Koji Murataの映画メモ

映画に関するコメントのみお受けします。

外国映画 2009年

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9月22日 外国映画83

 京都シネマへ。
 ヘルマ・サンダース=ブラームス監督・脚本『クララ・シューマン 愛の協奏曲』(2008年、ドイツ・フランス・ハンガリー)。ご想像通り、監督はブラームスの末裔との由です。
 映画が始まってすぐ、クララ・シューマン(マルティナ・ゲディク)のピアノ演奏会は成功のうちに終わる。クララの夫で著名な作曲家のロベルト・シューマン(パスカル・グレゴリー)はしかし、結婚指輪を落としてしまう。これを拾った若者が天才作曲家・ヨハネス・ブラームス(マリック・ジディ)である。すでに、三人の複雑な関係が提示されている。彼らの関係そのものが協奏曲になる。因みに、女優のゲディクはドイツ人だが、男優のグレゴリーもジディもフランス人のようだ。
 やがて、シューマンはデュッセルドルフの音楽監督に就任する。だが、「ライン」と題した交響曲の作曲に苦労し、中耳炎と幻聴に苦しめられる。シューマン夫妻のもとに、ブラームスが現れ、夫妻はこの若者の才能を愛し同居させる。ブラームスはクララを愛している。
 シューマンの交響曲は大成功を収めるが、彼の病は重くなる一方で、音楽監督も解任される。クララを経済的に支えたのは、今や著名になったブラームスだった。やがて、シューマンは精神病院に入院し、46歳で亡くなる。ブラームスはクララを抱擁しながら肉体関係は求めず、一生支えていくことを誓うのだった。
 実際、後年クララが亡くなると、ブラームスも後を追うようにして亡くなったそうです。
 シューマンは「ベートーベンの後継者」と紹介されていますが、天才が幸せに天寿を全うすることは、至難の業のようです。
 主演のゲディクは決して美人ではなく、若くもないのですが、落ち着いた魅力のあるクララを好演しています。
 クラシック好きの方にはお勧めの作品だと思います。
 

9月17日 外国映画82

 四国から岡山への移動中にDVDプレイヤーで一本。
 ケン・ローチ監督『麦の穂をゆらす風』(アイルランド、イギリス他、2006年。
 カンヌ映画祭パルムドール賞受賞作品です。
 イギリスの過酷な支配に苦しむ1920年のアイルランド。
 医者を志すデミアン(キリアン・マーフィー)はロンドン留学を目前にしていた。しかし、イギリス傭兵部隊ブラック・アンド・タンズの横暴を目の当たりにして、アイルランド共和国軍(IRA)に身を投じる決意を固める。兄のテディ(ボードリック・ディレーニ)は、すでにIRAで若者たちのリーダー的存在だった。
 デミアンは兄と戦闘行動を共にしながら、鉄道機関士だったダン(リーアム・カニンガム)からこの戦争の意義を学び、弟を傭兵部隊に殺されたシネード(オーラ・フィッツジェラルド)と愛し合うようになる。時には、幼馴染の青年を殺さねばならない試練もあった。
 やがて、アイルランドはイギリスと休戦、自治を認める条約を勝ち取る。しかし、IRAの中には、この条約を是とする者と完全な自治獲得まで闘争の継続を主張する者が対立、同志の間で武装闘争になってしまう。テディは条約容認派であり、デミアンやダン、シネードは反対派だ。
 やがて、ダンが殺され、デミアンも兄の手で銃殺されることになる。
 ダンがデミアンに教える。「誰が敵かはすぐ分かるが、何のために戦っているのかをしっかり考えろ」。
 イギリスの残酷な植民地支配の様子が生々しく描かれており、イギリスを代表する監督ゆえに物議をかもしたとか。
 融和的だった弟が戦闘的になり、戦闘的だった兄が融和派になる。どちらが正しいかを断定できないむずかしさが、政治には常につきまといます。それに耐えようとするのが、本来の保守的な態度であるように思います。

9月15日 外国映画81

 今夜は東京のホテルでピーター・バーグ監督『ハンコック』(アメリカ、2008年)。
 ジョン・ハンコック(ウィル・スミス)は不死身のスーパースターだが、酒癖が悪い上、悪党を退治する時に暴れ過ぎて周囲を破壊してしまう。そのため、ロスの市民たちからは「クソ野郎」(asshole)と嫌われている。
 だが、広告マンのレイ(ジェイソン・ベイトマン)は、ハンコックに救われたことから、彼のイメージアップ戦略を考案する。そのために、ハンコックはいったん逮捕されて刑務所に暮らすことになる。実は、レイの妻メアリー(シャーリーズ・セロン)も不死身の超能力者だった。ハンコックとメアリーは何世紀も前から夫婦だったが、80年前にハンコックが記憶を喪失していたのだ。しかし、この二人は接近し愛し合うと超能力を失い、普通の人間になってしまう。だから、メアリーはハンコックから遠ざかっていたのである。
 ハンコックは刑務所を脱走した凶悪犯たちを退治し、レイやメアリーの下から離れていく。
 「ジョン・ハンコック」というのは、アメリカの建国の父の一人で、独立宣言に署名していますが、その署名の字が大きすぎたことから、「サイン」「署名」の代名詞です。記憶喪失で名前を忘れた主人公が、病院でサインを求められて、自分の名前だと思い込んでしまったのです。
 メアリーによると、ハンコックは「神様が人類のために残した最後の保険」なのだそうです。
 嫌われ者のスーパーヒーロー、愛するが結ばれない二人――他愛のないアクション・コメディながら、気の利いた設定です。
 因みに、主人公とメアリーが80年前にマイアミで一緒に観た映画は、ボリス・カーロフの『フランケンシュタイン』だったそうです。彼も本当は心の優しいモンスターでしたね。

