Koji Murataの映画メモ

映画に関するコメントのみお受けします。

外国映画 2011年

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 なおさん、ブログ更新してます。
 シネヌーヴォへ。
 ヴィム・ヴェンダース監督・脚本『パレルモ・シューティング』(2009年、ドイツ)。
 著名なカメラマンのフィン(カンピーノ)は最近母を亡くし、自分を見失いつつある。彼は本質より表面を重視し、CGを駆使して作品を大胆に修正していく。
 そんなフィンが人気女優の依頼でイタリアのパレルモに撮影旅行に出かけ、同地に滞在する。そこで、彼は謎の男(デニス・ホッパー)に何度も矢で命を狙われる。これは夢なのか?偶然であった古美術修復専門家の美しいフラヴィア(ジョヴァンナ・メッゾジョルミ)だけがフィンの理解者だ。実は、謎の男は死神だった。
 主人公がフラヴィアを愛し人生の意味を再発見した時、死神は去っていく。
 哲学的なテーマに、視角効果シーンによる美しい映像で迫る作品です。
 本質と表現の二面性は人生の大問題であり、写真、さらには映画という芸術の核心です。
 本作はベルイマンに捧げられていますが、確かに、彼の『第七の封印』を連想させます。
 死神を演じたホッパーは昨年亡くなりました。
 
 

9月22日 外国映画99

 北九州に向かう新幹線でDVDを一本。
 フレッド・ジンネマン監督『山河遥かなり』(アメリカ、1948年)。
 第二次世界大戦後のドイツ。
 多くの孤児たちが施設に集められていく。チェコ人の少年カレル(イファン・ヤンドル)は、ドイツ語で「知らない」しか話さない。父と姉を殺され、母(ヤルミラ・ノヴァトナ)ともアウシュビッツ強制収用所で引き離されたのだ。
 カレルは赤十字の救急車を恐れて脱走する(赤十字はハーケンクロイツ似ている)。少年は偶然に米兵スティーブ(モンゴメリー・クリフト)と出会い、彼の下宿に引き取られる。ステーヴは無言のカレルにジムという名を与え、英語を教える。一方、カレルの母も息子を捜し歩いていた。
 帰国の迫ったスティーブは、ジムをアメリカに引き取ろうとするが手続きが困難で、一時的に施設に預けることにする。そこで、少年と母は運命の再会を果たすのだった。
 子供たちの怯えた表情と荒廃した西ベルリンの風景が印象的です。
 原題は"Search"
 ジンネマンを有名にした作品です。さすがはユダヤ人魂でしょう。

9月19日 外国映画97

 久しぶりに自宅でDVD。
 ウッディ・アレン監督・脚本『カイロの紫のバラ』(1985年、アメリカ)。
 1930年代のニュージャージー。セシリア(ミア・ファロー)は失業中の粗暴な夫(ダニー・アイエロ)を抱えて、ウェイトレスをしながら苦労している。唯一の趣味は映画館に通うことだ。上映中の『カイロの紫のバラ』という映画を何度も観続けていると、登場人物の一人トム(ジェフ・ダニエルス)がスクリーンから抜け出してくる。
 セシリアとトムはデートを楽しむが、事件を聞きつけたトム役の俳優ギル(ダニエルスの二役)もハリウッドから駆けつけてくる。この事件がスキャンダルにならないようにするためだ。
 セシリアはトムとギルの双方から求婚される。セシリアは後者を選び、トムはスクリーンに戻っていく。夫を捨ててたセシリアだが、ギルはもうハリウッドに去っていた。すべてを失ったセシリアは、それでも我を忘れて新作映画『トップハット』に魅入るのだった。
 1時間半ほどのファンタジー。
 かつて映画が庶民にとってどれほどの憧れの的であったかが、よくわかります。
 1930年代にB級俳優で、やがてスクリーンから政界に飛び出したのは、ロナルド・レーガンでした。
 「ニュージャージーなら何でも起こる」という科白がありました。大都市(ニューヨーク)周辺の衛星都市への侮蔑でしょうか。
 岡山からの帰路にDVD。
 フランソワ・デュペイロン監督『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』(2003年、フランス)。
 1960年代のパリの裏町。
 13歳になるユダヤ人の少年モモ(ピエール・ブーランジェ)は幼い時に母に捨てられ、父と二人暮しだ。父は仕事に忙しくモモに無関心で、モモの知らない兄の話ばかりしている。
 モモは近くの雑貨店を営むトルコ人のイブラヒム(オマー・シャリフ)と親しくなり、コーランに興味を抱く。やがて、モモの父が失踪の上自殺した。イブラヒムはモモに笑うことを教え、自分の郷里まで一緒に旅に出るのだった。
 老人の言葉はどれも宗教的で哲学的だ。コーランの教えの優しさが伝わってくる。
 当時のオマー・シャリフは70歳で、なかなかの風格である。
 モモは売春婦と肉体関係をもつ大人びた面と、隣家の少女との恋に失恋する思春期の面影をもっている。
 父がしばしば語った理想的な兄は、実は架空の人物だった。
 少しお説教臭いが、まずは愛すべき佳作でした。
 
 
 新宿武蔵館でスサンネ・ビア監督『未来を生きる君たちへ』(デンマーク・スウェーデン、2010年)。
 昨年度のアカデミー賞とゴールデングローブ賞の最優秀外国作品賞を受賞した作品です。
 クリスチャン少年は母を癌で亡くし、父とともに祖母のいるデンマークに引っ越している。転校先の学校で、エリアスがいじめに会うのを目撃し、クリスチャンは暴力でいじめっ子を撃退する。
 エリアスの両親は別居しており、父アントン(ミカエル・パーシュブラント)は医師としてアフリカで難民の医療に従事している。そこはビッグマンたちの暴力が支配する地域だ。
 デンマークに戻ったアントンは、エリアスやクリスチャンと一緒の折に、労働者から暴力を受ける。アントンは非暴力を貫くが、クリスチャンはエリアスを誘って、件の労働者への復讐を画策するのだった。
 原題は「復讐」という意味だそうです。復讐と暴力の連鎖から脱して、赦しに至る道、二組の親子の和解が描かれています。
 そして、北欧の福祉社会とアフリカ荒涼たる砂漠が、一つにつながります。
 派手さはないが、デンマーク映画の底力を感じさせる作品です。

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