Koji Murataの映画メモ

映画に関するコメントのみお受けします。

邦画 2008年

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10月27日

 今日は京都ミナミ会館でマキノ正博(のちの雅弘)監督『鴛鴦歌合戦』(日活、1939年)。「おしどり」歌合戦と読む。念のため。
 驚くほど明るい戦前のオペレッタ映画である。
 片岡千恵蔵が長屋に住む浪人役で、隣家の浪人の娘と大店の娘(服部富子)、親戚の武家の娘が、それぞれ彼を慕って恋の鞘当を演じる。また、隣家の父親役が志村喬(当時まだ34歳とか)で貧乏なくせに骨董にこって、娘を困らせている。さらに、やはり骨董好きの馬鹿大名(ディック・ミネ)が浪人娘に横恋慕して一波乱。
 ディック・ミネと服部(服部良一の妹)が揚々とジャズを歌い、志村の歌も大したもの。片岡御大も少し歌っている。のちに晩年の御大がNHKの番組で市川歌右衛門と歌を歌うところを観た記憶があるが、その時はかなりの音痴でした。
 映画館の本日の観客数は7人。しかし、そのうちの一人の方が昭和14年封切り当時にこの作品を観たことがあると話しておられました。感動です。
 第二次世界大戦開戦の年に、こんな明るい映画を作っていたとは、それにも驚きです。
 撮影は宮川一夫。
 因みに、山根貞男『マキノ雅弘』(新潮選書)も最近発売されました。

10月26日

 今日は自宅でDVD、増村保造監督『最高殊勲夫人』(大映、1959年)。
 三原商事の社長(船越英二)は元秘書だった夫人(丹阿美谷津子)に頭が上がらない。その社長の弟と夫人の妹も結婚することに。そこで、社長夫人は社長の末弟(川口浩)と自分の末妹(若尾文子)をも結婚させようとする。若い二人はこの陰謀に反発して、お互いに恋人がいるふりをする。姉妹の父親(宮口精二)は定年前のさえないサラリーマンだが、末娘には「玉の輿」ではない庶民的な結婚をしてほしいと願っている。
 三原商事に秘書として就職した末娘は男たちの注目の的、OLたちの羨望と反発の的となる。だが結局、彼女は社長の末弟を愛しており、彼も彼女を愛していた。二人はめでたくゴールイン。さて、三姉妹のうちで「最高殊勲夫人」になるのは誰か、という恋愛コメディ。
 末弟の給料は2万に少し足りない程度、秘書になった末妹のそれは8000円である。あるOLは月々2000円づつ貯金している。50円のランチとか100円のカツカレーの話も出てくる。これに対して、社長が浮気相手の芸者に強請られる月々のお手当は「たったの10万円」である。
 増村らしくテンポのいいコメディ。社長夫人を演じた丹阿美と父親役の宮口が印象に残る。
 若尾文子演じる主人公に求婚するテレビのプロデューサー役に柳沢慎一。最近、三谷監督『マジックアワー』で往年のスター役で懐かしい姿を観た。作中、50年前のテレビ局も馬鹿げた番組を製作している。

10月20日

 今晩は自宅で久しぶりに吉村公三郎監督作品を。『婚期』(1961年、大映)である。撮影は宮川一夫。
 東京のアッパーミドルの家庭。家督を継いだ長男(船越英二)の嫁(京マチ子)は、婚期を逃した、または逃しつつある小姑たち(若尾文子と野添ひとみ)に理不尽ないじめを受けている。おまけに、夫との関係は冷め切っており、夫は妾や愛人をもっている。まともなのは、離婚歴のある義理の姉(高峰美子)ぐらいのものだ。
 小姑の一人(若尾)の見合いが失敗したことから、嫁と小姑は全面衝突、ついに嫁は家を飛び出す。先代から仕えていた老女中(北林谷栄)も、呆れて暇乞いをする始末。だが、夫婦とは不思議なもので、我侭勝手だった夫は、妻を捜して連れ戻しに来るのだった。
 「婚期」を意識しすぎた女たちの争いといじめの物語。因みに、これはあくまでコメディです。
 見合い相手の月収が1万3000円では不足だといった話が出てくる。
 役者もスタッフも豪華なのだが、あまり楽しめない。市川監督作品のような洒落たオチがあるわけではないし、吉村監督にしては、心理描写が表面的で、役者たちを活かしきれてないように感じた。
 一番の貫禄は、北林です、やはり。
 とはいえ、この時代の大映映画を観ると、なんともほっとするのも事実です。
 脚本は女性で、水木洋子。

