Koji Murataの映画メモ

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外国映画 2009年

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 今日も三条Movix。スティーブン・ソダバーグ監督『チェ 39歳別れの手紙』(2008年、スペイン他)。
 キューバ革命に成功したチェ・ゲバラ(ベニチオ・デル・トロ)は、カストロ(デミアン・ビチル)政府を離れ、コンゴ、そして、ボリビアに革命闘争のために潜入する。だが、ボリビア共産党は協力を拒否、外国人革命家の一群に、住民たちも不信の目を向け非協力的だ。
 チェらのゲリラ部隊が緒戦でボリビア軍を撃破したことから、バリエントス大統領(アキム・デ・アルメイダ)は米軍に支援を求める。ゲバラの部隊は分断され、疲弊し、ついにゲバラも捕縛されて、処刑されてしまう。
 喘息に悩むゲバラが痛々しいが、彼は革命の理想を捨てない。
 「共産主義者も神を信じるのか」とボリビア軍将校に聞かれて、「私は人間を信じる」とゲバラは答える。
 それにしても、ゲバラは決して軍事的天才ではなく、むしろ、作戦上多くの失敗を重ねている。それがまた、人間味を出している。
 音楽が終わって、数分間音のないエンド・クレジットが続く。未完の革命のようでもあり、座禅の心境に近いものもある。こういう時に話し出す人や音をたてて退席する人、本当に興ざめですよね。

 今日は京都三条のMovixでフィリダ・ロイド監督『マンマ・ミーア』(2008年、アメリカ)。有名なミュージカルの映画化です。
 ギリシアの小島でドナ(メリル・ストリーブ)は古いホテルを経営している。娘のソフィー(アマンダ・セイフライド)が結婚することに。ソフィーは父親を知らない。21年前の母の日記によると、当時ドナは三人の男性とほぼ同じ頃につき合っていた。そこで、ソフィーはこの三人に結婚式への招待状を出したのだった。やってきたのは、サム(ピアース・ブロスナン)とハリー(コリン・ファース)とビル(ステラン・スカルスガルド)。さて、誰が本当の父親なのか。
 結局、おそらくサムが父親だろうと思われるが、三人とも三分の一ずつソフィーの父親であることに満足する。ソフィーは彼氏との結婚をいったんキャンセルし、二人で島を離れる。広い世界を見聞するためだ。代わりに、サムとドナが21年遅れで結婚することに。
 「ダンシング・クィーン」はじめABBAの懐かしい名曲が流れる中で、ドナと彼女の初老の女友達二人、ソフィーとその女友達二人、そして三人の父親という三重奏に、ソフィーの婚約者スカイ(ドミニク・クーパー)が加わる。
 メリル・ストリーブは今年60歳だから21年前でも40近いことになるが、森光子が『放浪記』をやっているぐらいだから、これには目を閉じよう。彼女の歌は結構迫力ありますね。元ボンドのブロスナンはかなり体形が崩れたが、それでもセクシー。
 三人の父親候補の一人ハリーが、最後にゲイだと目覚めるというのも、お愛嬌。
 登場人物の一人が言う。「まるでギリシア喜劇だわ」。その通り、おばさんパワー炸裂のギリシア喜劇です。
エーゲ海が美しい。これは舞台では真似のできない点ですね。

 さてホテルでもう一本。
 ジョエルとイーサン・コーエン兄弟監督『ノーカントリー』(2007年、アメリカ)。アカデミー作品賞や助演男優賞(バルデム)を受賞した作品です。原題は"No Country for Old Men"
 1980年の西テキサス。ベトナム帰りのモス(ジョシュ・ブローリン)は、麻薬取引のトラブルで殺しあった多くの死体と200万ドルの現金を、砂漠で発見した。その金を持ち帰ったことから、モスは謎の殺し屋シガー(ハビエル・バルデム)に命を狙われることに。やがて、保安官のベル(トミー・リー・ジョーンズ)がモスとその妻を救おうとするのだが。
 逃げるモスと追うシガーの争いは壮絶で、冷酷なシガーの恐ろしいこと。二人のチェイスのあとには、死体の山累々で、ほとんどホラー映画の域に達している。それに対して主人公の保安官は、大人の哀愁を漂わせている。次々に猟奇的な犯罪の発生するアメリカを、彼のような昔気質の保安官は理解できず、居場所もないのだ。
 南部の古さと猟奇的な新しさが醸し出す、世にも不思議な雰囲気。
 深夜に観ることは、あまりお勧めできません。
 シガーと彼に狙われた獲物たちの会話。
 「殺す必要はないだろう」
 「みんな、そう言うんだ」

