Koji Murataの映画メモ

映画に関するコメントのみお受けします。

外国映画 2009年

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 3年生ゼミの前期最後の授業で、サイラス・ナウラステ監督・脚本『レーガン大統領暗殺未遂事件』(アメリカ、2001年)。原題は"The Day Reagan was shot"で、製作総指揮はオリバー・ストーン。
 1981年3月10日にレーガン大統領がジョン・ヒンクリーという若者に撃たれた事件を扱っている。ヒンクリーはジュディー・フォスターのファンで、彼女の注目を惹くために『タクシードライバー』を模倣したのである。当時は米ソ関係も緊張しており、ブッシュ副大統領が不在だったため、ヘイグ国務長官が危機管理のためにホワイトハウスで陣頭指揮をとるが、これがレーガン側近や他の閣僚との摩擦を引き起こす。
 危機管理と法的手続きのどちらが優先すべきか、大統領職権の継承を定めた憲法の修正第25条をどう解釈するか――興味深い問題提起である。そして、政権内には嫉妬と責任回避と権力欲と虚栄心が渦巻いている。
 核兵器の発射ボタンの入ったアタッシュケースの隠語が「フットボール」で、この「フットボール」がどこに行ったか、一時はわからなくなり大騒ぎになる。
 レーガンを演じたリチャード・グレンナは、見た目はそれほど似ていないが、茫洋とした大統領の雰囲気をよく醸し出していた。しかし、この作品は明らかにレーガンを過小評価していると思う。ブッシュ副大統領の描き方も不満だ。すみません、一応このテーマの専門家なものですから。
 ヘイグ役のリチャード・ドレフィスが主演である。彼はストーン監督の最新作『ブッシュ』ではチェイニー副大統領をそっくりに演じていた。この作品で描かれているほどヘイグが立派だったかどうかは、これまた大いに疑問。
 しかし、現代史をテーマにしてこうした作品を作れるアメリカは、さすがと言わざるをえない。
 因みに、レーガンが運び込まれたジョージ・ワシントン大学病院の隣に、私は数年住んでいました。

 今夜は自宅でロベルト・ベニーニ監督・主演『ライフ・イズ・ビューティフル』(イタリア、1997年)。
 1939年といえば第二次世界大戦の勃発する年。イタリアのアレッツォにグイド(ベニーニ)という陽気なユダヤ系イタリア人がやって来る。彼の夢は本屋を開くことだが、当面は叔父のホテルで給仕をすることになる。グイドは美しい小学校教師のドーラ(ニコレッタ・ブラスキ)に一目惚れ。ドーラには役人の許婚がいたが、グイドの明朗なユーモアに惹かれて、二人は結ばれる。やがて、ジョズエ(ジョルジオ・カンタリーニ)という息子にも恵まれる。
 しかし、戦争の本格化とともにユダヤ人迫害も熾烈になり、ジョズエの誕生パーティーで、一家は強制収容所に連行されてしまう。グイドは息子を怯えさせないために、嘘をつき続ける。これは旅行だ。1000点得点すれば戦車がもらえる大規模なゲームに参加しているのだ、と。
 いよいよ戦争は終わる。グイドは最後まで息子をユーモアで守り抜き、妻を捜している最中にドイツ兵に射殺されてしまう。父の約束したとおり、米軍の戦車がやって来た。ジョズエは米兵に抱きかかえられて戦車に乗り、母と再会を果たすのだった。
 ジョズエが実にかわいい。かわいすぎて、強制収用所のリアリティがない。しかし、これは家族愛の物語である。文句は言うまい。
 グイドが務めていたホテルの常連客がドイツ人の医師で、謎かけに凝っている。グイドは強制収用所で軍医となった彼と再会する。軍医はグイドに相談があるという。助けてくれるのだという淡い期待は砕かれ、軍医はグイドに謎かけの質問をするのだった。
 この軍医のお気に入りの謎かけを一つ。 
 「私の名を呼べば、直ちに私は消えさる」。さて、「私」は誰でしょう。
 答えは「沈黙」。「沈黙」と口にした瞬間に沈黙は破られるから。

 多くの方からメールやお葉書をいただき、ありがとうございます。
 さて、昼間に大学を抜けて京都シネマでディアーヌ・キュリス監督『サガン 悲しみよこんにちは』(フランス、2008年)を観賞。
 1954年、当時まだ18歳だったフランソワーズ・サガン(シルヴィ・デスデュー)は、小説『悲しみよこんにちは』で、一躍世界的なスターになった。途方もない富と名声を手に入れ、取り巻きに囲まれて暮らすサガン。やがて、交通事故、結婚、離婚、再婚、出産、離婚、酒と麻薬と、次々にスキャンダルがサガンを襲う。
 同棲相手だったペギー(ジャンヌ・バリバール)に先立たれ、サガンは小説も書けなくなり、破産状態に陥る。健康状態も不安である。最後には、成長した一人息子(アレクシ・ミシャリク)と面会することも拒絶して、家政婦に看取られながら、生涯を終えた。2004年のことである。享年69歳。
 自らが生前に用意した墓碑銘には、「人生と作品を手際よく片付けたが、その死は本人だけの事件だった」とある由。
 自作を「小曲」と呼ばれ、創作に悩み、孤独を恐れる繊細な女性の物語である。
 若い時の成功は、往々にして残酷なものだ。
 自分の晩年をも想像してしまう。
 デスデューはじめ、出演者たちが、実にみごとに老いていく。
 ジーン・セバーグ主演で『悲しみよこんにちは』は映画化されているが、そちらは未見です。
 

 皆さん、少しご無沙汰しました。
 済州島に2泊三日の出張でした(仕事です、念のため)。
 帰国後、自宅でDVD。ロバート・フラハティ監督『アラン』(1934年、イギリス)。
 アイルランドの西にあるアラン島の厳しい自然と人々の生活をドキュメンタリー風に描いた作品。俳優ではなく島の住民が家族を演じて、演出を受けているから、ドキュメンタリーではない。ドキュメンタリー風である。
 断崖絶壁のアラン島には、土も満足にない。人々は土をかき集めて、海藻を肥料代わりにして、主食のジャガイモを栽培している。激しい波の中で、男たちは手漕ぎの小船で巨大なウバザメを捕獲しようとしている。サメの肝臓から油を採取するためだ。
 名前からもわかるように、この映画の監督の父も、アイルランドからアメリカに渡った移民だったという。
 無口な島民たちと厳しい自然を観ていると、新藤兼人監督の『裸の島』を思い出しました。
 アラン島に電気が灯ったのは、実に1974年のことだったそうです。
 私のアイルランドへの関心が嵩じているわけですが、済州島に初めて行ったことから、今夜はアラン島になったわけです。

 今夜は自宅でDVD。アラン・バーカー監督『ザ・コミットメンツ』(イギリス、1991年)。
 アイルランド首都ダブリン、しかも貧しい北部が舞台。ジミー(ロバート・アーキンス)という若者がマネージャーになって、ソウルミュージックのバンドを結成しようとする。ボーカルのデコ(アンドリュー・ストロング)をはじめ、三人の女性コーラス、ギターやベース、ドラム、ピアノなどなど、てんでばらばらなバックグラウンドのメンバーがそろう。バンド名が「コミットメンツ」である。彼らは失敗を重ね、ようやく認められだした矢先に、仲間割れで解散してしまう。
 ソウルミュージックやロック、ジャズなどに興味があれば、楽屋オチのような話を含めて、百倍楽しめただろうと思う。残念。私にわかった歌手の名前は、プレスリーぐらい。
 しかし、ダブリンの街の風物は十分に堪能しました。


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