Koji Murataの映画メモ

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 京都シネマへ。
 塚本晋也監督『KOTOKO』(2011年)。
 琴子(Cocco)は未婚の母で、大二郎という赤ん坊を育てている。彼女は情緒不安定で周囲と騒動を起こし、赤ん坊は沖縄の姉のもとに引き取られることになる。大二郎は沖縄ですくすと成長する。
 ある日、田中(塚本晋也)という小説家が琴子に求婚する。琴子はリストカットと田中への暴力を繰り返すが、田中は「大丈夫」と彼女を抱擁しようとする。
 やがて、大二郎が戻ってきた。だが、田中は姿を消す。再び琴子は情緒不安定になり、ついには大二郎を殺してしまう。
 琴子は隔離施設にいる。そこに死んだはずの大二郎が成長して訪ねてくるのだった。
 Coccoの美しい歌声とモダンアート、そして暴力と平安が交差する。
 自身の体、田中、愛児と、愛する者を傷つけることでしか存在を確認できない不安な琴子。それは今の日本に住むわれわれ自身でもあるのでしょう。
 しかし、正直言って、1時間半ほど観ているのが苦痛でした。それだけインパクトのある作品です。
 

5月4日 外国映画56

 自宅でビデオ。
 ヴィターリー・カネフスキー監督・脚本『動くな、死ね、甦れ!』(1989年、ソ連)。
 第二次大戦直後の極東ロシア。日本兵の強制収容所と隣接する炭鉱町が舞台。
 ワレルカ少年(バーヴェル・ナザーロフ)は母との二人暮らしで、母への反発もあっていたずらを繰り返す。同い年の少女ガリーヤ(ディナーラ・ドルカーロワ)だけが少年の味方だ。
 やがて、ワレルカのいたずらはエスカレートし、町から逃避行することになる。少年が地方で強盗団の一味に加わった時、ガリーヤが迎えにやってくる。少年と少女は強盗団から逃れようとするのだが、悲劇が二人を待っていた。
 日本兵たちの歌う炭坑節や黒田節が、寂しげにロシアの荒野に響く。
 白黒の映像と子供たちの激情、荒んだ大人たちの生活と子供たちの無垢が対照的。
 スターリン体制の日常が活写されています。
 伝説的監督の自伝的要素の強い名作です。
 母を連れて神戸国際松竹へ。
 原田眞人監督『わが母の記』(2012年)。原作は井上靖。
 昭和34年、作家の伊上(役所広司)は、湯ヶ島の実家に危篤の父(三国連太郎)を見舞う。その直後に、父はなくなる。母(樹木希林)には痴呆の兆候が現れている。伊上は幼少期に、母から養母に数年間預けられ「捨てられた」という思いがある。
 湯ヶ島や東京、軽井沢で、伊上は妹たちや娘たち(宮崎あおい他)と地方の進む母の面倒を見ながら、母との心理的な和解を探るのだった。
 忘れられない過去失われる記憶との相克、そして三代にわたる家族の紐帯が、静かに格調高く描かれています。
 往年の名画を観る思いがしました。
 私が生まれる前後の時代背景だから、よけいに感情移入できたのでしょう。
 役所もいいし、何と言っても樹木の老け役が見事。北林谷江を思わせます。
 三国も来年で90歳、文字通り戦後の日本映画とともに歩んだ最後の巨人です。
 井上はノーベル文学賞の有力候補でした。しかし、日本人では安倍公房が最も有力で、意外にも、三島由紀夫はそれほど有力な候補ではなかったそうです。
 
 

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