Koji Murataの映画メモ

映画に関するコメントのみお受けします。

邦画 2009年

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

8月11日 邦画94

 お久しぶりです。東京、大連と出張が続き、その後学生諸君と道後温泉に行ってきました。
 今夜は自宅でDVD。成瀬巳喜男監督の遺作『乱れ雲』(東宝、1967年)。
 通産省のエリート官僚の江田(土屋嘉男)が、ワシントンの大使館勤務の直前に交通事故で亡くなる。未亡人の由美子(司葉子)は妊娠中だったが中絶せざるをえなくなり、のちには亡夫の籍からも離れることに。事故を起したのは三島(加山雄三)という商社マンだった。事故は不可抗力によるもので、三島は無罪になるが、青森の支店に左遷され、常務(中村伸郎)の娘(浜三枝)との縁談も破談になる。
 贖罪感から、三島は由美子に仕送りを続けるが、由美子は青森の生家で旅館を切り盛りする義理の姉(森光子)を手伝うことになり、江田家から離籍したため、仕送を断る。二人は青森で再会する。はじめは由美子は三島を拒絶していたが、徐々にお互いに好意を抱くようになる。ところが、三島にパキスタンのラフォールへの転勤命令が下る。二人は十和田湖の旅館で一夜を共にするが、偶然に交通事故を目撃する。男と女は二人が結ばれてはならないことを悟り、寂しく別れるのだった。
 「圭子の夢は夜開く」など、懐かしい昭和歌謡がBGMに流れる。
 他に、草笛光子、中丸忠雄、藤木悠、加東大介、江戸屋猫八ら。端役にも、十朱久雄や清水元(商社の接待客)、花沢徳衛(裁判官)、左卜全(バスの乗客)、浦辺粂子(三島の母)ら、渋い面々が。
 改めて観ると、司は白川由美のようでもあり、カトリーヌ・ドヌーブのようでもあり。浜三枝も懐かしかった。ボンド・ガールになるのは、3年後の1967年。森光子はさすがに芸達者。
 事故死した夫の退職金が80万円ほどで、由美子の遺族年金が7万円ほど、三島は由美子に月1万5千円を10年支払うと約束する。いずれも、今なら10倍というところでしょうか。

8月6日 邦画93

 その後自宅でビデオをもう一本。池広一夫監督『忍びの者 続・霧隠才蔵』(大映、1964年)。
 大坂城落城の時、自刃しようとする真田幸村(城健三朗=のちの若山富三郎)を忍者の霧隠才蔵(市川雷蔵)が救い出し、薩摩に落ち延びる。島津家は幸村らと協力、種子島の鉄砲を大量に入手して徳川家を倒そうと企てていた。しかし、すべては家康(小沢栄太郎)の知るところだった。雪村の自害後、才蔵は駿府城に忍び込み、宿敵の服部半蔵(伊達三郎)一味を破り、家康に毒矢を射る。しかし、家康はキリシタンの禁止や外様大名の改易などを命じて、徳川の支配が磐石になったことを喜びながら死んでいく。
 他に、藤村志保や藤由紀子ら。ただし、女優陣の存在感は薄い。
 このシリーズも5作目で、マンネリの感も。
 小沢の家康は重厚でよかった。

8月6日 邦画92

 広島に原爆が投下されてから64年、犠牲となった方々のご冥福をお祈りします。
 京都文化博物館で、佐分利信監督・主演『ああ青春』(松竹、1951年)。脚本は猪俣勝人、音楽は黛俊郎。
 東京の有名私学法学部の女子学生・小宮峯子(高峰三枝子)は、学費と生計のために、社交喫茶でダンサーのアルバイトを始める。同級生の学生運動家と女学生・吉川が理性で割り切った同棲生活をしているのに触発されて、峯子も割り切って常連客の舟木(河津清三郎)の誘惑に身を委ね、金品を求めることにした。典型的なアプレゲール(退廃的な戦後派)である。
 それでも、峯子はおなじ苦学生の仙石(若原雅夫)に好意を抱いており、さらには、進歩派で学生に理解のある佐竹教授(佐分利)を慕っている。しかし、教授には上品で美しい夫人(三宅邦子)と暖かい家庭がある。しかも、峯子は社交喫茶で働いていることを、教授に知られてしまう。峯子はまた、ある夜酔った勢いで見知らぬ学生に処女を奪われる。
 その頃、峯子の友人だった吉川は妊娠して学生運動家に捨てられ、自殺してしまう。佐竹一家と仙石とピクニックに出かけたある日、教授から純愛の尊さを説かれて、峯子はいたたまれなくなり逃げ出してしまう。舟木に誘われるまま旅に出た峯子だが、実は舟木は遊興のために公金を横領しており、服毒自殺してしまう。
 心を入れ替えた峯子は、仙石と地道な学生生活に戻る。どこか彼女に心惹かれながらも、佐竹教授は若い二人の青春を暖かく見守るのだった。
 少し冗長な気もするが、丁寧に登場人物の心理が描写されている。
 「接吻」という言葉が繰り返されて、何かしら新鮮である。
 佐分利はさすがの存在感。河津も森雅之に似た中年のニヒリズムと色気を醸し出している。三宅も品のある大人の色気を漂わせている。
 他に、不良学生に三橋達也(若い!)、峯子の母に東山千栄子、峯子を口説く酔客に大木実ら。
 学生運動の偽善も描かれている。舞台は早稲田です。
 中学校や高校の職員室のように、教授が部屋を共用している。この当時はそうだったのでしょうか。
 しかし、大学教授たる者、佐竹教授のような風格をもちたいものです。
 

