Koji Murataの映画メモ

映画に関するコメントのみお受けします。

外国映画 2009年

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 今夜も自宅でビデオ。ハワード・ホークス監督の古典ギャング映画『暗黒街の顔役』(1932年、アメリカ)。ホークス監督がギャングの横行に抗議するために作った作品で、アル・カポネがモデルとされる。フランシスコ・コッポラが『ゴッドファーザー』を作る時の手本にし、アル・パチーノがリメーク作品で主演を演じ、岡本喜八監督が同じ題名でギャング映画を作っている。
 禁酒法時代のニューヨーク。
 トニー(ポール・ムニ)は親分を裏切って殺し、別の親分ジョニー(オスグッド・パーキンス)の腹心となる。やがて、トニーはビールの密売で力をつけ、ジョニーの制止さえ振り切って、ニューヨークの南部から北部に進出、そこの親分(ボリス・カーロフ)も退治してしまう。
 トニーは自分の親分の愛人(カレン・モーリー)にも手を出し、親分が復讐しようとすると、これも殺害してしまう。だが、実の妹チェスカ(アン・ヴォーザーク)を溺愛するトニーは、妹が男と同棲したと知ると逆上し、その相手を殺す。それは自分のボディーガード(ジョージ・ラフト)だった。
 警察に追い詰められたトニーは、妹にも死なれ、包囲網を卑劣に脱出しようとして射殺される。街にはいつものように、"The World is Yours"のネオンが輝いている。
 原題の「スカーフェイス」は顔の傷のことで、トニーの顔には深い切り傷がある。
 残酷に暗黒街を登りつめながら、溺愛のために転落する――基本的にはギリシア悲劇の構成ですね。
 ポール・ムニは忘れられない個性派です。脇役のカーロフも「フランケンシュタイン」で有名。コインを指ではじく仕草のジョージ・ラフトもダンディ。

 今日は京都シネマでダーレン・アロノフスキー監督『The Wrestler』(2008年、アメリカ、フランス)。ヴェネチア国際映画祭の金獅子賞やゴールデン・グローブ賞(主演男優賞)などを受賞した作品。
 ランディ・ザ・ラム(ミッキー・ローク)は1980年代に一世を風靡したプロレスラーだが、今では落ち目でスーパーで働きながら週末にプロレスを続けている。普段は補聴器に老眼鏡のお世話になっている。ランディは試合のあとに心臓発作で倒れる。一命はとりとめたが、もうプロレスは無理だと医者に忠告される。
 そんなランディは子持ちのストリッパー・キャシディ(マリサ・トメイ)に惹かれている。彼女はランディに、娘に連絡するよう勧める。一人娘のステファニー(エヴァン・レイチェル・ウッド)は、長い間自分を見捨てていた父を憎んでいた。だが、やがて娘は父に心を開くようになる。
 ランディはいったんはプロレスからの引退を決意する。ところが、娘との夕食の約束を忘れてしまったことから、再び娘は父に背を向ける。キャシディとの仲もうまくいかないし、スーパーでの仕事には辟易としている。ランディはプロレス復帰を決意、20年ぶりに宿敵・アヤトッラーとの試合に臨むのだった。観客たちの拍手喝采、だが、ランディの心臓は限界に達しつつあった。
 ランディとキャシディは「80年代は最高だったが、90年代は大嫌いだ」と意気投合する。スターの失墜は、ミッキー・ロークのキャリアに重なるテーマである。それだけに、渾身の力演であった。プロレスの血まみれのシーンには、しばしば目を覆ってしまった。
 最後の対戦相手がイラン人というのも、アメリカのナショナリズムを盛り上げる。
 最近、広島でノアの三沢光晴さんが試合中に亡くなった事件を想起しました。厳しく危険な世界ですね。
 

