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ソウルは仁川空港近くのホテルで、DVDを一本。
川島雄三監督『あした来る人』(日活、1955年)。原作は井上靖。助監督が今村昌平、脚本は菊島隆三、撮影は高村倉太郎、音楽は黛敏郎。これでおもしろくないわけがないという布陣。
関西の実業家・梶大助(山村聡)は、関西と東京を往復している。東京で嫁いだ娘の八千代(月丘夢路)は、登山に夢中の夫・克平(三橋達也)と不仲になっている。八千代は偶然知り合った魚類学者の曽根(三国廉太郎)に惹かれていく。曽根はメジカの研究に夢中だ。
克平はヒマラヤ登山を目指している。ある日、これも偶然出会った杏子(新玉三千代)という洋裁家と惹かれあい、不倫の関係になる。だが、彼女のパトロンは義父の大助だった(克平はそれを知らない)。
やがて、克平と八千代は離婚することになるが、克平と杏子、八千代と曽根はいずれも結ばれることなく終わる。克平はヒマラヤに旅立ち、曽根は九州に引き籠るのだった。
純粋だが、どこか未熟な若い四人が、成熟して「あした来る人」になるだろう、と「昨日の人」大助は願うのだった。
実際、若い四人は何らかの形で大助に依存している。
山村はもちろん好演だが、関西弁のイントネーションが少し変。
他に、小沢昭一や金子信雄、小沢栄ら。
川島作品にしては落ち着いた雰囲気の、文芸作品に仕上がっています。
因みに、月丘は井上梅次監督夫人です。井上監督は最近亡くなりました。
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