Koji Murataの映画メモ

映画に関するコメントのみお受けします。

邦画 2008年

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7月19日

 市川雷蔵と石原裕次郎の命日が、ともに7月17日だと気づいた。来年は雷蔵没後40年になります。
 さて、京都みなみ会館で、先ほど田中徳三監督『鯉名の銀平』(大映、1961年)を観賞。原作は長谷川伸。
 下田の縄張りをめぐって、地元の大鍋一家(親分役は荒木忍)に帆立一家の丑松(安倍徹)が喧嘩を仕掛ける。すでに堅気になっていた長老格の五兵衛(石黒達也)と若い衆の銀平(雷蔵)、卯之吉(成田純一郎)は、一家を救うため丑松との決闘を覚悟する。だが、銀平と卯之吉は、五兵衛の娘お市(中村玉緒)をめぐって恋敵でもあり、お市は卯之吉と結ばれることに。
 丑松一家の手勢を斬って、銀平は流れ旅に出る。それから4年、下田の町は丑松たちの支配するところになっている。銀平が再び舞い戻ったことから、卯之吉夫婦も丑松たちの嫌がらせを受ける。銀平は丑松一家を退治し、すべての罪を一身に背負って役人の縛につく。
 雷蔵が失恋するとは、意外なストーリー展開。白黒の画像に屈折した銀平を巧みに演じている。
 成田純一郎は雷蔵映画の常連で、なかなかの美形だったが1964年に映画界から姿を消した由。今はどこで何をしているのか。
 夜鷹(流しの売春婦)の科白に、「達磨さんの山登り」というのが出てくる。「お足がなくて登れない」、つまり、代金がなくて女を買えないという意味。うまいこと言いますね。

7月17日

 今日は祇園祭でした。
 というわけで、京都文化博物館で山内鉄也監督『祇園祭』(日本映画復興協会、1968年)。企画は伊藤大輔で、オールスター・キャスト、2時間47分の大作である。
 応仁の乱で30年も途絶えた祇園祭を、新吉(中村錦之助)や助松(田村高広)ら若い町衆たちが復活させる物語で、これに河原者で笛の名手・あやめ(岩下志麻)と新吉との恋、町衆と山科の土一揆、熊左(三船敏郎)率いる大津の馬食らとの対立、赤松政村(伊藤雄之助)ら幕府の圧力、さらに、門倉了太夫(小沢栄太郎)ら月行司(町衆の幹部)との権力闘争などが、描かれている。
 ラストの祇園祭のシーンは壮観。
 アクション時代劇としても楽しめるが、差別問題も重要なテーマになっている。
 他に、美空ひばりや高倉健、渥美清、北大路欣也らが端役で顔を出している。町衆に理解を示す貧乏公家役で下元勉。懐かしい。
町衆の指導者役の志村喬が三船に斬られるシーンは、黒沢映画を彷彿させる。
 最後には、大文字の送り火でジ・エンド。
 3時間近いが、ほとんどだれない。公開当初も大ヒットした由です。
 錦之助はやや老けて見えるが、三船は依然野性的、岩下は凛として美しい。
 林屋辰三郎教授の『京都』(岩波新書)を読んでみようと、ふと思った。

7月16日その2

 明日は市川雷蔵の命日です。
 というわけで、久しぶりに京都みなみ会館まで、「雷蔵祭」に出かけました。
 先般亡くなった田中徳三監督の『濡れ髪牡丹』(大映、1961年)、濡れ髪シリーズ最後の作品。
 3000人の子分をかかえる女親分おもん(京マチ子)は、文武両道にたけた完璧な夫を捜している。そこに現れたのが、流れ者の瓢太郎(雷蔵)で、剣術から算盤まで何でも免許皆伝。しかし、瓢太郎はおもんとの勝負に敗れて旅に出る。1年後、瓢太郎は再びおもんに敗れて、また旅に。3年後、無法者の浪人三人組「流れ三ッ星」がおもんの宿場に現れ、おもんに横恋慕するヤクザの親分(安倍徹)と結託して、おもん一家を襲う。間一髪、瓢太郎が現れて、おもんを救うのだった。
 他に小林勝彦など。「流れ三ッ星」には、須賀不二男、千葉敏郎、伊達三郎という、濃い顔ぶれ。
 主人公は何でも免許皆伝だが、博打と女心には弱いことになっている。
 時代劇ながら、西暦が登場したり、片言英語が登場したりと、明朗時代劇らしく、田中監督の遊び心が満載である。脚本は八尋不二。
 しかし、雷ちゃん、やはり裸になると貧弱ですね。
 対する京は、ふくよかで色っぽい。

