Koji Murataの映画メモ

映画に関するコメントのみお受けします。

過去の投稿日別表示

[ リスト | 詳細 ]

全1ページ

[1]

1月9日 邦画4

 今夜は自宅でビデオ。
 成瀬巳喜男監督『女の座』(東宝、1962年)。
 東京の下町。石川金物店の主・金次郎(笠智衆)は後妻のあき(杉村春子)、長男の未亡人・芳子(高峰秀子)、その子・健らと暮らしている。次女(草笛光子)と四女(司葉子)、五女(星由里子)も一緒だ。次男(小林桂樹)はラーメン屋、次女(三益愛子)はアパート経営をしている。三女(淡路恵子)は九州に嫁いだが、夫(三橋達也)が失業して、二人で上京してきた。
 三女夫婦が金物屋に居座る中で、受験勉強に悩む健が交通事故で亡くなってしまう。芳子は夫にも一人息子に先立たれて、行き先がない。自分勝手な子どもたちに呆れながら、金次郎夫婦は芳子を励まし、一緒に暮らしていこうとするのだった。
 他に、宝田明、加東大介、夏木陽介、団令子ら。
 草笛がヒステリックなオールド・ミス(といっても30すぎだが)を演じている。笠の老け役も板についたもの。
 『娘・妻・母』では、最後に三益演じる母の所在が問題になりますが、この作品では高峰の役柄がそれに相当します。三益は母を演じたり長女役に回ったり、たいへんなものです。
 子どもたちは、金物屋の土地が高速道路用地として買い上げられることを期待しています。東京オリンピックを控えた都市開発が背景になっているのです。
 因みに、野菜ラーメンは70円だそうです。

 寒い日が続きますね。
 京都みなみ会館で、熊切嘉監督『海炭市叙景』(2010年)。
 函館をモデルにした地方都市での、クリスマスから年明けにかけての、孤独で日常的な出来事。
 20年前に自殺した作家・佐藤泰志の短編小説が原作です。
 不況のため、造船ドックの閉鎖が決まり、若者が解雇される。妹(谷村美月)と初日の出を見に行ったのちに、若者は姿を消す。
 都市再開発のため、一人暮らしの老婆が立ち退きを迫られる。老婆の家族は猫だけだ。
 プラネタリウムで働く中年男(小林薫)。妻(南果歩)は水商売をしており、中学生の息子は親を避けている。昔、家族で星を見上げたことが思い出される。
 ガス会社の若社長(加瀬亮)は子持ちで再婚しているが、仕事に悩み、昔の同級生と不倫関係にある。夫は妻に冷たく、継母は子どもを虐待する。
 東京から帰省した青年は、妖しげなバーで夜を過ごし、不仲の父とあおうとはしない。翌日、父子は偶然、母の墓参りで遭遇する。
 それぞれの物語が淡々と進み、海炭市への様々な思いを共通項にして、微妙に交差していく。「叙景」景色を文章や詩に書き表すこと)という言葉がピッタリです。
 青年がフェリーで町を離れるラストシーンは、内田吐夢監督の『飢餓海峡』を連想させます。
 傑作です。

全1ページ

[1]


よしもとブログランキング

もっと見る

プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事