Koji Murataの映画メモ

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外国映画 2010年

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 自宅でDVD。
 ハル・アシュビー監督『さらば冬のカモメ』(アメリカ、1973年)。
 ノーフォークの海軍基地。募金箱からわずか40ドルを盗もうとした罪状で、18歳の水兵メドウズ(ランディ・クェイド)は8年の懲役刑に服する羽目になった。古参の下士官バダスキー(ジャック・ニコルソン)と黒人のマルホール(オーティス・ヤング)が、彼をポーツマスの海軍刑務所まで護送することに。
 メドウズは盗癖こそあるものの、気の弱い真面目な若者だ。やがて、バダスキーとマルホールは彼に好意を抱き、酒を飲ませたり、郷里に立ち寄ったり、さらには、売春婦を抱かせて童貞を卒業させたりと、道中でせめてもの思い出作りをしようとする。
 いよいよ刑務所に到着の直前、メドウズは逃亡を図る。だが、二人に取り押さえられてしまう。逆に、二人は囚人に怪我をさせたことを咎められるのだった。
 途中で、一行は日蓮宗の信者たちに出会う。その中の女性がメドウズに逃亡を勧めるのだった。
 メドウズは「ナンミョーホーレンゲキョー」と意味もわからずに繰り返す。
 原題は"The Last Detail"で、最後の任務という意味。邦題は洒落てますね。
 例によって、ニコルソンが印象的な演技を披露しています。
 ベトナム戦争末期のアメリカ社会の空気が透けて見える作品でした。

 東京に向かう新幹線の中でDVD。
 スティーブン・ソダバーグ監督・脚本『セックスと嘘とビデオテープ』(1989年、アメリカ)。
 アン(アンディ・マクダウェル)は弁護士の夫ジョン(ピーター・ギャラガー)とセックスレスで、精神科のセラピーに通っている。ジョンは妻の妹で奔放なシンシア(ローラ・サン・ジャコモ)と不倫関係にある。
 そんな中に、夫の旧友グレアム(ジェームズ・スベイダー)が現れる。この芸術家風の謎の青年は、自らは性的に不能なのだが、女性の性体験をインタビューしてビデオテープに録画している。シンシアもアンも彼に興味をもち、インタビューに応じる。ビデオテープを通じて、二人は自分にを再認識する。シンシアはジョンと別れることを決意し、アンも夫の不倫を知って離婚するのだった。
 ソダバーグが史上最年少の26歳でカンヌ映画祭パルムドールを受賞したインディーズ映画です。
 内省的な姉と外向的な妹、内省的なグレアムと身勝手なジョンと、男女ともに対比的です。
 ともに前者ははセックスから顔を背け、後者はセックスを希求しています。
 ビデオテープというのが、いかにも80年代ですね。
 

 自宅でビデオ。
 F.W.ムルナウ監督『サンライズ』(アメリカ、1927年)。
 第一回アカデミー賞で「芸術的優秀作品賞」を受賞した映画。
 場所も時代も不明。
 都会からやってきた悪女に唆されて、ある農夫(ジョージ・オブライエン)は妻(ジャネット・ゲイナー)を旅に誘い出して、ボートで溺死させようとする。しかし、できない。後悔する夫、怯える妻。
 やがて町に着いた二人は和解し、散発や記念写真、ダンスなどを楽しむ。まるで新婚気分だ。夜になって、二人は再びボートに乗り、村に戻ろうとする。ところが、台風が襲いボートは転覆。夫は助かったものの、妻は意識不明だ。
 都会の悪女は自分の思い通りになったと喜ぶ。嘆き悲しむ夫。しかし、夜明けの頃、妻は意識を回復した。夫婦は抱き合い、悪女は村を去って行く。
 単純だが、心に沁みるストーリーです。ムルナウらしく映像は暗いが、結末は明るい。
 夫婦の情愛がきめ細かく描写されています。

 富山に向かうサンダーバードでDVDを一本。
 マイク・ニコルズ監督『バージニア・ウルフなんてこわくない』(1966年、アメリカ)。
 舞台劇の映画化。
 ジョージ(リチャード・バートン)は地方大学の歴史の万年助教授で、妻のマーサ(エリザベス・テイラー)は学長の娘で毒舌かつわがままだ。マーサが真夜中に新任の生物学の若い教師(ジョージ・シーガル)とその妻(サンディ・デニス)を自宅に招く。
 しかし、中年夫婦の仲は冷え切っている。マーサが存在しない息子の話を始めたことから、二人は客の前で罵詈雑言を浴びせあう。これに若い夫婦も巻き込まれていく。ついにマーサは若い教師をベッドに誘い、ジョージは架空の息子が死んだという話を始めるのだった。この架空の息子を設定することが、中年夫婦の唯一の絆だったのに。
 舞台劇らしく、科白の応酬がすごい。しかも、バートンとテイラーは本当の夫婦だ。二人ともみごとな演技で、特にテイラーはアカデミーシュ主演女優賞を受賞しています。
 "Son of a Bitch"のように、それまで映画でタブーだった言葉がしばしば登場する。
 酔った妻たちが「狼なんかこわくない」を替え歌で歌う。これがタイトルの由来。

 またまた駅前シネマ。
 テオ・アンゲロプロス監督『霧の中の風景』(ギリシア・フランス・イタリア、1988年)。
 12歳の姉と5歳の弟が父に会うために、アテネからドイツに旅する。実は、二人は私生児で、父がドイツにいるというのは、母親の嘘なのだが。
 二人は旅芸人の若者と出会い、一行と旅する。さすがはアゲンロプロス監督、『旅芸人の記録』と連結します。
 やがて、二人は一行と離れ、ヒッチハイクでトラックに乗るが、姉は運転手にレイプされてしまう。旅芸人の青年との再会と寂しい別れ。二人はようやくドイツ国境までたどり着くのだが。
 青年が弟に映画のフィルムの断片を与え、霧の中に山が見える、と教える。ラスト・シーンでは、二人が霧の中の風景に立っている。
 「初めてはみんなそうなんだ」と、青年は姉に語る。初恋の辛さである。
 寂しい風景に寂しい音楽、そして時間は緩慢に流れて行く。人生はあてのない旅だと、この作品は語っています。


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