Koji Murataの映画メモ

映画に関するコメントのみお受けします。

邦画 2009年

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 今日は自宅でビデオ。
 今井正監督『米』(1957年、東映)。
 主人公の次男(江原真二郎)茨城の零細農家の次男で、長男(南原宏治)や母(原泉)から土地を分けてもらえない。遊び仲間の兄貴分(木村功)に誘われて、霞ヶ浦で漁をすることになる。兄貴分は違法な漁業にも手を染めるが、次男(つぎおと読みます)にふられた妹が金をもって家出してしまう。やがて、兄貴分と次男も深夜の操業中に事故に遭う。兄貴分は溺死する。
 次男は一命をとりとめ、よね(望月優子)の一家に救われた。よねは病身の夫(加藤嘉)を抱え、娘(中村雅子)と農業・漁業の双方に精を出していた。よねの娘と次男は、お互いに惹かれあっている。だが、よねは地主(山形勲)から田畑を返すよう求められており、違法な漁業に手を染めて、警察に見つかってしまう。前途を悲観したよねは自殺、娘らが納棺するのを、次男も見送るのだった。
 戦後間もない農村や漁村の暮らしぶりと自然が、丹念に描かれている。百姓たちは一日中働いており、祭りの時にだけ、束の間の憩いをえている。
 「日本のネオ・リアリズム」と呼ばれた作品。
 江原も木村も若々しいが、特に江原は当時まだ新人であった。
 他にも、杉狂児、花沢徳兵衛、潮星児、梅津栄などの脇役陣も充実。
 貧しい農村の次男・三男が自衛隊に入隊していく。当時、自衛隊は今ほど社会的に認知されていなかったわけで、今井監督の自衛隊批判の意図も込められていよう。周知のように、今井は共産党員でした。
 
 

9月9日 邦画108

 以前にもお伝えしましたが、映画の感想に関するコメントのみをお願いします。
 このブログにアクセスすることは止められませんが(私がメールを送っているのではありません、誤解しないでください)、ポエムは自分のブログにでも書いてください。
 きわめて迷惑です。
 皆さん、すみません。悪質なストーカー行為があったものですから。

 さて、今夜は自宅でビデオ。
 増村保造監督『千羽鶴』(大映、1969年)。原作はもちろん、川端康成で、彼のノーベル文学賞受賞記念作品。脚本は新藤兼人。市川雷蔵の企画だが、病をえて平幹二朗が代役を務めた。また、増村監督と若尾文子コンビの最後の作品でもある。
 菊治(平)の亡父(船越英二)は茶の湯を愛する風流人だった。しかし同時に、亡父は妻がありながら、茶道の師匠(京マチ子)を愛人にし、やがてはこの師匠を捨てて、旧友・太田の未亡人(若尾)とも関係をもっていた。菊治も太田未亡人と関係をもってしまう。未亡人は息子に父の影を重ねたのである。だが、茶道の師匠の悪意が重なり、やがて、未亡人は自殺する。
 菊治は未亡人の一人娘とも関係を持ってしまう。今度は菊治が娘に母の影を重ねたのである。菊治は娘を本当に愛していることに気づくが、娘は失踪してしまう。
 茶道の師匠の胸には、醜い黒痣がある。「他人はこの痣を見て、自分の罪悪や醜さを感じるのです」と、彼女は言う。
 美しい志野焼の茶碗に女性が仮託されている。
 ただし、女優陣の演技が過剰で、はなはだ疲れました。雷蔵が主演していたならどうなったろう、というのが唯一の関心でした。
 他に、老女中役に北林谷栄など。
 

9月8日 邦画107

 携帯用のDVDプレイヤーを購入し、はじめて出張時の新幹線車中で観賞。
 溝口研二監督『武蔵野夫人』(東宝、1951年)。大岡昇平の原作を福田恒存が脚色、脚本は依田義賢。
 大学で仏文学を教える秋山(森雅之)は農家の出身で、資産家で士族の妻・道子(田中絹代)とその両親(父親役は進藤英太郎)にコンプレックスを抱いている。しかし、秋山夫妻は空襲で東京の家を焼かれ、武蔵野にある道子の実家で暮らすことに。隣には道子の従兄弟・大野(山村聡)と妻・富子(轟夕起子)が住んでいる。
 やがて、敗戦。道子の両親は相次いで亡くなり、別の若い従兄弟・勉(片山明彦)が除隊して帰ってくる。秋山は隣家の富子に関心を抱いており、冨子は夫の愛に飢えて勉を誘惑しようとする。だが、勉は道子を愛していた。実は、道子も勉を愛している。二人は勉の好きな武蔵野を散策する。「道徳よりも大事なものがある。それは誓いよ」と道子は言う。きれいな関係のままでいるという誓いだ。
 秋山が富子と家出し、道子の委任状と一緒に土地や家屋の権利書を持ち出してしまった。先祖代々の財産を守るため、道子は戦時中に配られた青酸カリを服毒し、自殺する。秋山は大いに後悔し、勉は道子から届いた手紙に涙するのだった。
 一般に、原作者の大岡にとっても、監督の溝口にとっても、失敗作とされています。心理描写を科白に頼りすぎる感があります。しかも、敗戦後なのに、登場人物の武蔵野での生活が優雅にすぎます。
 しかし、悪役の多い進藤の温厚な父親役や、森の身勝手な夫役は見応えがあります。
 道子が自殺するのは、死ねば委任状が無効になるからです。
 秋山家の女中の役が千石規子だったそうです。気づきませんでした。

