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今夜は自宅でDVD。
ルキノ・ヴィスコンティ監督・脚本『郵便配達は二度ベルを鳴らす』(イタリア、1942年)。ヴィスコンティの監督処女作。ジェームズ・ケインの原作を剽窃したため、ケインとヴィスコンティの死後の1976年までアメリカでは上映されなかったとか。映画の原題も『妄執』という意味になっている。因みに、作中に郵便配達は登場せず、小説のタイトルを決めるよう出版社に求められた時、出版社からの返事をもった郵便配達が二度ベルを鳴らすので、このタイトルになったとか。この小説は、本作以外にも何度も映画化されていますが、本作が最高傑作と言われているようです。
イタリアのある田舎町に流れ者のジーノ(マッシモ・ジロッティ)が現れる。彼は居酒屋に住み込みで働くことになるが、太った初老の口うるさい店主(ジュアン・デ・ランダ)の若く美しい妻ジョヴァンナ(クララ・カラマイ)と、ほどなく関係をもつ。二人は駆け落ちを企てるが、女は町での安定した生活を捨てられない。
男は一人で旅立ち、大道芸人「スペイン人」(エリオ・マルキューゾ)と出会って、同行するようになる。だが、ある町で件の店主夫妻と再会、居酒屋に戻ることになる。その帰路に、愛し合う二人は自動車事故を装って店主を殺害する。
やがて、店主の記憶を断ち切るために町を出ようとするジーノと、町での生活を望むジョヴァンナは喧嘩を繰り返す。ジーノは新たに愛人を作る。だが、ジョヴァンナはすでに妊娠していた。その頃、事故の新しい目撃者が現れて、二人に警察の手が伸びる。ようやく、ジョヴァンナも町を捨てる覚悟をする。しかし、逃走中の自動車事故でジョヴァンナは死に、ジーノは茫然自失のまま逮捕されてしまう。
ジロッティとカラマイが、いかにもイタリア人らしくセクシー。
ジーノと「スペイン人」の関係は同性愛的で、彼と旅を続けるか女のもとに戻るかは、ゲイとヘテロの性の選択のようでもある。さすがはヴィスコンティです。
また、「スペイン人」という登場人物には、フランコ将軍のスペイン内戦批判が込められているとか。
ファシズム時代のイタリアで作られたこと自体が驚くべき作品で、のちに「ネオ・レアリスモ」の嚆矢とされる所以です。
しかし、天下のヴィスコンティも処女作が剽窃だったとは。
エミール・ゾラ原作の映画化『嘆きのテレーズ』も似たような筋立てでした。
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