Koji Murataの映画メモ

映画に関するコメントのみお受けします。

外国映画 2010年

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 自宅でビデオ。
 ルイス・ブニュエル監督・脚本『黄金時代』(フランス、1930年)。
 最近、ヨーロッパの古いものを意識して観ています。
 本作は、サルバトール・ダリも途中まで企画に参加したとか。いわゆる前衛映画、シュールレアリズムです。
 監督もスペイン人で、カトリーヌ・ドヌーブの『昼顔』も手がけています。
 いきなりサソリの映像から始まる。
 基調として男(ガストン・モド)と女(リア・リス)の愛欲があるが、僧侶が白骨死体になったり、窓から投げ出されたり。その上、お城での乱交騒ぎに、イエス・キリストそっくりの人物が中心的役割を果たしている。
 女は銅像の足にキスし、邸内のベッドには牛が寝そべっている。
 映像のテロリズムといったところでしょうか。
 右翼が反対して、その後半世紀も公開されなかったという。

 京都シネマで、ジャン=ピエール・ジュネ監督『ミックマック』(2009年、フランス)。
 『アメリ』の監督さんの作品です。
 バジル(ダニー・ブーン)は子供の頃、父親をアフリカの地雷のために亡くした。30年後、バジルは強盗の流れ弾に当たり、弾丸が脳に残ってしまう。家も仕事も失ったバジルは、産業廃棄物の中で暮らすホームレスたちの仲間入りをする。
 やがて、バジルは父を殺した地雷の製造メーカーと自分の脳に残る弾丸の製造メーカーを、偶然発見する。彼は特殊な才能をもった7人のホームレス仲間とともに、兵器産業への復讐を開始するのだった。
 タイトルの「ミックマック」とは、フランス語で悪戯という意味。復讐劇といっても、二人の「死の商人」を対立させる、大規模な悪戯です。
 映像は美しいし、個別には面白いエピソードが満載ですが、全体のストーリーに目新しさはありません。子供から大人まで無難に楽しめる作品です。
 バジルが落剥していく最初のシーンは。『獅子座』を連想させました。
 映画館で近くに座っていたフランス人(だと思う)は、ずっと笑っていましたから、フランス語がわかれば、会話のエスプリも楽しめるのでしょう。
 

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 自宅でビデオ。今年201本目の映画鑑賞です。
 セシル・B・デミル監督『チート』(1915年、アメリカ)。
 ニューヨークの投資家ディック・ハーディ(ジャック・ディーン)はビジネスで苦境に立っており、美しい妻イーディス(ファニー・ウォード)に浪費を慎むよう諌めるが、妻は聞く耳をもたない。
 その上、イーディスは慈善事業の資金1万ドルを相場に投資して、失ってしまう。彼女に邪心を抱くビルマの象牙王アラカウ(早川雪州)は資金援助と引換えに、イーディスに愛人になるよう迫る。
 その頃、夫はビジネスに成功した。イーディスは夫から1万ドルの小切手を受け取ってアラカウに返済しようとするが、アラカウは彼女を無理やり自分のものにしょうとし、背中に所有を示す烙印まで押し付けた。逆上したイーディスが発砲し、アラカウは重傷を負う。
 これが傷害事件の裁判になる。ディックは妻をかばうため、自分がアラカウを撃ったと主張し、有罪判決が下る。その時、妻が飛び出して真実を語る。法廷は大混乱に陥り、身の危険を感じたアラカウは訴訟を取り下げるのだった。
 原題は「裏切り」という意味。
 早川が実に憎憎しい東洋人を演じている。
 当時、日本では国辱的として公開されなかった。
 また、オリジナルでは早川の役は日本人だったが、第一次世界大戦でアメリカと日本が同じ陣営で戦ったため、対日配慮で早川の役をビルマ人に変更したとか。
 アラカウの召使役は阿部豊です。

 『望郷』も『大いなる幻想』も傑作ですね。同じルノワール監督の『ゲームの規則』もお勧めです。

 京都に戻る新幹線の中でDVDを。
 F.W. ムルナウ監督『吸血鬼ノスフェラトゥ』(1922年、ドイツ)。
 吸血鬼映画の原点とされる作品です。
 ブレーメンの若い業者(グスタフ・フォン・ワンゲンハイム)が不動産の売買のために、トランシルバニアのオルロック伯爵(マックス・シュレック)のもとに呼ばれる。地元の者は伯爵を恐れて、誰も城に近づかない。やがて、業者も伯爵が吸血鬼だと悟り、必死の思いで城を脱出する。
 一方、伯爵は鼠のあふれた土とともに棺桶で、船に運び出され、ブレーメンに向かう。船員はことごとく殺され、ブレーメンの町にはペストが広がる。業者の若い妻(グレタ・シュレーダー)は伯爵に自らの清い血を与え、伯爵に朝日を浴びせることで、吸血鬼を退治するのだった。
 さすが、ドイツ表現主義の傑作とされるだけあって、不気味な映像です。
 蝙蝠ではなく鼠が登場し、伝染病を拡げます。「ノスフェラトゥ」という言葉も、病や死を運ぶ者といった意味だったそうです。ヨーロッパでの吸血鬼伝説の起源を感じさせます。

 確かに、昨日、東宝シネマにいました。
 クリストファー・ノーラン監督『インセプション』(2010年、アメリカ)。
 コブ(レオナルド・デカプリオ)は、潜在意識で虚構の世界を構築し、それを標的と共有することで、標的をそこに誘い込み、秘密を引き出すという、新種の産業スパイだ。だが、妻のモリを殺害した容疑でアメリカに帰国できず、子供たちとも会えない。
 コブの標的にされた日本人実業家のサイトー(渡辺謙)は、逆にコブに仕事を依頼する。ライバル企業で世界の資源独占をめざすフィシャーは臨終の床にある。その息子ロバートを夢の世界に誘い込み、情報を奪うのではなく、企業分割というアイディアを埋め込む、つまり、インセプションという難事である。
 帰国の手配をする約束と引換えに、コブはこの仕事を引き受け、腕のいい仲間たちを集める。だが、計画を成功させるためには、夢の中で夢を見る作業を何重も繰り返さなければならない。しかも、コブの夢の中には死んだ妻が闖入してくる。これが計画を狂わせてしまう。その上、ロバートは潜在意識防衛の訓練を受けていたため、夢の中でプロのボディガードたちが大量に登場し、サイトーは重傷を負う。このまま、夢の中で死ねば、サイトーは目覚めた時に精神だけが虚無の世界に陥ってしまうのだ。
 コブは妻の幻想を振り切って計画を成功させ、サイトーを救おうとする。
 他に、ジョセフ・ゴードン=レヴィットやエレン・ペイジら。
 手の込んだストーリーと見事な映像です。
 渡辺の英語も『ラスト・サムライ』の頃に比べて、随分と上達しています。
 しかし、夢の奥の核心部分が、息子の父へのコンプレックスというのが、やや単純か。
 また、なぜ日本の実業家でなければならなかったのだろう?渡辺のキャスティングが先にあったのでしょうか。
 ユーゴスラビアの旅行、気をつけてくださいね。
 
 


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