 東京のホテルで二本。
 まずは、マイク・ニコルズ監督『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』(2007年、アメリカ)。
 1980年代初頭、テキサス選出の下院議員チャーリー・ウィルソン(トム・ハンクス)は、酒と女に弱い。事務所のスタッフは美女ばかりだ。「タイプは勉強できるが、オッパイは生まれつき」だから。
 さて、そのウィルソンがテキサスの富豪で愛人でもあるジョアンヌ(ジュリア・ロバーツ)にパキスタン訪問を薦められる。ジョアンヌはキリスト教右派である。パキスタンで、チャーリーはハク大統領と面談し、アフガニスタン難民の悲惨とソ連軍の非道を知る。そこに、一癖も二癖あるCIAのアフガニスタン担当官ガスト(フィリップ・シーモア・ホフマン)が加わり、やがて、彼らはアフガニスタンの「自由の戦士たち」(ムジャヒディン)にソ連と戦う武器を供与するべく、秘密工作を始める。
 どこかコメディ・タッチだが、実話に基づく話で、チャーリー・ウィルソン下院議員も実在の人物。他にもレーガンやジェームズ・ベーカー、ジュリアーニなどの名前が、会話に頻繁に登場する。作中のハク大統領はそっくりだ。
 ガストはチャーリーに禅の師匠と少年の話を聞かせるが、これは「人間万事塞翁が馬」の話である。ムジャヒディンを秘密裏に援助してソ連軍を撤退させながら、アメリカはその後のアフガンの復興支援を怠り、イスラム過激派を敵に回してしまう。
 アメリカの政治を学ぶのにも、よい教材だと思います。

 今日は京都三条のMovixで『007慰めの報酬』(英米、2008年)。監督は若手のマーク・フォースター。ダニエル・クレイグのボンド役第二弾で、前作『カジノ・ロワイヤル』を引き継いでいる。
 ジェームズ・ボンド(クレイグ)は愛するヴェスパーを死なせたことに悩み、その背後にあった組織を追及しようとしている。上司のM(ジュディ・デンチ)はボンドが職務に復讐という私情を交えることを警戒している。
 さて、謎の組織がハイチで活動してことが確認される。ボンドは早速ハイチに。そこでは、国際的に環境問題に取り組んでいる「グリーン・プラネット」の代表ドミニク・グリーン(マチュー・アマルリック)がボリビアの元独裁者の将軍と闇取引をしようとしていた。彼は謎の組織「クオンタム」(分け前、報酬の意味)の一員なのだ。この組織は国際的な天然資源の争奪ゲームで巨利を得ようとしていた。CIAも彼らと取引しようとしている。ボンドの親友フィリックス・ライター(ジェフリー・ライト)も、今回は表立ってボンドと協力できない。そこに、ボリビアの元独裁者にかつて家族を殺された美貌のカミーユ(オルガ・キュリレンコ)も登場し、舞台はさらにオーストリア、ボリビアと展開していく。
 ライターがボンドに言う。「南米からコカインと共産主義を除けば、一体何が残るんだ?」
 中南米の反米感情と天然資源争奪という国際政治が、この作品には投影されている。
 また、かつての「スペクター」を思わせる、不気味な組織「クオンタム」の出現で、物語はさらに次回作に引き継がれていく。
 ボンドが人間くさく悩み苦しむ様子は前回同様で、原作のボンド・イメージに忠実である。
 ただし、一話完結で楽しめない分、前作ほどの面白みには欠ける。アクションは派手だが、ストーリーが掴みにくいのだ。
 敵役を演じたアマルリックは、『潜水服は蝶の夢を見る』の主役を演じたフランスの個性派俳優。そのせいか、サイキには見えても、途方もない敵役という感じではない。
 クレイグももちろん好演です。
 さすがに、本日の映画館はほぼ満席でした。

 因みに、『おくりびと』の脚本を書いた小山薫堂さん、読売文学賞受賞です。私と同い年とか。私も頑張らなきゃあと、励みになります。
 

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