Koji Murataの映画メモ

映画に関するコメントのみお受けします。

外国映画 2010年

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

 今夜は自宅でビデオ。
 チャップリンの次はバスター・キートン。
 キートン監督・主演『キートンの探偵学入門』(1924年、アメリカ)。
 映画館の映像技師(キートン)は探偵志望だ。ところが、恋人(キャリア・マクガイア)の家で時計がなくなるのだが、彼が犯人に間違えられてしまう。
 失意のうちに映画館に戻り、技師は上映中に居眠りを。夢の中で映画に溶け込んだ彼は、見事に窃盗の真犯人を暴いて、恋人と結ばれるのだった。
 キートンのドタバタ・アクションも相当のものです。しかも、こちらはまったくの無表情。
 ウッディ・アレンなど、のちの多くの映画作家に影響を与えた作品のようです。
 44分、サイレント。

 高知への出張の往復にDVDを一本。
 チャールズ・チャップリン監督・脚本・製作・作曲『ライムライト』(1952年、アメリカ)。
 1914年のロンドン。カルヴェロ(チャップリン)は昔は有名なコメディアンだったが、今や落ちぶれた初老の芸人だ。その彼がアパートで自殺を図った若いバレリーナ(クレア・ブルーム)のテリーを救う。リューマチで踊れなくなったことで、絶望したというのだ。しかし、彼女の病気は精神的なものだった。カルヴェロに励まされて、テリーは立ち直り、舞台で大成功を収める。
 他方、カルヴェロは舞台で何度も失敗を繰り返す。テリーはカルヴェロに結婚を申し込む。だが、テリーが初恋の作曲家ネヴィル(シドニー・チャップリン)と再会したことを知ったカルヴェロは、静かに姿を消す。
 やがて、テリーとカルヴェロは再会した。テリーの強い推挙で、カルヴェロは最後の舞台を踏むことに。その大成功ののちに、心臓の持病のため、老人は舞台の袖で静かに息をひきとるのだった。
 冒頭に登場する子どもたちは、みなチャップリンの実子たち。シドニーも息子だ。
 バスター・キートンがカルヴェロの相手役で登場するが、これは当時経済的に困っていたキートンを助けるためだったとか。
 カルヴェロの名言をいくつかご紹介しましょう。
 「人生に意味はない。人生は願望だ」
 「人生に必要なのは勇気と想像力、それにほんの少しのお金だ」

 今夜は自宅でビデオ。
 フレディック・デコードヴァ監督"Bedtime for Bonzo"(アメリカ、1951年)。
 ロナルド・レーガン主演のコメディです。
 大学で心理学を教えるピーター(レーガン)は、学部長の娘と婚約している。しかし、ピーターの死んだ父が前科者だったとわかり、学部長は結婚に反対する。犯罪者の遺伝を恐れてのことだ。
 だが、ピーターは遺伝よりも環境こそが人格形成に重要だと革新していた。そこで、彼は大学で飼育されているボンゾというチンパンジーを見事に育てて、自説を証明しようとする。そのためには、「パパ」役のピーターに対して、「ママ」役も必要だ。ピーターがようやく見つけたのは、ジェーン(ダイアナ・リン)という若い乳母だった。二人はボンゾを育てるのに悪戦苦闘するが、やがて愛が芽生えるのだった。
 ダイアナ・リンはなかなかチャーミング。しかし、一番の好演はボンゾです。
 レーガンはすでに40歳を過ぎていて、美しさに翳りが出ています。
 チンパンジーと共演したことから、のちのちまでレーガンを揶揄する際に引き合いに出された作品です。しかし、気楽で楽しい仕上がりになっています。

 三条のムーヴィックスで、アントワン・フークア監督『クロッシング』(アメリカ、2008年)を観賞。
 ニューヨーク市警55分署。サル(イーサン・ホーク)はカトリックの子沢山で、妻は病弱、何としても新居を手に入れたい。そのため、麻薬の金を横領している。
 エディ(リチャード・ギア)は退職を1週間後に控えた、無気力で事なかれ主義の巡査だ。最後の仕事になった新人教育にも不熱心で、初日に指導した新人は数日後に殉死し、二日目に教えた新人も窃盗犯の逮捕時に不必要にピストルを発射してしまった。エディは黒人売春婦のところに頻繁に通っており、近くに若い女性が誘拐されるのも見過ごしてしまう。
 タンゴ(ドン・チーゲル)は、スラムの黒人麻薬組織に何年も囮捜査で潜入しており、組織のボスに命を助けられたこともあって、親友になっている。だが、もちろん家庭を犠牲にしての仕事で、妻は離婚を求めている。FBIの女性捜査官は手柄を挙げるために、ボスに罠を仕かけるようタンゴに命じる。
 サルにとっては家庭、エディにとっては職業、そしてタンゴにとっては友情が問われている。
 ある夜、三人の運命はスラム街で交差(クロッシング)することになる。
 冒頭、ある裁判官の言葉が紹介されている。「事件はみな、よりよい(righter)かより悪いか(wronger)の問題だ」。
 なかなか迫力のある警察ものでした。
 かつてアメリカン・ジゴロを演じたギアが、黒人売春婦を買って「パパ」と呼ばれているのは、印象的でした。
 イーサン・ホークも力演。

 新山口から京都に戻る新幹線で、DVDをもう一本(確かに、よく観ますね)。
 ジョン・ヒューストン監督『ザ・デッド 『ダブリン市民』より』(アメリカ、1987年)。巨匠の遺作だそうです。原作はもちろん、ジェームズ・ジョイスの短編小説。
 20世紀最初のクリスマスの夜、雪の降り積もるダブリン。
 今年も老姉妹が親戚や友人を集めて、パーティーを開いている。ダンスや誌の朗読、そして暖かい夕食と談笑が続く。
 いよいよ散会となり、老姉妹の甥ゲイブリエル(ドナルド・マッキャン)は、妻グレダ(アンジェリカ・ヒューストン)を伴って、グラシャム・ホテルに戻る。だが、ある歌を聴いてから、妻の様子がおかしい。問いただすと、17歳の時の初恋の青年が愛唱した歌で、その青年はグレダが修道学校に入るため別れるのを惜しんで、死んでしまったのだという。
 自分のまったく知らなかった妻の過去。死んでいった青年。
 夫婦とは、人生とは何かと考えながら、ゲイブリエルは窓の外の雪を眺めていた。
 死んだ人や老姉妹のようにやがて死に行く人々を思うから、「ザ・デッド」なわけです。
 原作は私も好きですが、忠実に映画化されていると思います。
 この小説を読んで、2年前に私もグラシャム・ホテルに宿泊したことを思い出しました(真夏でしたが)。
 アイルランド独立運動を支持する女性が、ゲイブリエルのことを「親英」と非難する。その英語表現は  West Britain。アイルランドがイギリスの西に位置するからですね。


よしもとブログランキング

もっと見る

プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事