Koji Murataの映画メモ

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外国映画 2010年

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 ワシントンのホテルで、日本から持ってきたDVDを一本。
 フィリップ・カウフマン監督『存在の耐えられない軽さ』(アメリカ、1988年)。
 原作はミラン・クンデラ。170分の大作です。
 1968年、チェコの首都プラハ。トマシュ(ダニエル・デイ=ルイス)は有能な外科医で、プレイボーイでもある。手術のため訪れた温泉町で、彼は美しいテレサ(ジュリエット・ビノシュ)に出逢う。彼女はプラハにやって来て、カメラマンを志望する。トマシュのもう一人の恋人サビーナ(レナ・オリン)が協力してくれる。
 ところが、チェコの民主化を弾圧するため、ソ連軍が介入する。サビーナはジュネーブに向かう。トマシュとテレサも遅れてジュネーブに。サビーナは既婚の大学教授と恋に落ちるが、相手が妻と別れたと聞くと、独りでジュネーブを去ってしまう。トマシュは医師として活躍するが、テレサには職がない。
 「私にとってあなたは重く、あなたにとって私は軽い」――テレサはそう言い残してプラハに戻る。トマシュもあとを追う。二人はプラハで結ばれるが、反体制派と目されて職を奪われる。やがて、二人は昔の友人を頼って田舎に赴く。単調だが幸せな生活。
 アメリカに移住したサビーナのもとに手紙が届く。トマシュとテレサが交通事故で亡くなったのだ。
 政治に翻弄される市民の生活。
 複雑な愛欲の関係。
 そして、人生にとって幸せとは何か、という問いかけが残る。 
 プラハの春を弾圧するソ連軍の映像が圧巻。
 ペットの犬や豚が象徴的な役割を果たしています。
 
 成田からワシントンに向かう機内で2本。
 まず、ティム・バートン監督『チャーリーとチョコレート工場』(米英、2005年)。
 ウィリー・ウォンカ(ジョニー・デップ)は天才ショコラティエで、世界一のチョコレート工場をもっているが、工場は完全に隔離されており、中ではウィリーと小人のウンパ・ルンパたちが様々なチョコレートを作っている。
 ある日、ウィリーは5人の子供を工場に招待することにした。
 まず、食いしん坊の少年はチョコレートの滝で溺れる。競争心の強い少女はブルーベリーになってしまう。わがままな金持ちの少女はゴミ処理施設に転落する。そして、コンピューターおたくの知ったかぶりの少年は、テレポートに失敗してしまう。
 残ったのは、貧しいが心優しいチャーリー(フレディ・ハイモア)とそのお爺ちゃん(デヴィッド・ケリー)だけだった。ウィリーはチャーリーから家族の大切さを学び、歯科医の父(クリストファー・リー)との再会を果たすのだった。
 美しい映像と奇想天外な仕かけは、バートン・ワールド。デップも、怪しいウィリー・ウォンカを楽しそうに好演しています。チャーリー以外の子供たちは、貪欲や傲慢を象徴していますが、親たちのイミテーションでもあります。実は、ウィリーも父の才能と狭量を受け継いでいるのです。
 前夜は久しぶりに「朝生」で疲れましたが、また京都駅前シネマに。今度はフランス映画祭です。
 ホセ・ルイス・ゲリン監督『シルビアのいる街で』(フランス=スペイン、2007年)。
 6年前に出逢った恋人のシルビアを捜すために、若い画家(グザヴィエ・ラフィット)は、ストラスブールに滞在している。ある日、シルビアそっくりの女性(ビラール・ロペス・デ・アジャラ)をみつけ町中を追いかけたが、別人だった。今日も画家はシルビアを捜し続ける。
 美男美女、そしてストラスブールの街並みも美しい。
 画家の目を通して、多くの女性や男女、親子の姿が描かれています。
 しかし、要するにストーカーという気もしてしまいます。
 二人の短時間の会話以外は、ほとんどサイレントのような作品です。
 夜は自宅でDVD。
 フリッツ・ラング監督『M』(1931年、ドイツ)。
 少女連続殺人事件が発生している。一般市民も疑心暗鬼になっている。警察の必死の努力にもかかわらず、犯人は捕まらない。警察の厳しい捜査のために、犯罪組織も活動しにくくなり、彼らも連続殺人の犯人を捜そうとする。
 盲目の風船売りの老人が、犯人の口笛を覚えていた。口笛を吹く犯人を若者が追いかけて、わざとぶつかる。手にチョークでMと書き、その文字を犯人のコートの背中に押し付けたのだ。Mは殺人の頭文字である。この文字を目印に、犯罪組織が犯人をとあるビルの中に追い詰め、ついには捕まえる。
 犯人のベッカー(ピーター・ローレ)は強迫神経症なのだ。警察もその線からベッカーに目星をつけていた。犯罪組織のアジトで、ベッカーは裁判にかけられ死刑を宣告される。自分は病気であると、ベッカーが警察の保護監察を求めるところに、実際に警察が突入してきて、犯罪組織は一網打尽となるのだった。
 前半は連続殺人の恐怖が、後半は追い詰められる犯人の恐怖が、見事に描かれています。
 口笛にチョークのMの字と、仕掛けが効果的です。
 ピーター・ローレの神経質そうなギョロ目も印象的。
 このブログが皆さんの映画鑑賞のお役に立っているのなら、まことに幸いです。
 さて、今日は三条Movixでハラルド・ズワルト監督『ベストキッド』(2010年、アメリカ)を観賞。80年代のヒット・シリーズのリメイクで、原題はいずれも「カラテ・キッド」。
 12歳のドレ(ジェイデン・スミス)は母(タラジ・P・ヘンソン)の仕事の関係で、デトロイトから北京に移住した。そこでバイオリンを学ぶ美しい少女と出会うが、それが原因で、中国人の少年たちのイジメに会う。彼らはカンフーに長けている。
 ドレがいじめられているところを、アパートの管理人ハン(ジャッキー・チェン)が救う。彼はカンフーの達人だった。ドレは中国人の少年たちとカンフー大会で競うことになり、ハンの特訓を受けるのだった。
 主役の少年はウィル・スミスの息子で、父は本作のプロデューサーでもある。なかなか達者でかわいい少年です。寡黙なジャッキーもいい。教える側が教えられる側面も。けだし、「教えることは学ぶこと」(キケロ)です。
 かつては日本のカラテがテーマでしたが、今では中国のカンフーです。この四半世紀の変化は大きいですね。
 北京にはしばらく行っていませんが、映像を見てオリンピック後の街の様子に驚きました。

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