Koji Murataの映画メモ

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 銀座の竹葉亭でうな重を食べて、銀座シネパトスへ。
 キム・テギュン監督『クロッシング』(2008年、韓国)を観る。脱北の物語です。
 キム・ヨンス(チャ・インピョ)は元サッカー選手で、北朝鮮の炭鉱で働いている。妻(ソ・ヨンファ)と11歳の息子ジュニ(シン・ミョンチョル)と、貧しいながらも幸せな暮らしだ。
 ところが、妻が妊娠中に栄養失調で、結核に罹ってしまう。薬を入手するため、ヨンスは中国に渡る決心をする。中国で違法労働に従事し金を貯めたところを公安にみつかり、ヨンスは仲間たちとさらに韓国に亡命することになってしまった。この間に、妻はすでに病死していた。独りになったジュニは父を捜しに自分も中国に渡ろうとして逮捕され、強制収用所に入れられてしまう。そこで、幼馴染のミソンに再会するが、彼女はやがて衰弱死する。
 ヨンスは韓国からブローカーに依頼して、息子を救出しようとする。ジュニはようやく強制収用所を出ることができ、ブローカーの手助けでモンゴルに脱出し、父との再会を夢見るのだが。
 韓国や中国の豊かな様子と北朝鮮の悲惨な状況が対比的に、実にリアルに描写されています。
 時折、にわか雨が降り、社会の悲惨と汚れを洗い流していきます。
 ヨンスは聖書を読みはじめますが、「神様も豊かな国にしかいないのか」と嘆息します。そう言えば、「クロッシング」には越境だけではなく、十字を切るという意味もありますね。
 ジュニは両親、特に父に従順です。家族の絆ですが、この家父長主義が極端になったものが、金日成・正日親子による支配でもあるわけです。
 
 

5月21日 外国映画58

 新幹線の中でDVDを一本。
 サム・ウッド監督(『風と共に去りぬ』も一部監督しています)の"Kings Row"(アメリカ、1942年)。
 ロナルド・レーガンが出演した53本の映画の中で、おそらく最も評価の高いもので、アカデミー作品賞にもノミネートされました。
 19世紀末の中西部の田舎町キングス・ロウが舞台。
 パリス(ロバート・カミングス)は上品な祖母に育てられ、医者を志してウィーンに留学する。幼馴染のキャッシーは父タワー博士(クロード・レインズ、『カサブランカ』のルノー署長)によって家に閉じ込められて育っている。母が発狂しており、娘も発狂することを恐れたためだ。ウィーン留学前に、パリスはキャッシーと結ばれる。博士は娘を殺し、自殺する。
 一方、パリスの親友ドレイク(レーガン)は親の遺産で暮らすプレイボーイで、ゴードン博士(チャールズ・コバーン)の娘と交際していたが、博士夫妻はドレイクの風評を嫌って反対する。やがて、ドレイクはランディ(アン・シェリダン)という鉄道労働者の娘と恋仲になる。ドレイクは将来の事業を夢見るが、銀行が彼の遺産を横領して破産してしまう。鉄道労働者になったドレイクは、ある日事故に会う。手術に当たったゴードン博士は、ドレイクに罰を与えるため、必要もないのに彼の両足を切断してしまう。
 精神科医として故郷に戻ったパリスは、ドレイクを支え、ランディはドレイクとの結婚を決意する。ドレイクも再び人生を前向きに生きようと決意するのだった。
 手術後、意識を取り戻したドレイクが叫ぶ。"Where is the rest of me?"「私の体の残りはどこにある?」
 後年、レーガンはこのセリフを著書のタイトルにしています。
 一見のどかな田舎町に潜む狂気がテーマです。精神医学がようやく注目されるようになった時代でもあります。
 作中、1900年1月1日が"Happy New Century"とされていますが、これはもちろん、1年気が早いですね。
 

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