 今夜はスタンリー・キューブリック監督『バリー・リンドン』(1975年、イギリス)。原作はウィリアム・サッカレーのピカレスク小説。3時間を越える大作です。
 18世紀、ジョージ3世の治世。
 アイルランドの田舎に住む野心家の若者レイモンド・バリー(ライアン・オニール)は、愛する年上の従姉と結婚しようとするイギリス人将校と決闘し、郷里を飛び出す。途中で追いはぎに会って路銀を失い、イギリス軍に入隊する。7年戦争の頃である。やがて、バリーはイギリス軍を脱走するが、今度はプロイセン軍に入隊する羽目に。ここで将校(ハーディー・クリューガー)の命を救ったことから気に入られ、ベルリンでイギリス人詐欺師をスパイするよう命じられる。
 やがて、バリーはこの詐欺師の弟子になって賭博の腕をあげ、美しい貴族の未亡人レディー・リンドン(マリサ・ベレンソン)と結婚する。こうして、バリーはバリー・リンドンに生まれ変わる。人生の絶頂期である。しかし、彼は放蕩を重ね、貴族の身分を手に入れようと焦った上に、妻の連れ子(レオン・ヴィタリ)と険悪な関係に陥る。ほどなく、バリーは最愛の一人息子を事故で失い、義理の息子に決闘を挑まれて負傷し、失意のうちにイギリスを去るのだった。
 決闘にはじまって決闘に終わる、野心家の半生。
 イギリス上流階級のアイルランドに対する差別意識が、よくわかる。
 映像と衣装の美しさは、さすがキューブリック作品。荘厳だが、どこか滑稽でもある。
 ライアン・オニールがまだまだ若々しい頃の作品です。
 ナレーションが渋い。
 

6月6日 外国映画51

 今夜はシネマート六本木でナ・ホンジン監督・脚本『チェイサー』(韓国、2008年)。
 韓国で実際にあった連続殺人事件を基にした作品。
 元刑事のジュンホ(キム・ユンソク)は今やデリヘルの店長に落ちぶれている。店のデリヘル嬢が次々に姿を消す。風邪で休んでいたミジン(ソ・ヨンヒ)を無理やり客のもとにやったが、やはり消息を絶つ。いつも同じ携帯番号の客相手の時である。ジュンホがミジンを捜索し、偶然、不審なヨンミン(ハ・ジョンウ)という若者を見つける。追いかけるジュンホ、逃げるヨンミン。ようやくジュンホをヨンミンを捕まえ、二人とも警察に連行される。
 ヨンミンは簡単に連続殺人を自白するが、動機は不明、証拠もない。検察から逮捕状がとれないまま、ヨンミンは釈放されてしまう。その頃、ミジンは必死にヨンミンの家から脱出し、近くの雑貨屋に助けを求めるが、そこに釈放されたヨンミンが。
 ついにジュンホはヨンミンを発見し格闘の末、ヨンミンは警察に逮捕される。しかし、ジュンホも警察もミジンを救うことはできなかった。ジュンホはミジンの一人娘の傍らに佇む。
 タイトルどおり、とにかく主人公がよく走る。
 いったん脱出したミジンが殺されてしまう。何とも救いのない、恐ろしい話。警察の官僚主義が批判されている。
 実話という点で、『チェンジリング』を連想させる。また、アウトローの主人公と少女の心の交流という意味では、『レオン』を連想させる。
 十字架の輝く閑静な住宅街での殺人、大都市ソウルの闇の世界。狂気はわれわれのすぐ傍にもあるのかもしれない。
 取り調べでは、犯人の性的不能が犯行動機のように描かれているが、犯人の真の動機が不明なところが、さら怖い。
 ユンソクも力演だが、犯人役のジョンウが無表情で実に怖い。韓国映画、恐るべし。

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 色々なコメント、本当にありがとうごいます。しかも、皆さん、様々な映画をご覧になっているので、たいへん刺激を受けます。
 さて、今夜は自宅でDVD。ポール・グリーングラス監督・脚本『ユナイテッド93』(2006年、アメリカ)。9.11でハイジャックされペンシルヴァニアに墜落した4機目の飛行機に関するドキュメンタリー・タッチの作品。すでに類似のテレビ映画を最近観ているので、展開はほとんど同じだが、やはりこちらのほうがリアルな感じが強い。
 それもそのはず、ほとんどの遺族の同意に基づいて製作しており、俳優はまったく無名だが実際の乗員・乗客と似た人たちを集め、パイロットや乗務員の経験のあるものも多数とか。管制官に至っては、一部本物、しかも9.11に本当に管制を担当した人も登場している由。逆に、本作では被害者の家族は画面に登場しない。
 あと一歩で墜落を防げたかという感もあるのだが。
 乗客たちは死を覚悟して家族に電話で愛を告げ、神に祈る。ハイジャック実行犯たちも異なる神に祈っているのである。


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