9月13日 外国映画80

 久しぶりに京都シネマに。クリストフ・バラディエ監督・脚本『幸せはシャンソニア劇場から』(2008年フランス他)。
 1936年のパリ。下町にあるシャンソニア劇場が倒産、悪徳不動産屋のギャラピア(ベルナール・ピエール・ドナヒュー)の手に渡る。30年以上も劇場の裏方で働いてきたピゴワル(ジェラール・ジュニョ)は失業した上、女房に浮気され家出されてしまう。しかも、一人息子のジョジョ(マクサンス・ペラン)まで、再婚した元女房に取り上げられてしまうのだ。
 息子を取り戻すには、定職が必要である。ピゴワルは昔仲間のコメディアン・ジャッキー(カド・メラッド)や労働運動に燃えるユダヤ人の照明係ミルー(クロヴィス・コルニアック)らと、劇場の再建に乗り出す。その頃、歌手志望の娘・ドゥーズ(ノラ・アルネゼデール)が現れる。彼女は美貌と歌声で、たちまち劇場の看板に。しかし、間もなくスカウトされて劇場を去る。たちまち、劇場は閉鎖された。
 ところが、20年も家に引きこもってラジオばかり聴いていた「ラジオ男」ことマックス(ピエール・リシャール)が、ドゥーズを連れ戻してくる。彼は才能ある作曲家で、デゥーズの亡くなった母の恋人だった。実は、彼女の母も20年前は劇場の歌姫だったのだ。
 再び劇場はオープンされ、今度は盛況を呈する。ところが、ドゥーズとミルーの恋にギャラピアが嫉妬したことから、意外な展開に。
 かつて『ロシュフールの恋人たち』に出演し、のちには『ニューシネマパラダイス』を手がけたジャック・ペランの製作。なるほど、両作品を足して『ムーランルージュ』を加味したような、美しく楽しく温かいミュージカル映画です。
 特に、子役のマクサンス・ペランが可愛い。もちろん、製作者の子息です。
 もちろん、フィクションなのだが、ユダヤ人のミルーが、その後のドイツのフランス占領でどうなったのか、気になるところ。おそらく、レジスタンス運動に身を投じたのでしょうね。

 広島のホテルでもう一本。
 ピーター・シーガル監督『ゲット・スマート』(2008年、アメリカ)。
 スパイ・コメディで、かつての人気テレビ番組『それ行けスマート』の映画版。テレビで主役を演じたドン・アダムスに捧げられている。
 マックス(スティーヴ・カレル)はアメリカの諜報組織「コントロール」の有能な分析官だが、フィールド・エージェントを希望し、何度も試験に落第している。何しろ、彼は運動神経が鈍く、ドジなのだ。
 ある日、「コントロール」の地下の本部が襲撃された。秘密情報も流出し、エージェントの正体もほとんど漏洩してしまった。そこで、チーフ(アラン・アーキン)はマックスをエージェントに昇格させ、最近整形したばかりの美人エージェント99(アン・ハサウェイ)とコンビを組ませる。悪の秘密結社「カオス」がロシアで核兵器を盗み、世界各国の独裁者に売りつけようとしているからだ。
 マックスと99はモスクワに飛ぶ。失敗を重ねながらも、二人は「カオス」のボス・シーグフリード(テレンス・スタンプ)を追い詰める。実は、シーグフリードは大統領(ジェームズ・カーン)訪問中のロサンジェルスを破壊する計画を立てており、彼に内通していたのが、99の元彼で「コントロール」のスーパー・エージェント23(ドウェイン・ジョンソン)だった。
 陰謀を未然に防いだマックスと99は、恋人として結ばれることに。
 「それ行けスマート」は子供の頃に見たことがあり、懐かしい思いです。
 ハイテク重視の副大統領がスパイを軽視して、「コントロール」を潰そうとしています。大統領は間抜けで副大統領の言いなり。当然、ブッシュ=チェイニーのコンビをからかっているわけです。副大統領は心臓のペースメーカーまでつけています(チェイニーと同じ)。
 「コレクター」主演のテレンス・スタンプや「ゴッドファーザー」助演のジェームズ・カーンら、懐かしくも渋い俳優たちが、楽しそうに出演しています。
 ヒロインのアン・ハサウェイも、なかなかセクシー。


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