Koji Murataの映画メモ

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外国映画 2009年

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 京都シネマでポン・ジュノ監督『母なる証明』(韓国、2009年)を観る。
 母(キム・ヘジャ)とトジョン(ウォンビン)は、母一人子一人の関係。母は貧しいが働き者で、息子は純粋だが要領と記憶が悪く、悪友のジンテ(チン・グ)とつるんでいる。
 ある夜、トジョンはスナックで泥酔して帰宅する。翌朝、女子高生の死体が見つかり、近くでトジョンのゴルフボールが発見された。警察に逮捕されたトジョンは、易々と供述書に署名してしまう。
 息子の無実を信じる母は、必死に真相解明に乗り出す。弁護士は貧乏人を相手にしておらず、頼りにはならない。母はジンテを疑うが、これは見当外れ。逆に、ジンテから被害者の周辺を探れと教えられる。実は、被害者の女子高校生は認知症の祖母と二人暮らしで、生活のために何人もの男と寝ていた。しかも、相手の男たちの姿を携帯電話の写真に密かに収めていたのだ。
 母はこの携帯電話を入手する。トジョンの記憶も少し蘇る。新たな容疑者が浮上するのだが、事件は驚くべき展開を遂げる。
 最後には、お互いに相手の秘密を知り合う母子。しかし、肉親の愛情がそれに優る。すべてを忘れようとする母親の姿で、映画は終わる。
 夏に観た『チェイサー』といい、最近の韓国映画はすごいですね。
 本作では、まずシナリオがすばらしい。
 母を演じたキム・ヘジャは迫真の演技だし、ウォンビンも単なるアイドルから脱却しています。
 母を濡らす雨が印象的。

 香港に出張中、ホテルで日本から帯同したDVDを鑑賞。
 ブライアン・シンガー監督『ユージョアル・サスペクツ』(アメリカ、1995年)。アカデミー賞受賞の脚本はクリストファー・マッカリー。
 ロスの埠頭に停泊中の船が襲われて炎上、多くの死者を出す。生き残ったのは、身体障害者のキント(ケヴィン・スペイシー)と瀕死の乗組員だけだった。
 この事件から6週間前、キントと元刑事のディーン・キートン(ガブリエル・バーン)ら6人の男が、ニューヨークで逮捕され、面通しをされる。彼らはいずれも前科者の「ユージョアル・サスペクツ」(いつもの悪党)だった。キートンの恋人の弁護士イーディの尽力で、彼らはすぐに釈放された。しかし、これが縁で、6人はロスで一仕事することになった。
 やがて、カイザー・ソゼという暗黒街の大物から、彼らに件の船の襲撃計画の依頼がやってきた。カイザー・ソゼは完全に謎の人物で、指示はコバヤシという弁護士(ピート・パスルスウェイト)を通じてやって来る。断れば容赦なく殺される。
 この襲撃計画でキント以外の全員が死んでしまうが、クヤイン捜査官はカイザー・ソゼは架空の人物で、キートンこそがカイザー・ソゼだったと推理する。身体障害者のキントはキートン死亡の目撃者として利用されたというのだ。しかし、実はさらに意外な結末が。
 確かに、よくできたストーリーだと思います。過去と現在が交差する展開は『メメント』にも似ています。
 イギリス人風の弁護士の名前がコバヤシというのは変だと思っていましたが、これにもそれなりの理由がありました。因みに、彼の事務所のガラスには、成功とか生産とかいう漢字が刻まれています。
 ハンガリー人のマフィア組織というのも、なんだかリアルです。

 ベルリンの壁倒壊の20周年ですが、私は新幹線の中でルイ・マル監督『地下鉄のザジ』(1960年、フランス)を観賞。
 田舎からパリにやってきた10歳の娘ザジ(カトリーヌ・ドモンジョ)は、母親が恋愛中のため、1日半だけガブリエル叔父さんに預けられる。ところが、この少女がとてつもなく生意気で、地下鉄に乗るのが楽しみだったため、すねてしまう。翌朝街に飛びだしたザジは、謎の紳士(フィリップ・ノワレ)と出会い、大人たちを横目に冒険を重ねる。
 ようやく、母親と合流して田舎に帰る直前に地下鉄がスト解除で動き出す。楽しかったか、と母親に問われ、ザジは「まあね、私、年をとったわ」と答えるのだった。
 大人たちが子供に振り回されるナンセンスなドタバタ喜劇だが、パリの雰囲気が伝わってくる、どこかお洒落な作品。
 ストーリーはほとんど説明不能です。しかし、赤いセーター姿の少女ザジは、映画史に残るキャラではないでしょうか。

