Koji Murataの映画メモ

映画に関するコメントのみお受けします。

邦画 2009年

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12月27日 邦画154

 夜さらに自宅でDVD。
 久松静児監督『神坂四郎の犯罪』(日活、1956年)。原作は石川達三。
 雑誌編集長の神坂四郎(森繁久弥)が愛人の梅原(左幸子)と睡眠薬の服毒自殺事件を起こす。女は死んだが、神坂は一命をとりとめ、殺人罪で逮捕される。彼は女のダイヤモンドを横領しようと、彼女を殺したという嫌疑だ。さらに、出版社の社長(清水将夫)も神坂が会社の金200万円を横領していたと訴える。
 裁判が始まる。まず、神坂を出版社に紹介した評論家の今村(滝沢修)は、神坂の偽善的性格を暴露する。次いで、出版社の女性編集者だった永井(高田敏江)も、彼の好色と横領について証言する。だが、彼の旧友で歌手の戸川(轟夕起子)は神坂の善意を強調し、妻(新玉三千代)も夫が善良な家庭人だったことを話す。
 最後に、神坂本人の証言。梅原はもともと今村の愛人で、その世話を神坂に押し付けられたものだ。梅原は浪費家の上に妄想癖があり、偽のダイヤが数十万で売れると思い込んでいた。永井は自分だけでなく社長とも肉体関係にあり、自分の失脚のために社長と組んでいる。神坂は戸川とも肉体関係にあり、妻はかつて今村に犯されたことがあって、そのため、神坂は妻を愛せなくなっていたというのだ。
 さて、真相はいかに。
 他に、検事役に金子信雄、新聞記者に宍戸錠など。
 真相は「藪の中に」。つまり、黒澤の『羅生門』の現代版といったところ。
 いくつもの神坂像を演じわけて、森繁が達者なところを見せてくれます。
 来年1月には京都文化博物館で森繁追悼特集があります。

12月27日 邦画153

 夕方に京都文化博物館に。
 松本俊夫監督・脚本『修羅』(松本プロ・ATG、1971年)。
 「忠臣蔵」では浅野家が塩冶家になっています。その塩冶家の浪人が五兵衛(中村賀津雄)と名を変えて、放蕩な長屋暮らしを送っている。はじめは世間の目を憚るためだったが、芸者の小万(三条泰子)に惚れて身を持ち崩している。義士に加わるために忠義の下郎・八右衛門(今福正雄)が工面してきた100両も、小万の身請けのために投げ出してしまう。だが、彼女には三五郎(唐十郎)という夫がおり、すべては100両を巻き上げるための芝居だった。そうと知った五兵衛は夜中に三五郎夫婦宅を襲い、一味5人を惨殺するが、肝心の二人には逃げられてしまう。
 五兵衛はついに、三五郎と小万の居場所を見つけた。だが、小万の兄の通報で、町奉行所の役人(観世栄夫)らが捕縛にやって来る。そこに、八右衛門が現れ、5人を殺したのは自分だと、主の身代わりになる。
 復讐のため、五兵衛が再び戻ってくる。愛しさあまって憎さ百倍、五兵衛は小万と赤ん坊まで殺害し、小万の首を刎ねて帯同する。実は、三五郎の父(松本克平)は五兵衛の家来筋に当たり、五兵衛のために勘当した息子に100両の金の工面を頼んだのだった。妻子の死を知った三五郎も、絶望して自殺する。この世は血の海となり、五兵衛は奈落の底に落ちていく。
 凄惨な映画で、上映が終わると場内からいくつものため息がもれました。
 原作は鶴屋南北の「盟(かみかけて)三五大切」。「五大力」という文字は浮気封じの誓いの言葉で、小万は腕のその文字を五兵衛に見せて、純愛を誓った。だが、金を巻き上げると、それを「三五大切」に書き換えてしまう。自分の夫大事というわけだ。
 若い頃の唐十郎は、少し太めだがなかなかの男前でした。
 観世栄夫はコミカルな同心の役だが、身長が驚くほど低いことに気づいた。
 白黒が効果的で、前衛的なカメラワーク。回想や想像、夢が現実と幾重にも交差して、話が展開します。
 それにしても、これが今年最後の上映作品とは、京都文化博物館も不思議な選択をするものです。