10月19日

 ここ数年、けっこう日本映画は観てきたが、一番弱いジャンルがアニメ。
 今夜は自宅で宮崎駿監督『千と千尋の神隠し』(スタジオジブリ、2001年)。
 荻野千尋とその両親は、引越しの途中で不思議なトンネルに迷い込み、両親は魔法で豚にされ、千尋は魔女の湯婆婆の下で、千と名を変えられて、八百万の神々相手の湯屋で働かされることになる。最初は驚くことばかりだったが、ハクという少年や先輩のリン、それに釜爺らが、いつも千を助けてくれた。
 この湯屋には猛烈な悪臭を放つオクサレ神や人間の孤独を体現したカオナシが登場して、大騒ぎ。しかし、千はこれらの事件を乗り越えていく。
 やがて、湯婆婆の双子の姉・銭婆の出現を機に、ハクの正体が琥珀川の神だったことも判明し、千と両親は魔界から解放される。
 いやあ、「食わず嫌い」とは、このことですね。実に面白かった。
 日本版「不思議の国のアリス」でしょうか。
 オクサレ神やカオナシには、ややスカトロの感もありますが、あるいは、パゾリーニのように、過剰な資本主義批判なのか。千やハクのように本名を取り上げれれて支配されるというのも、創氏改名を連想させる。
 舞台のモデルは台湾の九份だと言われていますね。何年か前に学生諸君と旅行したことを、懐かしく想い出しました。また、湯婆婆や銭婆の巨大なヘヤスタイルは、京都の老舗料亭「ちもと」の女将さんがモデルとの由(本人の談)。
 英語版もある由で、こちらでは湯婆婆の声をスザンヌ・プレシェットが演じたとか。ヒッチコックの『鳥』で鳥たちの襲われて死ぬ美女役です。今年1月に亡くなりました。
 この日本語版も、夏木マリや沢口靖子、菅原文太など、豪華な声の出演である。

10月18日その2

 その後、京都文化博物館に。安田公義監督『大魔神』(大映、1966年)を観賞。大映が撮影した日本発の特撮時代劇。馬鹿にしてはいけません。美術は内藤昭、音楽は伊福部昭です。特撮は森田富士郎。
 戦国時代、悪家老(五味竜太郎)の謀反で、城主の花房忠清(島田竜三)は殺害され、幼い息子と娘は忠臣(藤巻潤)によって助け出される。彼らは森の奥深くで育てられる。そこには、伝説の魔神「あらかつま」が封じ込めらている。
 それから10年、いまや領主となった悪家老は領民を苦しめ、花房の落ち武者狩りを続ける。成長した花房の嫡男もその忠臣も捕らえられてしまう。さらに、悪家老は領民の信じる魔神伝説を粉砕すべく、森の奥の魔神象の破壊を命じる。花房の娘(高田美和)の必死の祈りに、ついに魔神は怒りを爆発させて動き出し、城を破壊し、悪家老一味を粉砕する。
 子供の時に観た記憶では、すごく怖かった。確かに、今観ても怒れる大魔神には迫力があります。
 大映お馴染みの脇役、伊達三郎や木村玄が忠義の落ち武者や善良な領民の役で、けっこう登場しています。他に、遠藤辰雄も(もちろん、悪役)。
 特撮部分と違和感のないように、すべて曇天の日に撮影したという、プロのこだわりぶりが活きています。
老巫女を演じた月宮乙女は力演だったが、本作を最後に引退とか。
 映画評論家の二葉十三郎によると、埴輪の大魔神が暴れるのは、フランスの映画『巨人ゴーレム』(1936年)に着想をえたものだろうとの推察。さすが慧眼。


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