Koji Murataの映画メモ

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邦画 2010年

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 大晦日に神戸の実家で母とビデオ。2010年最後の映画鑑賞。
 1年で合計293本観て、うち118回は映画館に足を運んだことになります。
 成瀬巳喜男監督『妻として女として』(東宝、1961年)。
 大学教授の河野(森雅之)には、妻(淡島千景)の他に長年の愛人・三保(高峰秀子)がいる。三保は銀座のバーのママだが、店の権利は河野夫人が握っている。愛人関係は妻公認なのだ。
 三保は世間体を気にする河野に失望し、別れようと決意する。そこで、店の権利か手切れ金300万円かを求めるが、河野夫人に冷たく拒否される。
 残された道は子どもたちだった。実は、河野夫妻の娘(星由里子)と息子は三保が産んだのだった。河野夫人と三保はそれぞれの言い分を、妻として女として主張するが、子どもたちはそんな大人たちに失望するのだった。
 他に、仲代達矢や飯田蝶子ら。
 当時の300万円は今の4000万円以上でしょう。20年近くの愛人生活の清算としては、安いのか高いのか。
 「世の中で一番高いのは女の身体よ」「一番安いのも女の身体だけどね」

 映画鑑賞後に、期せずして高峰さんの訃報に接しました。たいへんな女優だったと思います。
 ご冥福を心からお祈りします。
 2010年は、高峰さんをはじめ、小林桂樹三、佐藤慶さん、池部良さんと、昭和の銀幕のスターたちが大勢去っていきました。仕方がないとはいえ、実に残念です。彼らの作品をもっと観なければなりません。
 因みに、2011年は森雅之の生誕100年に当たります。 

 2010年映画館での見納め。
 森田芳光監督『武士の家計簿』(2010年)。
 幕末の加賀藩。下級武士から70石までに出世した算用方の猪山家三代(中村雅俊、堺雅人、伊藤祐輝)の物語。とりわけ、直之(堺)は「算盤バカ」と呼ばれる程、仕事熱心で、猪山家の積もり積もった借金を返済するため、家財を売り払い、自宅にも「入払帳」つまり、「武士の家計簿」を導入する。
 この猪山家を支えた女たちに、草笛光子、松阪慶子、仲間由紀恵ら。
 他に、西村雅彦や、なぜか狂言の茂山千五郎も。
 藩の政争や親子の葛藤も盛り込まれているが、森田監督にしては平凡な出来。
 「ご明算」とつぶやく草笛が貫禄。
 パンフレットは洒落ていました。
 金沢、久しぶりに行ってみたくなりました。

 夜、自宅でビデオ。テレビを46インチに買い換えたので、快適。
 成瀬巳喜男監督『秀子の車掌さん』(東宝、1941年)。
 甲府の老朽化したバスで、運転手の園田(藤原鶏太)と車掌のおこま(高峰秀子)は、客足の低下に悩んでいる。そこで、観光ガイドを盛り込むことにして、東京から来た作家の井川に原稿を依頼する。
 しかし、バスが事故を起して、おこまは怪我をしてしまう。保険のおかげで、バスは新しくなり、ようやく、おこまも観光ガイドができるようになるが、実は社長はバスを売りに出して店じまいを計画していた。
 原作は井伏鱒二。成瀬と高峰のコンビ第一作。
 藤原鶏太は藤原鎌足のことで、内務省から芸名の変更を迫られたのだという。鶏太(けいた)、つまり芸名を「変えた」の意である。
 1時間弱の、長閑な小品でした。

 因みに、原節子さんは今年で御年90歳です(女性の年齢を話題にするのは無粋ですが)。

 東京から帰りの新幹線でDVD.
 鈴木清順監督『陽炎座』(1981年)。原作は泉鏡花、製作は『赤目四十八瀧心中未遂』の荒戸源次郎。
 大正年間。新派の作家・松崎(松田優作)は、謎の美女・品子(大楠道代)と偶然3度まで出あう。彼女は松崎のパトロン・玉脇(中村嘉津雄)の後妻のようだ。玉脇にはイネことイレーネ(楠田枝里子)というドイツ人の先妻もいたが、死んだという。
 松崎は品子から手紙を受け取り、金沢に向かう。そこには玉脇もいて、松崎と品子の心中を見物するのだという。松崎はアナボル(アナーキー・ボルシェビキ)の和田(原田芳雄)と出会い、不思議な陽炎座で自分たちを題材にした子ども歌舞伎を見学することになる。
 鈴木ワールドと鏡花の世界が荒戸を介して合体しているわけですから、とても言葉では言い表せない幻想的な作品になっています。生と死、現実と夢を彷徨する物語です。
 とりわけ、色彩が美しく、時々意表を突かれます。
 他に、加賀まりこや大友柳太郎ら。

 似顔絵についてですが、卒業生の一人が最近こういうビジネスをはじめたそうでして。
 さて、神戸の実家で母とDVD。
 成瀬巳喜男監督『娘・妻・母』(東宝、1960年)。
 東京・山の手の坂本一家。
 旧家に嫁いだ長女の早苗(原節子)は、夫と死別して実家に戻ってくる。兄弟たちはそれぞれトラブルを抱えており、長男夫婦(森雅之)も次女(草笛光子)も、亡夫の生命保険として早苗がもっている100万円から、借金しようとする。
 早苗は年下の黒木(仲代達矢)と出会い心惹かれるが、京都の中年紳士・五条(上原謙)とも見合いすることに。やがて、長男の借金から実家を売り払わなければならなくなり、還暦を家族で祝ったばかりの母(三益愛子)の処遇が問題になる。早苗は黒木への思いを断ち切って、母を連れて五条のもとに再婚する決心を固めるのだが。
 他に、宝田明、淡路恵子、杉村春子、加東大介、笠智衆、団令子、小泉博、中北千枝子ら、豪華な顔ぶれ。
 女の自立や幸せ、家族の絆が、淡々と問われている。
 当時の初任給が1万2900円ですから、100万円は今の1500万円ぐらいでしょうか。
 高峰演じる主婦が普通に「ご免あそばせ」という時代です。

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