Koji Murataの映画メモ

映画に関するコメントのみお受けします。

邦画 2009年

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 岡山経由で直島に向かう途次にDVDを一本。
 大林宣彦監督『時をかける少女』(角川、1983年)。尾道三部作の一つ。
 高校1年最後のスキー旅行を終えて、和子(原田知世)らは2年生に進級した。
 土曜日の放課後に理科の実験室の掃除をしている時、和子はラベンダーの香りのする不思議な煙をすって倒れてしまう。幼馴染の五朗(尾身としのり)と深町(高柳良一)が、和子を助ける。
 それ以来、和子の時間の感覚がおかしくなる。同じ日を二度経験し、地震や火事があることを予見してしまうのだ。
 実は、深町は未来から来た人間で、薬学に必要なラベンダーを採集していたのだ。和子と深町の間には恋愛感情が芽生えている。しかし、真実を告げた上は、深町は未来に戻らなければならなかった。しかも、和子たちの中にある自分の記憶をすべて消して。
 その後、和子は大学院にまで進学し、薬学の研究に没頭するのだった。
 最初のスキーのシーンで、すでに深町が未来から来た人間であることが仄めかされています。
 他に、岸部一徳や根岸季衣、それに入江たか子と上原謙が特別出演。入江と上原こそ「時をかける」存在という気がします。
 尾道の町並みが美しい、懐かしい80年代のジュナベルでした。

12月31日 邦画158

 今年最後の映画です。これで270本になります。
 選択に悩んだのですが、雷蔵のデビュー作を新幹線の車内で。
 田坂勝彦監督『花ノ白虎隊』(大映、1954年)。
 幕末、会津に官軍が迫る。日新館で学ぶ若者たちも白虎隊として藩防衛のために立ち上がる。篠原家では長男も戦死し、次男の準之助(市川雷蔵)が家長として出征することに。許婚の百合(峰幸子)と三々九度を交わして出陣する。小林八十次郎(勝新太郎)も病身の父(小川虎之助)を抱えて出陣する。百合の兄・池上仙吉(花柳武始)は秀才の誉れ高くフランス留学を夢見ていたが適わず、戦場に向かう。激戦の末、彼ら若者たちは矢つき刀折れて自刃するのだった。
 雷蔵だけでなく勝新のデビュー作でもあります。雷蔵はまだ22歳です。
 他に篠原の祖母役に毛利菊枝、兄嫁に阿井美千子、官軍の司令官に黒川弥太郎ら。
 田坂監督は確か、巨匠・田坂具隆監督の弟だと思います。

12月31日 邦画157

 三条のMOVIXで角川歴彦製作総指揮、若松節朗監督『沈まぬ太陽』(2009年、角川映画)。原作はもちろん山崎豊子。
 国民航空というナショナル・フラッグの航空会社が舞台。
 恩地(渡辺謙)は労働組合の委員長として活躍するが、会社に疎まれカラチ(パキスタン)、テヘラン、ケニアと厳しい途上国に左遷される。妻(鈴木京香)はけなげに夫を支えるが、子供たちには大きなしわ寄せが及ぶ。一方、組合の副委員長だった行天(三浦友和)は体制に順応して出世の道を歩む。
 国民航空は御巣鷹山のジャンボ・ジェット機墜落事故という大惨事を引き起こす。帰国した恩地は遺族の世話係として粉骨砕身する。首相(加藤剛)の肝煎りで関西財界の重鎮・国見(石坂浩二)が国民航空の会長に起用され、改革に当たる。国見は恩地を重用し、社内の不正を正そうとする。だが、これが行天常務や子会社の社長・八馬(西村雅彦)との対立を生み、やがては政界を巻き込む事態になる。
 国見は八馬を解任して勇退する。恩地は行天の報復人事で、再びアフリカに飛ばされるが、その行天も背任・横領が発覚して東京地検に検挙されるのだった。
 「沈まぬ太陽」とはもちろん日本でもあります。高度成長と会社至上主義の時代のあと、モラルを喪失していく社会、しかし、なお日本再生に尽力しようという人々を、航空会社に仮託して描いています。
 3時間を越えるドラマながら、飽きません。
 西村が実にうまく老けていく。加藤剛演じる首相のモデルは、明らかに中曽根首相です。加藤が痩せていたのには驚きました。大岡越前もお年ですね。
 ラスト・シーンがやや感動の強要のような気がしてしまいます。
 他に宇津井健や香川照之ら。山田辰夫の遺作でもあります。
 今年で御巣鷹山墜落事件から四半世紀が経ちます。思えば、あの頃が戦後日本経済の頂点でした。
 