8月3日 邦画91

 今夜は久々に神保町シアターで成瀬巳喜男と川島雄三の共同監督『夜の流れ』(東宝、1960年)。
 料亭の娘・美也子(司葉子)は大学生活を謳歌している。母である女将の綾(山田五十鈴)は、板前の五十嵐(三橋達也)と密かに恋愛関係にある。そうとは知らず、美也子も五十嵐に思いを寄せている。やがて、娘は母の情事を知り、板前は店を出て行く。この時刃傷沙汰を起しかけたことから、綾も料亭のオーナー(志村喬)に店を追われる。オーナーの娘(白川由美)は美也子の旧友だ。母は男を追って神戸に旅立つ。娘は花柳界に生きる決心をし、芸者になるのだった。
 この他に、料亭出入りの芸者たちと彼女たちの住む置屋で、多くの騒動が発生する(もっぱら、川島監督担当)。金太郎(水谷八重)は呉服屋の番頭(宝田明)に惚れているが、実は番頭は姉さん芸者(草笛光子)と結婚を約束している。ところが、この姉さん芸者は別れた夫(北村和夫)に付き纏われており、駅のホームで無理心中されてしまう。金太郎も酔っ払って不良大学生たち(そのうちの一人は児玉清)にレイプされてしまう。また、別の芸者(市原悦子)は男に騙されては自殺騒動を引き起こす。置屋の女将(三益愛子)には迷惑な話だ。この置屋から、美也子は芸者に出ることになる。
 綾が追い出されたあとの料亭の女将に収まるのが、越路吹雪である。他に中丸忠雄ら。バタ臭い二枚目です。
 司が踊りを披露しているが、それほど感心しない。彼女は西洋的な美人だと思う。
 山田の年増の色気と三益の貫禄、それに水谷の奔放さが見物である。
 当時の芸者の花代は1時間800円だそうです。姉さん芸者の別れた夫は1万円をせびりに来て、手切れ金は3万円だと言われる。
 女たちのテンポのいい会話が笑いを誘う。脚本は井出俊郎と松山善三。

 
 

8月1日 邦画90

 自宅でビデオ。市川崑監督『満員電車』(大映、1957年)。脚本は市川と和田夏十の夫妻。
 名門・平和大学の卒業式。茂呂井民雄(川口浩)は、駱駝麦酒に就職し、尼崎勤務になる。会社の独身寮では、隣人の更利満(船越英二)が「怠けず、休まず、働かず」と、サラリーマン生活の極意を説いている。民雄はから元気でがんばっているが、虫歯から関節痛、お尻の痛みと、神経が原因で次々に発病し、会社専属の医師(潮万太郎)の世話になっている。
 やがて、民雄のもとに、小田原で市会議員をしている時計屋の父(笠智衆)から手紙が届き、母(杉村春子)が発狂したという。民雄はなけなしの給料から平和大学の研修医・和紙破太郎(川崎敬三)を雇い、母の様子を診て来てもらう。野心家の和紙は、民雄の父が地元の有力者と知り、精神病院の建設を勧める。ところが、発狂していたのは、父のほうだった。
 「人生は三段跳びだ」と豪語する和紙は、バスにはねられてあえなく死亡、それを目撃していた民雄も電信柱に頭をぶつけて1ヶ月の入院。おかげで、民雄は会社をクビになってしまう。職業安定所で昔の恋人(小野道子)と再会した民雄。なんとか、小学校の小遣いの仕事をえるが、大学卒業と発覚して、これもクビ。それでもへこたれない民雄だが、人生は「満員電車」のようで、なかなか居場所がみつからない。
 学歴社会と会社社会を風刺したブラック・コメディー作品。満員電車の中に「満員電車 近日公開」の吊革があったりする。
 民雄はやたらに計算に長けているが、駱駝麦酒での生涯賃金は2940万円で、55歳の退職時に190万円も貯金があれば御の字だという。
 市川版『大学は出たけれど』といったところか。
 他に、山茶花究や見明凡太郎ら、いつものベテラン脇役たちも。田宮二郎も冒頭の卒業式に一瞬顔を出している。
 


よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト『さとふる』
実質2000円で特産品がお手元に
11/30までキャンペーン実施中!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事