Koji Murataの映画メモ

映画に関するコメントのみお受けします。

外国映画 2009年

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 20年ぶりで京都のドイツ文化センターに足を運んだ。
 東京国立近代美術館フィルム・センターの所蔵作品が、時々京都でも公開されることに。
 マックス・オフュルス監督『ヨシワラ』(1936年、ドイツ)。
 ドイツ映画だが、俳優は基本的にフランス人で、会話もフランス語。だが、主人公はロシア海軍将校である。このロシア海軍将校が吉原の芸者(田中路子)と恋に落ちるのだが、将校は日本国内でスパイ活動を任されており、日本の官憲が監視している。この手先になる人力車の車夫(早川雪州)は、実は芸者に恋している。三角関係である。
 最後には、将校は旅立っていき、芸者は「ジュテーム」を繰り返す。やがて、芸者はスパイ幇助罪で死刑になるのだが、車夫は彼女に「ジュテーム」を繰り返す。マレーネ・デートリッヒの『間諜X27』のようなラスト。日清戦争前を時代背景にしているようです。
 しかし、エキゾチズムを粉飾した駄作の感は否めない。
 芸者が一度手を叩くとお茶が出てきて、二度だと三味線、三度だと布団、そして四度だと着物を脱ぐのだそうです。馬鹿馬鹿しい。
 田中路子という女優については何も知らないが、早川雪州を観られてだけでよしとするか。

5月21日 外国映画43

 長崎に出張中で、長崎セントラル劇場でイジー・メンツェル監督『英国王給仕人に乾杯!』(チェコ、2007年)。
 小国に生まれた小柄な給仕人ヤン(イヴァン・バルネフ)は、将来百万長者になってホテル王になりたいと夢見ている。小さなバーを振り出しに、ヤンはやがてプラハで最高級のホテル・パリの給仕人になる。この間、多くの美女と関係し、多くの金持ちの生態を目撃してきた。老実業家ヴァンデル(マリアン・ラブタ)は人生の恩師で、ホテル・パリの給仕長スクシーヴァネク(マルチン・フバ)は英国王にも給仕したことのあるプロ中のプロで、ヤンの御手本だ。
 だが、やがてチェコはドイツに併合される。ヤンは小柄なドイツ人女性リーザ(ユリア・イェンチ)と結婚したことから、親衛隊の施設で給仕することに。ヴァンデルや給仕長は強制収容所に送られていく。やがて敗戦。リーザは死ぬ。だが、ヤンはヴァンデルの言葉通り高価な切手を収集していたことから、夢の百万長者、高級ホテルのオーナーになる。ところが、社会主義政権が樹立して、財産は没収、15年の懲役刑を受ける。憧れの百万長者たちと同じ扱いである。
 出所後、辺境に送られたヤン(オルドジフ・カイゼル)は自分の過去を静かに回想するのだった。
 豪華な料理と美女、華麗な給仕、さすがはヨーロッパ文化の奥行きを感じさせる。
 お調子者で愛嬌のある主人公や頑固な給仕長など、登場人物の造形もしっかりしている。
 ヤンの回想を通じて、20世紀チェコの歴史も回顧できる。
 会話も粋だ。ヴァンデルによると、カトリック教会は世界最大の企業だそうです。
 久しぶりにプラハに行ってみたくなった。美しい街です。
 長崎の古風な映画館を出る時、ふと自分がプラハにいるような錯覚に陥りました。

 今夜も自宅でDVD。ピーター・マークル監督『エアポート ユナイテッド93』(2006年、アメリカ)。原題は"Flight 93"
 2001年9月11日にニューアーク発サンフランシスコ行きのユナイテッド93便が、テロリストにハイジャックされた。トム・バーネット(ジェフリー・ノートリング)ら40人の乗員・乗客は、地上の家族と電話連絡をとりながら、やがて、操縦席の奪還を試みるのだが。
 90分のテレビ映画で、出演者も無名だが、臨場感のある作品。死を覚悟しながら、電話を通じて家族と連絡をとる乗客ら。何もできないもどかしさに悩む地上の家族...
 乗客の中には日本人の大学生も一人含まれていたが、彼は搭乗シーンにしか現れない。
 より詳細なノンフィクション映画として、ポール・グリーングラス監督『ユナイテッド93』(2006年)もあるそうで、こちらも観てみたいと思う。

 今夜は自宅でDVD。オリバー・ストーン監督『ワールド・トレード・センター』(2006年、アメリカ)。私にとっては、今年観賞100本目の作品です。
 2001年9月11日の同時多発テロで崩壊したワールド・トレード・センター。死者は2749人、87カ国に及び、港湾職員84人(うち警察37人)、ニューヨーク市警察23人、消防343人が犠牲になっている。救出された者は20人である。
 港湾警察のベテラン巡査部長ジョン・マクローリン(ニコラス・ケイジ)はウィル・ヒメノ(マイケル・ベーニャ)ら部下を率いて、救出のため事件の現場に向かうが、そこに2機目の旅客機が激突、生き埋めになってしまう。衰弱しながらも励ましあう二人。夫の身を案じるマクローリン夫人(マリア・ベロ)やヒメノ夫人(マギー・ギレンホール)ら家族。海兵隊のカーンズ元軍曹(マイケル・シャノン)や救急隊員らの必死の努力で、二人は無事に救出される。
 実話に基づいており、マクローリンとヒメノ本人が作中に登場しているそうです。
 はじめはマクローリンがヒメノを励ましていたが、徐々に二人の立場が変化する。
 危機にあって励ましあい助け合う人間の友愛のドラマですが、ドラマとしては至って平板。もちろん、社会的・政治的な掘り下げもない。
 警察や消防など男たちの団結はすばらしいが、時としてこれが組織的犯罪や隠蔽体質にもつながりうるのが、人間の弱さか。
 

 久しぶりに三条MOVIXでクリント・イーストウッド監督・主演『グラン・トリノ』(2008年、アメリカ)を観る。
 妻を亡くしたウォルト・コワルスキー(イーストウッド)は偏屈な老人で、朝鮮戦争従軍時の心の傷に悩み、フォードの工場で長年働いたことを誇りにしている。子供たちともうまくいかず、犬を相手の一人暮らしだ。彼の自慢は1972年のグラン・トリノ。見事な自動車である。
 ある日、この自動車を盗みに入った隣家のアジア系の少年タオ(ビー・バン)を、ウォルトは撃退する。タオは同じモン族のチンピラ・グループに脅迫されていたのだ。ウォルトとタオ、そして彼の利発な姉スー(アーニー・ハー)との交流がはじまり、ウォルトも徐々に彼らに心を開き、タオを一人前の男に育てることに使命感を抱き始める。
 しかし、チンピラ・グループは執拗にタオにつきまとう。ウォルトが彼らの一人を痛めつけたことから、グループはタオの家を襲い、スーをレイプする。すでに死期の迫っていることを悟ったウォルトは、タオとスーを救うために決死の行動に出る。
 他に、若い神父役にクリストファー・カーリー。この神父はウォルトに「頭でっかちの27歳の童貞」と罵られる。とにかく、「男らしさ」を演じるウォルトとその仲間の口の悪いことといったら、ない。
 中西部の自動車産業の衰退、移民の流入、「古きよき50年代」を背景にした作品で、主人公はイーストウッドと同世代。
 イーストウッド同様に渋いが、しかし、予想されるオチではありました。
 誰にとっても老後は孤独。私も毅然とした立派な老人になりたいと思いますが、さてどうなるか。
 新人のビー・バン、好演だったと思います。
 音楽がいい。


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