する。やがて、シーザーはマリクが模範囚として外出できるよう取り計らい、麻薬の運び屋をやらせる。マリクは殺しと読み書きと麻薬取引を学んでいく。
ついに、マリクがアラブ人の自我を取り戻し、シーザーに反逆する時が近づいていた。
ラヒムはアカデミー主演男優賞にノミネートされています。どこか幼かった彼の顔つきが、徐々に精悍に変容していきます。この主人公のあだ名が「預言者」で、作品の最後に、彼の予言が的中したことが示されています。
アリストラップの威圧感もすごい。
ぞっとするような殺人シーンも少なくありません。
多民族社会フランスの様子が窺い知れる作品です。
先日の「ニューヨークタイムズ」も絶賛でした。
カンヌ映画祭のグランプリなど、数々の賞に輝いているのも頷ける力作でした。
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