Koji Murataの映画メモ

映画に関するコメントのみお受けします。

邦画 2009年

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12月23日 邦画149

 二日酔いながら、今日は大阪・九条のシネ・ヌーヴォまで。「南田洋子追悼特集」をやっています。
 島耕二監督『十代の性典』(大映、1953年)。
 ある高校で、英子(若尾文子)は上級生のかおる(沢村晶子)を「お姉さま」と慕っている。英子は良家の子女で、男性には興味がなく、ラブレターをもらっても相手にしない。かおるは神父(千田是也)の娘で、新田(長谷部健)という大学生の恋人がいる。貧しい家庭に育った房江(南田洋子)は英子の財布を盗みかけ、また、路上で拾った金を使ってしまったことで、良心の呵責に苛まれ不登校になる。美術学校に通う麻子(津村悠子)も裕福な家庭の子女で、男たちに囲まれながら奔放な生活を送っている。彼女は新田青年に一目惚れしてしまう。この十代の女性四人が主役である。
 実は、かおるはかつて強姦された経験をもち、それがトラウマとなって新田を受け入れることができない。彼女は思いつめて、ついには自殺してしまう。
 かおるは精神に傷をもち、房江は物資的に苦しんでいる。麻子の家庭環境も複雑なようだ。若尾演じる英子が、客観的にはもっとも幸せそうだ。失礼ながら、南田より若尾のほうが光彩を放っています。
 私が今まで観た最も初期の若尾出演作品です(彼女が20歳になる年です)。
 英子の父役には見明凡太郎、麻子の父役には小沢栄。
 かおるとその一家は、あまりにも浮世ばなれしている。
 かおるは喫茶店で新田に手を握られることすら、拒絶する。
 当時としては、衝撃的な性教育映画だったそうで、のちに続編と続続編も作られています。
 

12月22日 邦画148

 今日は自宅でビデオ。
 森崎東監督『喜劇・女売り出します』(松竹、1972年)。「女」シリーズの三作目。
 新宿芸能社の金沢(森繁久弥)と竜子(市原悦子)は、ストリッパーの派遣稼業で、ストリッパーたちから「お父さん」「お母さん」と慕われている。
 ある日、金沢がスリの浮子(夏純子)を捕まえて連れてくる。竜子は浮子を更生させようとする。だが、スリ仲間の武(米倉斉加年)に連れ戻される。その途次に、浮子は貧しい少女から財布をすってしまう。少女は山形から東京に出てきて、売春で身を立てていた。浮子は武と協力して、少女を売春宿から救出する。
 浮子は朝子というその少女を連れて、新宿芸能社に戻った。浮子には縁談がもちあがり、近くのすし屋では板前をめぐって女将と元女店員が諍いをおこしていた。浮子は体を張って板前を女将のところに連れ戻すが、縁談は破談となり、しかも、件の板前は何と朝子と懇ろになってしまっていた。
 川島雄三と同様に、森崎監督も「猥雑」がよく似合う人です。それが70年代の風俗と相乗効果を上げています。
 「女」シリーズは、明らかに「寅さん」の「男」シリーズを意識しています。森崎監督も、「寅さん」を一本だけ監督したことがあります。この作品でも、浅草のシーンで「寅さん」の主題歌「男はつらいよ」が流れてきます。
 市原が気丈な女将を好演しており、女の生活力を代表しています。
 スリの武の口癖は「笑わせるぜ」だ。
 他に、西村晃や小沢昭一など芸達者も。
 

