Koji Murataの映画メモ

映画に関するコメントのみお受けします。

外国映画 2010年

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 東京に向かう新幹線でDVD。
 エリア・カザン監督『革命児サパタ』(アメリカ、1952年)。 
 1909年のメキシコ。農民のサパタ(マーロン・ブランド)は、仲間を率いてディアス大統領の独裁に反旗を翻した。アメリカ亡命中のマデロも、これに呼応する。
 やがて、ディアスは亡命し、マデロが大統領になる。だが、マデロの立憲主義的で漸進主義的な改革に、農民の利害を代表する急進的なサパタは納得がいかない。マデロは守旧派のウエルタ将軍の巻き返して殺されるが、サパタはウエルタをも打倒する。
 サパタはいったんは大統領に擬せられたが、妻のホセファ(ジーン・ピーターズ)とともに隠棲する。サパタの兄(アンソニー・クイン)は私欲を捨て切れずに、殺される。さらに、サパタにも陰謀が仕掛けられ、暗殺されてしまう。だが、彼はいつまでも民衆の英雄として記憶されるのだった。
 チェ・ゲバラの先駆的存在ですね。
 「死んで永遠の敵になる存在もある」と旧軍の指導者が言う。
 ブランドはすでに『ゴッドファーザー』に通じる風格を示しています。
 のちに仲間を裏切るカザン監督ですが、「赤狩り」のさなかに、よくこんな映画を作れたものです。
 脚本はなんとジョン・スタインベック。
 サパタに革命をたきつけながら裏切る冷酷な参謀役にジョセフ・ワイズマン。007第一作でドクター・ノーを演じた怪優です。

 アテネからイスタンブールへの帰路に持参DVDをもう一本。
 ハワード・ホークス監督『赤い河』(アメリカ、1948年)。
 ダンソン(ジョン・ウェイン)は、マットという孤児を引き取って「赤い河」を超え、わずか2頭の牛でテキサスの広原に牧場を開く。それから14年、ダンソンの牧場は飛躍を遂げ、マット(モンゴメリー・クリフト)も逞しい若者に成長した。だが、南北戦争に敗れた南部では、牛は売れなくなっていた。
 そこで、ダンソンは1万頭もの牛を率いて、ミズーリに牛を売りに行く計画を立てる。厳しい行路で、食料は尽き、離反者も出る。しかし、不屈の決意のダンソンは、裏切り者を容赦なく処断する。仲間のうちから不満が募った。
 やがて、マットもダンソンと対立し、ダンソンを残して、仲間とともに、より安全でより近いカンザスに向かう。しかし、前方にはインディアンが、後方からは復讐に燃えるダンソンが迫っていた。
 マットはインディアンに襲われたテス(ジョアン・ドルー)という女性と恋に落ちる。ダンソンも昔、愛する女性を旅に連れて行かなかったばかりに、インディアンに殺されるという辛い経験をしていた。マットとダンソンは決闘に臨むが、テスの尽力で和解するのだった。
 世代間の対立と共通の恋愛体験、それを結ぶブレスレットという小物。うまく仕上がった作品です。
 何しろ、数千頭の牛の移動が壮大。
 老牧童役のウォルター・ブレナンが、いい味を出しています。
 クリフトは男前だが、西部劇にはやや華奢か。
 子供の頃、テレビで観た記憶が蘇ります。

 イスタンブールに向かう機内で一本。
 スコット・クーパー監督・脚本・製作『クレイジー・ハート』(アメリカ、2009年)。
 バッド・ブレイク(ジェフ・ブリッジス)は、カントリー・ウェスタンの往年のスターだが、今ではアルコール依存症で、地方巡業で生計を立てている。そんな彼に、子持ちの女性レポーターのジーン(マギー・ギレンホール)がインタビューする。やがて、二人は惹かれあうように。
 しかし、バッドの酒癖は治らず、交通事故を起こし、挙句には、ジーンの4歳になる男の子を迷子にしてしまう。ついに、ジーンもバッドのもとを去っていく。バッドは禁酒に成功し彼女を訪ねるが、拒絶される。
 さらに1年半後、二人は再会するのだが。
 バッドの元弟子でいまやスター歌手のトミーに、コリン・ファレル、バッドを暖かく見守る旧友にロバート・デュバル。
 ミッキー・ロークの『レスラー』を想起させる。
 何といっても、ブリッジスが渋い。歌もなかなかのもの。アカデミー主演男優賞受賞です。
 人は何か一つを得ると、一つを失う。不如意が人生の基本だ。
 カントリー・ウェスタンですから、日本なら往年の演歌歌手の物語といったところでしょう。

 徳島への車中でDVDを一本。
 ヴォルフガング・ベッカー監督『グッバイ、レーニン!』(2002年、ドイツ)。
 1989年の東ドイツ。アレックス(ダニエル・ブリュール)の父は、10年前に女性に誘われて西側に亡命してしまった。以来、母のクリスティアーネ(カトリーン・ザース)は社会主義の信奉者となり、熱心に教育やボランティアに携わってきた。ところが、息子のアレックスが反体制デモに参加して逮捕されるところを目撃し、母は心臓発作で倒れる。
 数ヶ月の昏睡状態ののち、母は意識を回復した。しかし、その間にベルリンの壁は崩壊し、母の信じた社会主義体制は消滅していた。医師は母にショックを与えてはならないと言う。アレックスは姉のアリアネや恋人で看護婦のララらの協力をえて、母に何とか社会主義体制崩壊の事実を知らせないようにするのだが。
 やがて、母は再び発作で倒れ、別れた父と会いたいと語る。父の亡命には秘密が隠されていた。
 母を守るための嘘が、やがてアレックス自身の願望でもあることが語られる。
 巨大なレーニン像がヘリコプターで撤収される様子は、フェリーニの『甘い生活』でマリア像が運ばれる様子と重なります。
 しかし、朝鮮半島の統一は、これどころの騒ぎではないでしょう。
 ベルリン国際映画祭で「嘆きの天使」賞受賞。

 東京出張中にDVDを一本。
 ヴィム・ヴェンダース監督『パリ、テキサス』(西ドイツ、フランス、1984年)。
 原作はサム・シェパード。
 砂漠を放浪中の一人の男が保護される。トラヴィス(ハリー・ディーン・スタントン)は4年前に失踪し、一人息子のハンターは弟夫婦に育てられている。
 トラヴィスもロサンジェルスの弟夫婦に引き取られ、息子のハンターと再会する。別れた妻がテキサスにいると知り、トラヴィスは彼女を捜しに出かける。ハンターも一緒だ。やがて、トラヴィスは妻のジェーン(ナスターシャ・キンスキー)を発見するが、彼女はセックス産業で働いている。トラヴィスは妻と息子の再会を手配し、静かに姿を消すのだった。
 ライ・クーダーのギターが渋い。
 これまた人生は旅だと思わせるロード・ムーヴィーです。
 カンヌ映画祭パルムドール受賞。
 パリ、テキサスとはテキサス州のパリという実在の町のことで、トラヴィスの両親が出会った場所との由。自分の出生の原点に、過去をなくした男は向かっていたのだ。


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