Koji Murataの映画メモ

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邦画 2010年

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 みかんさん、そうです。両方ともオマー・シャリフという俳優が演じています。
 さて、今晩はなんばシネマ・パークスで試写会。
 成島出監督『孤高のメス』(2010年)。
 1989年、さざなみ市民病院に、アメリカ留学から戻った外科医・当麻(堤真一)が赴任してくる。この病院では、大手大学病院から派遣されてきた医師たち(生瀬勝久ら)が事なかれ主義の医療に終始していた。そんな中で、当麻は患者本位の医療で手腕をふるう。看護婦の中村(夏川結衣)も、当麻に惹かれていく。
 そうした中で、病院のよき理解者だった市長の大川(榎本明)が肝不全で倒れる。同じ頃、高校生が事故で脳死状態になった。少年の母(余貴美子)は臓器の提供を申し出る。しかし当時、脳死による臓器移植は法整備されていなかった。それでも当麻は、医師として臓器移植手術に踏み切り、中村たちがそれを支えるのだった。
 他に、中村の息子でのちに医者になる弘平役に成宮寛貴ら。
 原作者も医師で、主人公のような志のある若い医師の登場を願って、小説を執筆したとか。
 「医師になることより、医師であり続けることのほうが難しい」と、主人公に語らせています。
 この舞台設定時から20年を経て、地域医療も地域経済も、そして日本社会全体も劣化しています。深刻な問題です。
 やや悪の描き方が弱い気がしますが、手術シーンなどは実にリアルです。
 堤や夏川も好演。
 主人公は都はるみの大ファンで、「外科手術には演歌が似合う」との由。
 6月5日公開だそうです。ご覧下さい。
 今日は十三にある第七芸術劇場で、映画を続けて3本観ました。
 まず最初は、千野皓司監督『密約 外務省機密漏洩事件』(テレビ朝日、1978年)。原作は澤地久枝。
 もともとテレビ映画だったが、1988年に劇場公開され、今回再び公開されました。
 沖縄返還をめぐって、石山(北村和夫)というベテラン新聞記者が、外務審議官(滝田裕介)の秘書(吉行和子)と肉体関係をもった上で、機密情報を入手した。二人は訴えられ、逮捕される。第一部は公判で、石山の回想を中心に話が進む。第二部は秘書の回想である。そして第三部では、原作者と思われる女性作家(大空真弓)の視点で描かれ、これに石山の部下(磯部勉)が絡む。
 全体として、密約を批判し、男女の肉体関係を問題にした裁判や報道を批判し、報道の自由を訴えている。
 もちろん、密約は望ましくはないが、どのような政治状況がそれを必要にしたのかを掘り下げなければ、一般論の奇麗事に終わる。男女関係はともかく、公務員に守秘義務があることも当然だ。
 私が保守的なのかもしれないが、反権力を強調するあまり一面的になっており、薄っぺらい。
 期待していただけに、がっかりした。ただし、秘書の人物像は多面的に描かれている。石山はどうなのか。
 検事役に横森久が。懐かしい脇役で、早くに亡くなってしましました。こうした懐かしい顔が見られたのは収穫。
 今日は出張の合間に名古屋の名演小劇場に。瀟洒な元劇場が映画館になっています。
 亀田幸則監督・脚本『苦い蜜 消えたレコード』[2010年)。
 ビートルズ・バー「リボルバー」の開店記念日に、芸能プロダクションの社長がビートルズのレコードの貴重なコレクションを公開するが、うち一枚がなくなっており、若い社員が疑われる。社長は心臓の持病でその場で倒れ、疑われた社員はのちに事故死した。
 それから一年。「リボルバー」のマスターは「苦い蜜」という推理小説を書いて、新人賞の候補になっている。和田(田中健)ら、常連たちが店に集まってくる。そこに探偵と称する青年(金子昇)が現れる。亡くなった元社員の親友で、彼の無実を晴らしたいという。探偵の推理と関係者の回想から、やがて意外な真実が明らかになる。その過程で、みなが気付かなかった自分の責任を感じ、お互いを許しあおうとする連帯感が生じるのだった。
 舞台劇を映画化したもので、映画としてはかなり制約のある作品。
 登場人物たちの演技や台詞回しも、お芝居そのもの。
 ただ、オチになっているパラソル・チョコレートは、私にも懐かしかった。
 また、中年女性(高橋ひとみ)がグループ・サウンズの「タイガース」について語っているのに、若者(鎌苅健太)は阪神タイガースと思い込む。世代間ギャップの笑いである。
 謎の老人(犬塚弘)が言う。「神様と宗教はちがう。神様は宗教を信じてはいない。宗教は人間が作ったのだ」。
 なるほど。