12月20日 邦画147

 今日は自宅でビデオ。
 中西忠三監督『若親分を消せ』(大映、1967年)。シリーズ6作目。
 出所した南条武(市川雷蔵)を、父の旧友が出迎える。だが、彼は「よろい」という言葉を残して、汽車の中で何者かに殺される。
 復讐を誓った南条は料亭の板前になって、鎧組の動向をさぐる。鎧組(組長は安部徹)は高利貸の結託して、幅を利かせていた。この高利貸が身請けしようした芸者(藤村志保)は元海軍軍人の娘で、南条は他の海軍仲間らと彼女を救う。これを逆恨みした高利貸と鎧組は、芸者を庇った料亭の女将(木暮実千代)と昔気質の小日向組組長(佐々木孝丸)を追い詰め、組長は惨殺される。
 ついに、南条は鎧組との戦いに臨む。そこには、父の旧友を殺害した三田村(五味竜太郎)の姿もあった。
 南条と芸者の間には淡い恋が芽生えるが、もちろん、結ばれない。
 今回は政商や政界の黒幕は登場しない。
 このシリーズでは、木暮は意外なキャスティング。他にも、鳳啓介・京唄子ら。
 橋幸夫がポップ調の主題歌を歌っているのも、このシリーズでは異色。

12月18日 邦画146 

 今日は久々に神保町シアターに。「目力対決 田宮次郎と天地茂」の最終日でした。
 私が観たのは、中川信夫監督『地獄』(新東宝、1960年)。
 「法で裁けない罪を罰するよう、宗教は夢想する。すなわち、地獄である」と、冒頭のナレーション。
 大学生の清水四郎(天地)は矢島教授令嬢(三ツ矢歌子)と婚約し、人生の頂点にあった。だが、友人の田村(沼田曜一)が現れ、一緒に自動車で帰宅の途中にやくざをひき逃げしてしまった。さらに、清水は婚約者を交通事故で死なせてしまう。
 母危篤の報に、清水は郷里に戻る。実家は「天上園」という貧相な養老院を経営していた。母の病気を尻目に父は愛人と愛欲の日々に溺れていた。隣家にには死んだ婚約者そっくりの娘が。そこに、またメフィストのような田村が現れ、娘を失った矢島教授夫妻も訪れる。さらに、ひき逃げされたやくざの母と情婦も復讐のためにやって来る。次々に、事故や事件が起こり、清水をはじめ皆が殺されたり死んだりする。
 当然、清水たちは地獄に落ちた。無限地獄に苛まれながら、死んだ婚約者が身籠っていた赤ん坊・春美を救うため彷徨する。
 閻魔大魔王に何と嵐寛寿郎。
 毒々しいエログロのカルト映画。中川=天地のコンビといえば、名作『東海道四谷怪談』を生んだわけだが、こちらは今からするとまったくの駄作。
 ほぼ同時刻に近くの岩波ホールでアンジェイ・ワイダ監督の『カティンの森』をやっていたことを直後に知り、本当に残念!
 だが、外れがあるから当たりが嬉しいのだと、気を取り直す。
 因みに、作中に登場するラブホテルは、素泊まり700円、休憩400円。養老院の食費は1日70円だとか。
「人間わずか50年」という歌声が響く。「アラ・フィフ」には辛いですね。

12月16日 邦画145

 今日は自宅でビデオ。
 田中重雄監督『若親分あばれ飛車』(大映、1966年)。シリーズ5作目。
 南条武(市川雷蔵)は、久しぶりに郷里の大浜に戻ってきた。新興ヤクザの北門組(組長は二本柳寛)が海軍上層部(北竜二)や政界の大物(竜岡晋)と癒着して、勢力を伸ばしていた。海軍の友人たち(藤巻潤)に協力を求められても一度は断った南条だが、渡世人として北門組を許しておけなくなる。
 親の代から仕えてくれた元やくざの老人(見明凡太郎)が殺され、海軍の友人が拉致されたことで、ついに南条は単身北門組に乗り込む。彼に恋心を抱く料亭の養女・鶴代(嵯峨三智子)は、実はかつて渡世の果し合いで南条に父を殺されていた。だが、鶴代は体を張って南条の危難を救い、落命するのだった。
 新興やくざと軍部の癒着ややくざを嫌う正義漢の青年などは、このシリーズの定番。
 南条の命を狙う殺し屋に木村玄。彼には珍しく大きな役でした。
 


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