Koji Murataの映画メモ

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邦画 2009年

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7月24日 邦画84

 京都みなみ会館で池広一夫監督『若親分喧嘩状』(大映、1966年)。引き続き雷蔵祭です。ある方から頂戴したチケットを利用させていただきました。
 時は大正の初期、場所は上海。中国に逃亡していた若親分こと南条武(市川雷蔵)は、誘拐されていた蒙古の姫(江上杏子)を救い、日本に戻る。陸軍の過激派が姫を擁立して、革命騒ぎを企てていたのだ。南条は姫を、政界の大物・木島(三島雅夫)に託し、自らは横浜で亡夫の弟分だった高遠弥之助親分(北竜二)の客分になる。
 横浜では、新興の猪之原(内藤武敏)が仁義を無視して縄張りを拡張、阿片を売りさばいていた。しかも、猪之原は阿片を入手するために、外国人貿易商の手先になって大手企業の乗っ取りを繰り返していた。さらに、その背後には陸軍過激派が糸を引いていた。
 陸軍過激派の若手は木島を殺害するが、蒙古の姫は南条の手引きで海軍によりアメリカに亡命する。南条は陸軍過激派の中心人物(戸浦六宏)を説得、さらに南条の通報で猪之原の阿片窟も警察に摘発される。これを逆恨みした猪之原は南条殺害を企てるが、人違いで弥之助親分を殺害する。南条は猪之原組に喧嘩状を送り、たった一人で対決に赴くのだった。
 雪の大晦日、街頭では救世軍の募金活動が続いていた。
 他に、南条に思いを寄せる芸者・喜久松に小山明子、ヤクザを弾劾する地方新聞の記者に滝田裕介、その妹で救世軍に奉仕する早苗に高田美和など。
 三島や北らベテランは好演だが、女優陣の作中での位置づけが曖昧な気がする。
 この作品の最大の弱点は、悪役の弱さ。いつもカードを手にした気障な猪之原に内藤が扮したが、この人ではヤクザには見えない。典型的なミスキャスト。
 「ペンは剣よりも強し」と新聞記者はヤクザに対抗するが、自らを守る術さえもたない。自らの正義を確信しすぎる人間の弱いところであり、また、恐いところでもある。
 救世軍を登場させたところなど、大正期デモクラシー期の雰囲気を伝えていますが、海軍=善玉、陸軍=悪玉の単純な図式が気になります。
 

7月23日 邦画83

 お昼に京都みなみ会館で、池広一夫監督『花の兄弟』(大映、1961年)。市川雷蔵の明朗時代劇。
 武家の市之進(雷蔵)は父の仇を追って10年になる。ある宿場で、彼は弟の弥二郎(橋幸夫)と再会するが、弟はヤクザになり、榊山親分(石黒達也)に仕えていた。市之進も仇を捜すため、武家の身分を偽って一家に草鞋を脱ぐ。ここでは兄弟の関係が逆転してしまう(本当の弟が渡世上の兄貴)。さらに、市之進は親分の一人娘(水谷良重)に惚れられる。
 近隣の村雨一家は榊山一家の縄張りを狙っており、言いがかりをつけて喧嘩をしかけてくる。この時、驚くべき事実が発覚する。榊山親分こそは市之進の捜していた仇だったのだ。親分は市之進の父を殺さなければならなくなった事情を説明した上、市之進に討たれることに潔く同意し、ただ娘を頼むと言う。いよいよ、村雨一家との喧嘩。市之進と弥二郎は大活躍、もはや市之進には仇討ちの気持ちは失せていた。市之進は親分の娘とめでたく結ばれる。
 雷蔵主演で同じ題名の映画が、1956年にも作られている。
 時代劇なのに「サービス」といった科白が使われ、歌謡曲が流れる。遊び心満点である。
 確かに、雷蔵と橋はよく似ている。
 茶川一郎が旅籠の主で登場、久しぶりに観ました。