7月9日

 今日は学生諸君と久しぶりに太秦の東映映画村に行ってきました。大河内伝次郎の別邸「大河内山荘」にも。こちらは初めて。
 さて、今夜は自宅で深作欣二監督・脚本『火宅の人』(東映、1986年)。原作は「無頼派」作家と呼ばれた壇一雄の自伝小説。
 桂一雄(緒方拳)は妻(いしだあゆみ)と五人の子持ちだが、若い女優の卵・恵子(原田美枝子)と同棲生活を始める。この間には、次男が日本脳炎に罹って寝たきりになるという家庭の不幸もあった。
 だが、桂は恵子とも何かとすれちがい、放浪の旅に出て、旅先で出合ったホステスの葉子(松阪慶子)とも関係をもつ。旅から戻ると、次男が死亡し、恵子も桂のもとを去っていく。
 「火宅」とは煩悩に苛まれることを、火事になった家にたとえていうとの由。
 回想シーンでは、中原中也役に真田広之、太宰治役に岡田裕介。中原(1907年生)と太宰(1909年生)、壇(1912年生)は、ほぼ同世代である。
 他にも、井川比佐志や下条アトム、下元勉、蟹江敬三らベテランに加えて、荒井注の顔も。懐かしい。壇一雄の実子・壇ふみも、一雄の母親役(つまり自分の祖母役)で特別出演。
 各地の風景が美しい。もちろん、原田と松阪の裸体も魅力的。
 映画のラストでは、主人公は家庭に戻っていくが、果たして「火宅」の状態は終わるのか。

6月29日

 もう今年も半分すぎましたね。
 昨日は新橋演舞場で新派の『婦系図』を、今日は西宮の兵庫県立芸術文化センターでオペレッタ『メリー・ウィドゥ』を楽しみました。お芝居もいいですよね。

 さて、今晩は自宅で澤井信一郎監督『Wの悲劇』(角川春樹事務所、1984年)を観賞。以前、古本屋で中古のビデオを購入したもの。原作は夏樹静子。
 三田静香(薬師丸ひろ子)は某劇団の研究生で、劇団の二枚目幹部俳優(三田村邦彦)と初体験したのちに、芝居好きの若者(世良公則)と出会い、お互いに好意を抱くようになる。
 だが、静香は新作『Wの悲劇』で念願の主役をつかめず、端役にとどまる。ところが、大坂での公演の折、劇団の看板女優(三田佳子)のホテルの部屋でパトロン(仲谷昇)が腹上死し、スキャンダルを恐れた大女優は自分のパトロンが静香の部屋で死んだことにする。見返りに、この大女優の強い推挙で、静香は『Wの悲劇』の主役に抜擢される。
 劇中劇『Wの悲劇』と作品全体が重なっており、効果的なストーリー展開になっている。まさに悲劇は二重に(つまりWに)展開するのである。
 東京での初舞台は大成功。しかし、最後に波乱のもう一幕が残されていた。
 薬師丸は熱演である。彼女と世良のラブシーンというのは、なかなか80年代的です。ラストに流れる主題歌「Women」も、かすかに聞き覚えがある。
 舞台監督役に蜷川幸雄も登場し、彼はこの映画の舞台監修も務めている。舞台美術は妹尾河童。
 他にも、藤原鎌足や南美江、草薙幸二郎ら渋い役者が、脇を固めている。仲谷は一言も科白のない遺体の役。梨本勝や福岡翼ら芸能レポーターが登場するのも、ご愛嬌。
 往年の名画『イヴの総て』を想い出しました。
 

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