5月7日 邦画39

 今夜は自宅でDVD。
 渡辺邦男監督『明治天皇と日露大戦争』(新東宝、1957年)。
 明治天皇を嵐寛郎が堂々と演じている。天皇が映画の主役になった最初の作品で、空前の大ヒットになりました。2000万人という観客動員数は、『千と千尋の神隠し』に抜かれるまで1位だった由。
 明治天皇は開戦には消極的だったが、ひとたび開戦すると、東郷提督(田崎潤)や乃木将軍(林寛)を全面的に信頼し、将兵の苦労に心を砕く。まさに理想的な名君像である。日露戦争の有名なエピソードが網羅され、端役にも若山富三郎や高島忠夫、天知茂、宇津井健らが登場している。
 戦争美化と国威高揚が目立つが、ロシア軍とロシア人を矮小化していないのは救いか(それも、日本側の余裕を表現するためだろうが)。
 「〜するがよい」が明治天皇の口癖。
 公開は4月29日(天皇誕生日)だったとか。
 京都みなみ会館で、園子温監督『愛のむきだし』(2009年)。4時間近い長編です。
 ユウ(西島隆弘)は、敬虔なカトリックの家庭に生まれ育った。早くに母を亡くしたこともあって、ユウはマリアに憧憬している。母の亡きあと、父(渡部篤郎)は神父になった。
 その父にカオリ(渡部真起子)という尻軽女が接近し、二人は関係をもつ。ところが、神父の父が結婚できないため、ほどなくカオリは去っていく。それ以来、父の人格は豹変し、毎日ユウに懺悔を迫った。懺悔のための罪を求めて、ユウは盗撮に走る。彼の盗撮は神業である。
 ある日、ユウは悪友たちとの賭けに敗れたため、女装して町に出る羽目に。そこで不良たち絡まれている女子高生ヨーコ(満島ひかり)を助ける。彼女のパンチラ姿に、ユウは生まれて初めて勃起する。一方、父に虐待され男嫌いになっていたユウも、「サソリ」と名乗る女装のユウに一目惚れする。
 やがて、父のもとにカオリが帰ってくる。なんとヨーコはカオリの連れ子だった。四人は家族になるが、ヨーコはユウが憧れの「サソリ」だと気づいていない。そこに、コイケ(安藤サクラ)という転校生が接近してくる。実は、彼女はゼロ教会という新興宗教の大幹部で、ユウの一家を洗脳しようとしていたのだ。コイケは自分こそが「サソリ」だとヨーコに信じさせ、盗撮の秘密をばらしてユウを追い詰めて上、彼の父とカオリまでも洗脳してしまう。コイケも子供時代に父に虐待された不幸な過去をもっている。
 愛するヨーコを救い出すため、ユウの必死の戦いが始まった。
 前半はコメディ調だが、後半はカルト集団との熾烈な戦いになり、オカルト調ですらある。
 ユウ、ヨーコ、コイケは三人とも父親との屈折した関係をもっており、若い三人の役者がいずれも力演している。安藤サクラは奥田瑛二の息女とか。
 新約聖書のコリント13章の愛、そして罪がテーマになっています。
 カトリックの権威主義も揶揄されている。名前からして監督もクリスチャンでしょうか。
 盗撮マニアが家族をカルト集団から救ったという実話をもとにしているそうです。
 ベルリン映画祭などでもいくつかの賞を受けており、なかなか考えさせる作品です。
 しかし、四時間は長い。

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