7月22日 邦画82

 今夜は雷蔵映画のビデオをもう一本。
 渡辺邦男監督『蛇姫様』(大映、1959年)。
 烏山藩3万石の藩主(香川良介)は江戸在府の上、病である。国許では国家老の佐伯(河津清三郎)が密貿易で私腹を肥やし、藩政を壟断している。そこで、琴姫(嵯峨美智子)が父の意向を受けて帰国する。
 琴姫の侍女おすが(中村玉緒)が家老の次男に言い寄られ、おすがの兄・千太郎(雷蔵)はこの次男を斬りつける。千太郎はお尋ね者になり、旅役者の一座に加わる。一方、江戸表の藩主の信任厚い剣の達人・一刀斎(黒川弥太郎)も国許に下る。おすがは琴姫と一刀斎の間の連絡をとろうとして、家老一味に殺されてしまう。
 城下ではこともあろに、琴姫がおすがを殺したという噂が広がる。これを耳にした千太郎は琴姫への復讐を誓う。千太郎が琴姫に接近し仇を討とうとしたした時、死んだおすがが蛇になって現われ、誤解を解く。こうして、千太郎、琴姫、一刀斎らが力を合わせて、家老一味を退治するのだった。
 雷蔵が一座の芝居で女装を披露している。『雪之丞変化』のような復讐劇である。
 家老を演じるのは名優・河津清三郎だが、この家老が強引すぎる。90分にしては話の展開が複雑で、すっきりしない。
 他に、琴姫を守る忠臣に林成年、公儀隠密に竜崎一郎、千太郎とおすがの父に荒木忍ら。
 これで雷蔵映画150本ほどの約半分は観たことになると思います。まだまだ先は遠い。
 

7月22日 邦画81

 午前中に自宅でビデオ(すみません、午後は働きます)。
 池広一夫監督『かげろう侍』(大映、1961年)。
 沼津藩のお家騒動に絡んで、江戸の奉行所から人別長が盗まれた。犯人たちがそれを沼津藩に売り渡す前に、取り返さなければならない。部屋住みの弥十郎(市川雷蔵)は、気楽に女道楽を重ねる毎日。その弥十郎に人別長奪還の命が下る。
 幸い、連日の雨のため、賊たちも箱根で足止めをくらっているはずだ。弥十郎は町人の遊び人に身をやつして、旅籠に逗留する。彼の許婚のお珠(中村玉緒)も追ってきた。二人が宿泊客の間から賊を探り当てようとする間に、一人の浪人者(伊達三郎)が殺され、次いで、自分が売った赤ん坊を捜している女も殺され、さらに、講中の謎の二人組み(一人は寺島雄作)が殺される。弥十郎とお珠の推理は、ことごとく食い違い対立する。やがて、足止めが解けた頃に、弥十郎は意外な真犯人に気づくのだった。
 原作は伊藤大輔とか。
 他愛もない時代劇コメディだが、ミステリーの要素を加味し、旅籠中心の舞台設定になっているのが特徴。また、闇夜に提燈が次々に浮かぶ冒頭シーンなど、さすが池広監督、仕立てのいい大映時代劇という感じ。

7月20日 邦画80

 今夜はビデオをもう一本。
 市川崑監督『あなたと私の合言葉 さようなら、今日は』(大映、1959年)。この題名は一般公募したとか。
 自動車会社に勤める青山和子(若尾文子)はキャリア・ウーマンで、大阪にいる幼馴染の許婚・半次郎(菅原謙二)との結婚に気が進まない。実は、母に先立たれ会社も辞めてしまった父親(佐分利信)のことが気になっているからだ。和子は大阪で料亭を経営する親友の梅子(京マチ子)に、半次郎への別れの伝言を託す。
 ところが、梅子が半次郎に惚れてしまった。そうなると、和子も半次郎もお互いが愛し合っていることに気づくのだが、梅子の勢いに負けて、半次郎は梅子と結婚することに。父も娘離れを決意し、和子は会社からアメリカに派遣されることになる。
 この他にも、和子の妹(野添ひとみ)はスチュワーデスで、隣家の夜間大学生(川口浩)は和子に惚れているのだが、結局その妹と結婚することに。梅子の義理の兄(船越英二)は板前で、梅子に惚れているのだが、こちらも失恋する羽目になる。
この他にも、冒頭に田宮二郎と川崎敬三が少しだけ登場する。
 若尾のメガネ姿や科白の棒読みが印象的。小津作品のようで、市川が撮るとどこか都会的でユーモラスになる。
 佐分利はいるだけで絵になる。彼の演じる父親が言う。「若者は所有欲が旺盛だ。年をとるにつれて、それを捨てなければならない。野心も仕事も金も。ところが、娘を捨てるのを忘れていた。これが一番むずかしい」。キケロの『老年について』のような、含蓄のある科白です。
 因みに、和子の渡米は当然、船旅(1950年代ですから)。「プレジデント・クリーブランド」号である。


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