Koji Murataの映画メモ

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 学生諸君とムーヴィックス三条へ。
 三池崇史監督『一命』(2011年)。
 時代劇映画の傑作『切腹』(1962年)のリメイクです。
 江戸時代初期。井伊家上屋敷に浪人・津雲半四郎(市川海老蔵)が現われ、切腹を申し出る。家老・斉藤勘解由(役所広司)は、2ヶ月ほど前に狂言切腹を図り、実際に切腹させられた若侍(瑛太)の話を切り出した。
 実は、この若侍は半四郎の女婿で、病弱な妻(満島ひかる)と幼子のために、恥を忍んで狂言切腹を企てたのだった。彼を切腹に追い込んだ井伊家の侍たちは、すでに半四郎に髷を切られ武士の面目を失っていた。
 半四郎は武士の面目の空虚さと人間性の欠如を糾弾し、竹光で上屋敷を舞台に死闘を展開するのだった。
 かつて半四郎を演じたのは仲代達矢で、役所はその愛弟子。風格のあるいい演技だと感服しました。
 海老蔵も老け役で力演していますが、やや哀愁に欠けるか。
 権力や組織への批判であり、本物の戦を知る武士の世代とそうでない世代との世代間闘争の物語です。
 猫まで、大名家と浪人の家では随分と異なるようです。
 瑛太演じる若侍が井伊家で出された茶菓子を妻子に持ち帰ろうと懐に入れ、それが遺体から出てくる。切ない。
 リメイクとしては『十三人の刺客』に及ばない。半四郎の復讐劇が簡素化され、オリジナルでの仲代対丹波哲郎の緊張感がないせいでしょう。
 時代劇で初の3Dでしたが、効果に乏しく、むしろ白黒のほうがよかったのではないか。

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