 新幹線の車中でDVD。最近、このパターンが増えました。
 アンドレイ・タルコフスキー監督『惑星ソラリス』(1972年、ソ連)。キューブリックの『2001年宇宙の旅』と並ぶSF映画の傑作です。
 太陽系から遠く離れた惑星ソラリスの探査を続行すべきか否か――この判断のために、心理学者のクリス(ドナタス・バニソニス)が派遣された。宇宙ステーションには3人の学者がいたが、うち一人は自殺していた。残る二人の説明によると、ソラリスの海は知性をもっており、人間の想像を現実にしてしまうのだという。クリスの前にも10年前にも、自殺した妻ハリー(ナタリア・ボンダルチュク)が出現した。
 クリスは一度はハリーを抹殺しようとしたが、彼女は再び出現した。やがて、クリスは幻のハリーを愛するようになり、ハリーも本当の人間のように悩むようになる。宇宙ステーションが海に放射線を当てたため、海は変化しはじめ、小島が出没する。クリスは幻想の中でその小島に生活することになる。
 科学や知性の限界を、神秘的な映像と音楽で描いている。
 物質と精神の二元論はいかにもソ連的だが、この頃のソ連は超大国として、まだアメリカに張り合う傑作を製作するだけの活力があったのでしょう。
 水、水、水の映像美である。
 クリスが同僚に言う。「君は本当はいい人だ。ただ、そう見えないだけだ」。

11月1日 外国映画99

 もう11月ですね。
 今夜は自宅でDVD。
 ウィリアム・ワイラー監督『探偵物語』(1951年、アメリカ)。原作はシドニー・キングスレーの舞台劇で、この映画もほとんど警察署内で展開している。
 ニューヨークの21分署の一日の物語である。
 マクラウド刑事(カーク・ダグラス)はこの一年間、不法中絶手術で儲ける元悪徳医師シュナイダーの立件に精力を注いできた。父親が犯罪者で、そのため母が自殺したという暗い過去の故に、彼は犯罪者を決して許すことができないのだ。取調べの最中に、マクラウドは被疑者に暴力さえふるってしまう。
 実は、彼の美しい妻メアリー(エリノア・パーカー)も、結婚前に別の男性の子供を妊娠し、シュナイダーの中絶手術を受けたことがあった。そのため、マクラウド夫婦には子供ができないのだ。妻の隠していたこの事実が明らかになると、マクラウドは妻を愛しながらも許すことができない。「あなたは父親と同じで冷酷なのよ」と、絶望した妻は去っていく。
 署内で取り調べ中の前科者(ジョセフ・ワイズマン)が警官の拳銃を奪う。これを阻止しようとしたマクラウドは撃たれてしまう。瀕死の彼は、自分が逮捕した初犯の若者を不起訴にすることと、妻に謝罪を伝えることを同僚たちに依頼し、絶命するのだった。
 他にも、初犯の女スリを演じたリー・グラントが、とぼけた、いい味を出している。彼女は『刑事コロンボ 死者の身代金』で冷酷な女弁護士の犯人を演じた女優です。この映画の直後に、確か赤狩りで一時ハリウッドを追われています。ジョセフ・ワイズマンは『007 ドクター・ノー』で怪しいドクター・ノーを演じた名優です。
 潔癖症で自分を追い詰めてしまう主人公を、カーク・ダグラスが力演しています。エリノア・バーカーも美しい。
 初犯の若者を取り調べる際に、刑事が目の色を尋ねます。英語でヘーゼルと言っていますが、字幕ではハシバミ色になっていました。
 また、マクラウドはじめ、多くの刑事がアイルランド系です。


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