12月27日 邦画152

 今日も大阪・九条のシネ・ヌーヴォに。
 マキノ雅弘監督『日本残侠伝』(日活、1969年)。
 大正末の浅草。
 木場人足「江戸常」組の小頭・秀次郎(高橋英樹)は、木曽から女郎として売られてきた春(梶芽衣子)を救おうと刃傷沙汰をおこし、刑務所暮らしになる。
 浅草では、市会議員の大場(須賀不二男)とヤクザの岩田組(深江章喜)が結託して、デパート建設のため貧乏長屋の取り壊しを図っていた。「江戸常」の親方(水島道太郎)は長屋を守ろうとするが、不慮の事故で命を落とす。親方の葬儀の日に、秀次郎は仮釈放される。
 木曽から出てきた吾作(津川雅彦)は「江戸常」に寄宿しており、同郷の春に惚れる。秀次郎に会わせるために、吾作が春を店から連れ出したために、吾作は岩田組に殺され、春は北海道に売り飛ばされることに。「江戸常」の親方に義理のある元ヤクザの銀次(長門裕之)は、妹(山本陽子)を「江戸常」の梅吉(川地民夫)と添わせた上で、岩田組に殴りこみをかけるが、射殺されてしまう。
 これ以上の揉め事を避けるため、「江戸常」の未亡人(南田洋子)は秀次郎を材木問屋に養子に出し、長屋の人々の面倒を見た上で「江戸常」の解散を決意する。だが、秀次郎は夏祭りの夜に、岩田組に殴りこみをかけるのだった。
 他に、三島雅夫、伴淳三郎、田中春男ら。葉山良二もほとんど不必要な配役で少しだけ登場する。
 高橋は断然カッコイイのだが、明らかに高倉健のヒット・シリーズ『昭和残侠伝』を意識しすぎている。
 やはり南田特集だが、南田の役どころは母性としても女性としても中途半端。マキノ監督が親類縁者を集めたせいか。
 高橋と深江の対決は、日活ではおなじみ。
 「この野郎、ヤクザのくせに歌いやがる。ヤクザなら吠えろ」と、秀次郎。「歌う」というのは悲鳴を上げることのようです。

12月24日 邦画151

 神戸の教会でクリスマス礼拝後に、実家で母とビデオ。
 鈴木清順監督『刺青一代』(日活、1965年)。
 昭和のはじめ。ヤクザの鉄(高橋英樹)は抗争でヤクザを殺し、偶然事件に関わってしまった美術学校生の弟・健次(花ノ本寿)とともに、北陸に逃れる。満州に渡るためだった。ところが、詐欺師(小松方正)に騙されて金を巻き上げられてしまう。
 途方にくれている二人を、みどり(和泉雅子)という娘が助ける。二人はみどりの兄・木下(山内明)の仕切る工事現場で働くことになったのだ。だが、健次は美しい木下夫人(伊藤弘子)に恋をし、鉄はみどりに惚れられる。
 警察やヤクザの追っ手が迫る中、兄弟はいよいよ満州に渡ろうとする。だが、木下夫妻が対立する神戸組(組長は河津清三郎)に捕らわれた上、健次も惨殺されてしまう。ついに、鉄は単身で神戸組に乗り込むのだった。
 いきなり褌姿の刺青男たちが次々に登場し、クリスマス・イブに家族で観るには、やや不向きな映画と判明しました。
 それでも、さすがは鈴木監督、なかなかの仕上がりです。
 結局、母も結構気に入っていました。作中、みどり役の和泉が口ずさむ流行歌を、昭和5年生まれの母は知っているようでした。
 ラストの出入りのシーンは、ほとんど歌舞伎の様式美で、原色が大胆に用いられています。それもそのはず、撮影は高村倉太郎です。
 この頃の高橋英樹は本当にかっこいいですね。
 他に、小高雄二や高品格など。この人たちも懐かしい脇役です。

12月24日 邦画150

 皆さん、メリー・クリスマス!
 久しぶりに、京都文化博物館に。今月は「忠臣蔵」特集です。
 伊藤大輔監督『元禄美少年記』(松竹、1955年)。
 ご存知、赤穂浪士の討ち入りの話だが、主人公はまだ18歳の矢頭右衛門七(中村賀津雄)。足軽ゆえに病弱な父(三井弘次)は仇討ちの仲間に加えてもらえず、切腹する。ようやく、右衛門七は大石内蔵助(柳永二郎)に仲間に入れてもらえるが、同じ足軽の寺坂(多々良純)や佐野(片山明彦)とともに、浪士の中でも様々な身分差別を受ける。佐野は討ち入り前に仲間を抜け、女郎(淡路恵子)と暮らす決意をする。
 右衛門七は江戸に向かう道中で知り合った娘しの(雪代敬子)と淡い恋に落ち、吉良家討ち入りの際には手柄を立てる。ようやく上級の侍たちに仲間と認められ、しのに愛されていることを確信しながら、右衛門七は死での旅に出る。
 「〜殿、おしまいなされました」が切腹の終わったという意味。
 他に、石黒達也や諸角啓二郎、佐竹明夫ら。
 堤と仕舞が美しく悲劇を盛り上げる。
 中村賀津雄は初々しくも凛々しく、主役を演じている。
 柳の大石役も貫禄です。


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