9月7日 邦画106

 今夜も自宅でビデオ。
 井上昭監督『若親分乗り込む』(大映、1966年)。シリーズ第四作。
 父の七回忌で、南条武は磯田組を訪ねた。だが、組長(荒木忍)は憲兵隊の取調べで獄死する。娘の柳子(藤村志保)によると、弟が軍隊から脱走し自殺したのだという。
 実は、新興ヤクザの郷田(北城寿太郎)と地元の有力者・河村(遠藤太津朗)が憲兵隊長(垂水悟郎)と結託して私腹を肥やし、秘密を知った者を口封じしていたのだ。
 三次郎(本郷功次郎)は郷田の子分だが、任侠道を知り、お峰(松尾嘉代)という女性と恋仲である。郷田は三次郎に南条殺害を命じ、失敗すると三次郎を殺害しようとする。
 南条は郷田一家と対決したのち、海軍の軍服を着込み、陸軍の特命査察官(三島雅夫)のもとに乗り込んでいく。
 南条の軍服が破られ、刺青が露わになる。「遠山の金さん」の変形版である。
 今日は嫌なことがあったので、すっきりした映画を観たかったのですが、このシリーズの中では駄作でしょう。せっかく怪優・遠藤太津朗が出演しているものの、出番が少なく、他の悪役に至ってはまったく迫力がない。本郷と松尾が登場するエピソードも、大筋から浮いた感を否めない。
 シリーズも四作ぐらいから中だるみするということでしょうか。

9月6日 邦画105

 今夜は自宅でビデオ。木下恵介監督・脚本『風花』(松竹、1959年)。切ない音楽は木下忠司(監督の弟)。
 信州の田舎で、名家・名倉家から花嫁が嫁いでいく。一方、青年が家を飛び出して、川に身投げを図り、母親がそれを止める。ここから母親の19年前の回想となる。
 春子(岸恵子)は身分の違いを超えて、名倉家の長男と愛し合い子供まで身ごもる。だが、男は出征を控えており、二人は心中を図って川に投身する。春子だけが助かる。実父も自殺したことから、名倉家に引き取られるが、当主夫妻(永田靖と東山千栄子)は春子親子を使用人として扱い、冷遇する。生まれてきた男の子には、なんと捨雄と名づけるのである。
 戦後の農地改革で、名倉家も没落し、当主も不遇のうちに死んだ。未亡人(東山)は息子(細川俊夫)夫婦を相手にせず、美しい孫娘のさくら(久我美子)に良縁を見つけて、家名の再興を期している。このさくらだけが、春子と捨雄(川津裕介)親子に優しかった。捨雄は名倉家を憎んでいるが、さくらを密かに愛していた。さくらは長野一の資産家の家に嫁ぐことになる。女学校時代の友人(有馬稲子)との会話から、さくらは自分も捨雄が好きだったことに気づく。一夜、二人は川べりで抱擁する。
 こうして、冒頭のシーンにつながる。さくらが嫁いだのち、春子親子は名倉家を出る。春を前に小雪が風に舞う。これが「風花」である。
 封建的な因習が二代にわたって男女の恋を引き裂く。木下監督得意のテーマである。
 その封建主義と因習の権化を、東山は見事に演じている。永田もなかなかの貫禄。
 時代が複雑に前後しながら、物語が進展していく。実験的だが、主人公の岸の見た目がほとんど変わらないのが難点か。
 今から50年前の作品ですが、岸、久我、有馬と女優陣はみなご健在ですね。
 他に、笠智衆も名倉家の下男の役で、前半に登場している。
 木下監督作品は49本あります。私が観たことのあるのは、これでようやく20本です。


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