Koji Murataの映画メモ

映画に関するコメントのみお受けします。

邦画 2010年

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 続いて、藤原惟繕監督『執炎』(日活、1964年)。
 戦前の兵庫県餘部鉄橋近く。漁師の網元の跡取り・拓治(伊丹十三)は、山間の平家落ち武者集落の娘・きよの(朝丘ルリ子)と恋に落ち、結婚する。二人は強く愛し合うが、やがて太平洋戦争が開戦し、拓治に召集令状が。
 拓治は戦地で足を負傷し、戻ってくる。きよのは甲斐甲斐しく介抱し、ついに拓治は歩けるようになった。二人は集落を離れて、山の中で自分たちだけの生活を営む。
 だが、拓治に二度目の召集令状が。そして、今回は戦死。きよのは正気を失うが、終戦直後に入水自殺を遂げる。
 愛の恐ろしい執念の物語。
 他に松尾嘉代や芦川いづみら。宇野重吉が役場の戸籍係で、彼が赤紙や戦死通知を運ぶため、死神のように忌み嫌われている。
 餘部鉄橋の風景が切ない。
 しかし、拓治の戦死後、妻の自殺は冒頭からわかっているので、最後の30分が間延びする。これで2時間は長い。
 重苦しいナレーションは、鈴木瑞穂。

 駅前シネマで続けて2本。
 野村芳太郎監督『モダン道中 その恋待ったなし』(松竹、1958年)。脚本は野村と山田洋次。
 銀行員の松夫(佐田啓二)はテレビの懸賞で3万円を獲得、東北・北海道周遊チケットを買って旅に出た。社内で出合った自動車整備工の竹彦(高橋貞二)と旅することに。二人あわせて松竹である。
 この二人に、スリの梅吉(桂小金治)と老刑事(坂本武)が絡み、竹彦は弘前で出合った鈴子(桑野みゆき)と恋に落ち、松夫は旅先でしばしば一緒になる美人姉妹の姉(岡田茉莉子)と結ばれる。
 岡田のナレーションつきで、「ここまではロケ、ここからはセット」といった、お笑いの連続。
 福島からはじまって松島や十和田湖、札幌などの名所風景も満喫できます。
 因みに、松夫の月給は1万8000円。

 京都駅前シネマに。今日から鉄道映画特集です。
 森谷司郎監督『首』(東宝、1968年)。脚本は橋本忍、原作は弁護士の正木ひろし。
 昭和19年。栃木県の炭鉱町で、奥村という作業員が賭博の容疑で逮捕され、警察で死亡した。警察は脳溢血だと言張ったが、炭鉱の経営者・滝田(南風洋子)らは拷問によるものだと考え、東京の弁護士・正木(小林桂樹)に助けを求めた。
 正木が調査に乗り出すと、担当の田代検事(神山繁)は対抗心を剥き出しにし、いい加減な検死解剖で脳溢血と断定してしまう。正木は法医学の大家と相談し、死体が腐る前に、首だけを東大の法医学教室に持ち込もうとする。
 遺体から首を切除するとことや、それを持ち運んでいるところを発見されれば、正木が逮捕されてしまう。正木は汽車で首を運んで、事件が殺人だったことを証明するのだった。
 実際にあった「首なし事件」です。
 「早くしないと死骸が腐ってしまう」と、正木は煩悶します。
 白黒映像が効果的。
 墓を掘り起こして、首を切除するシーンは、その音が不気味です。
 他に、清水将夫や下川辰平、大滝秀治、佐々木孝丸ら。
 田代検事や大滝演じる解剖担当の医師の冷酷な面構え。
 検察や警察の腐敗という点で、タイムリーなテーマです。正木は「戦争のせいだ」と考えますが、そうではなかったわけです。
 主演の小林が熱演。最近、鬼籍に入られましたが、息の長い、いい俳優さんでした。

 まきさん、たくさんコメントありがとうございます。私はテレビのSPは観ていません。
 どなたかが『丹下左膳 百万両の壷』の話をされていましたが、大河内伝次郎主演のものですね。もちろん、これは観ています。
 それから、映画のタイトルは「ワーナー・ブラザーズ」ではなく、"The Brothers Warner"です。日本で入手できるかどうか、わかりません。私はニューヨークのでDVDを買いました。
 もう一つ、ノーマ・レイは再婚相手と離婚はしません。組合活動にのめり込んで、家庭の危機になりますが、ニューヨークから来た活動家とは、プラトニック・ラブで終わります。

 さて、自宅でビデオ。
 吉村公三郎監督『嫉妬』(松竹、1949年)。
 化学会社の重役・芳沢(佐分利信)は会社では綺麗事を並べるが、家庭では妻の敏子(高峰三枝子)を奴隷扱いする暴君だ。その上、外では愛人(幾野道子)を囲っている。それでも、妹や弟が金の世話になっていることもあって、敏子は耐え忍んでいた。
 敏子は病身の弟を見舞った折に、弟の先輩で新聞記者の塚崎(宇佐美淳)と出会う。芳沢は妻と塚崎の浮気を疑い、尾行する。嫉妬に狂った芳沢は、妻を弟の危篤の病床から連れ戻す。
 弟は死に、敏子はついに離婚を決意する。一方、芳沢の会社には愛人のヒモ(三井弘次)が現われ、芳沢は社員の前で強請られるのだった。
 芳沢は妻から離婚を迫られると、土下座して謝る。傲慢で惨めな男を、佐分利が力演している。
 大柄の佐分利が小柄な三井に殴られるシーンは、いかにも不思議。
 佐分利、高峰、そして吉村と名作『暖流』のトリオです。
 
 

 大阪の東宝試写会へ。
 波多野貴文監督『SP 野望編』(2010年)。10月末公開予定の作品です。
 テレビでヒットしたシリーズの映画化。
 警視庁警備部で要人警備に当たるSPたちの物語。鋭い予知能力をもつ井上(岡田准一)を、上司の尾形(堤真一)は高く評価している。しかし、尾形は東大法学部時代の仲間たちと、国家改造のための「革命」を決意している。その背後には、与党幹事長・伊達(香川照之)の影が。
 そんなある日、深夜に北朝鮮のミサイルの情報が飛び込み、官房長官が官邸に向かう。井上や仲間たち(真木よう子ら)4人が長官を護衛するが、次々にテロリストの襲撃に遭う。
 冒頭から壮絶な追跡劇。スティーブ・マックイーンの『ブリッド』を思い出しました。
 日本映画もハリウッドのようになってきたと思ったら、仕上げの段階でハリウッドの特撮専門家たちの協力があったとか。なるほど。
 岡田と堤の愛憎半ばする対立が軸になっています。岡田はなかなか不敵な面構えを見せてくれます。
 後半の筋書きにはリアリティを欠きますが、その分アクションとしては惹きつけられます。
 さらに続編も用意されているとか。
 首相役に山本圭。懐かしい。かつて佐藤淳彌監督の『新幹線大爆破』などでは、犯人側の青年だったのに、すっかり貫禄です。この人、昔は左翼がよく似合ったのです。
 さらに、元「格さん」の横内正の顔も。


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