12月30日 邦画156

 大掃除のすんだ自宅でビデオ。
 渋谷実監督『四人目の淑女』(松竹、1948年)。
 音楽学校の学生・吉田(森雅之)のもとに召集令状が届き、親しかった四人の女学生と涙の別れをする。それから四年、敗戦で吉田は復員してきた。そこで、女友達を訪ねるのだが、敗戦後のすさんだ世相の中で彼女たちは様変わりしていた。まず、没落貴族の娘(浜田百合子)は金のために成金・古川(笠智衆)と婚約しており、二番目の女(月丘夢路)は結核を患いながらダンサーになって、ヤクザと暮らしている。三番目の女(三浦光子)は歌手として成功しているが、にわかに病に倒れた。そうとは知らず尋ねてきた吉田は、マネージャー(殿山泰司)に追い返されてしまう。最後の孝子(木暮実千代)は古川の経営するクラブのママになっていた。
 吉田はすっかり失望するが、孝子は博打で彼に大金を与え、金の力を知るためにもう一度女たちを一巡するように求める。タキシードを着込んだ吉田に、没落貴族令嬢は心を奪われ、婚約は破談になってしまう。絶望した彼女は古川を殺してしまう。次に、吉田はヤクザに金を与え、ダンサーと別れるよう命じる。ダンサーとの痴話喧嘩の末、ヤクザは階段から転落死する。歌手はすでに死んでいたが、彼女は純情な遺書を吉田に残していた。孝子は死んだ歌手になりすまし、病室で故人の心情を吉田に伝える。吉田はようやく希望を取り戻した。
 他に、清水将夫や望月優子など。
 森が純情な男と非情な男を演じわけ、木暮が女メフィストフェレスの役割を演じる。
 こちらの先入観かもしれないが、笠は成金役には向いていない気がする。
 戦後の拝金主義的でモラルを喪失した社会への痛烈な風刺です。
 しっかりしたカルテット構成の脚本は新藤兼人。

 まだ大晦日に映画を観るつもりですが、このブログに書き込むのは年明けになってしまうと思います。
 元旦から「朝まで生テレビ」です。
 皆さん、この一年素敵なコメントや感想をありがとうございました。
 お手紙をいただいた方もありました。お返事できずにすみません。
 どうぞよい新年をお迎え下さい。そして、来年もよろしくお願いします。

12月29日 邦画155

 卒業生を迎えての大掃除前に、自宅でビデオを一本。
 森一生監督『若親分凶状旅』(1967年、大映)。シリーズ7作目。
 海軍時代の友人・高木少佐が謎の自殺を遂げ、南条武(市川雷蔵)はその真相を究明しようとする。同じく海軍時代の仲間で土建屋の金杉(垂水悟郎)や政界の黒幕、地元の名士・土屋伯爵(渡辺文雄)、親の代からの義理で土屋に縛られている人足頭の千代子(江波杏子)らの関与が、徐々に浮かび上がってくる。
 実は、彼らは満州と蒙古に武器を密売しようとしていたのだ。高木はそれに利用され、「己に恥じることなかりしか」と書き残して自殺したのだった。千代子の協力で海軍の井川少佐(藤巻潤)と連絡をとり密輸を阻止した南条は、金杉や土屋を斬り捨てるのだった。
 他に、加藤嘉や都はるみも。彼女がコブシの効いた歌声を披露している。主題歌は藤巻潤が歌っている。
 森監督の作ながら、これといって見所なし。

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