Koji Murataの映画メモ

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外国映画 2011年

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6月28日 外国映画67

 高松へ向かう車中でDVDを一本。
 フリッツ・ラング監督『死刑執行人もまた死す』(1943年、アメリカ)。
 ナチス占領下のチェコで、残酷な副総督ハインリッヒが暗殺された。犯人は外科医のスヴォボダ(ブライアン・ドンレヴィ)で、偶然出合ったマーシャ(アンナ・リー)の家で一夜を明かす。
 ナチスは報復として、チェコの有力者たちを逮捕して人質にし、犯人が見つかるまで順番に殺していくことに。マーシャのちちノヴォトニー教授(ウォルター・ブレナン)も逮捕される。マーシャはスヴォボダに自首を求め、拒否されるとゲシュタポに密告しようとするが、果たせなかった。
 やがて、マーシャはスヴォボダや地下組織と協力して、ゲシュタポの内通者チャカを犯人に仕立て上げる。数多くのチェコ市民が、この陰謀に協力するのだ。そのため、卑劣なチャカはゲシュタポに殺されるが、その頃ノヴォトニー教授も毅然として銃殺されていた。
 普通ならThe End となるところが、Not the Endとなっています。
 冒頭に登場するハインリッヒの残虐非道なこと。ハインリッヒ暗殺事件は、有名な実話です。
 脚本にはブレヒトも加わっています。

 神戸の実家で母とビデオを。
 レオ・マッケリー監督『人生は42から』(アメリカ、1935年)。
 パリ滞在中のイギリスの貴族バーンステッド卿(ローランド・ヤング)はポーカーに負けて、召使のラグルス(チャールズ・ロートン)をアメリカの成金夫妻エグバード(チャールズ・ラグルス)とエフィ(メアリー・ボーランド)に譲り渡す。イギリス人の召使を雇えば箔がつくと、エフィーは思い込んでいる。
 一行はアメリカのレッドギャップという田舎に到着するが、ラグルスは町の者たちにイギリス陸軍の退役大佐と誤解されて人気者に。ラグルスはジャドソン未亡人に出会い、お互いに惹かれあってレストランを開店することに。だが、イギリスからバーンステッド卿がラグルスを引き取りにやって来た。ラグルスは忠誠心と恋、自由の板ばさみになるのだが。
 アメリカ人のイギリス・コンプレックスと、イギリスの身分社会に対するアメリカの自由が背景になっています。町の者が誰も知らないリンカーンのゲティスバーグ演説を、ラグルスは滔々と暗誦してみせます。それでも、エグバード家の召使は黒人と中国人。
 以前『ヘンリー八世の私生活』を観ましたが、ロートンはたいへんな役者です。

 自宅でビデオ。
 ハワード・ホークス監督『特急二十世紀』(1934年、アメリカ)。
 演劇界の大物オスカー・ジャッフェ(ジョン・バリモア)が、リリー・ガーランド(キャロル・ロンバード)という新人女優をスターにした。しかも、彼女に恋してしまった。しかし、3年後に二人は破局を迎える。
 以後、オスカーの興行は当たらず、巨額の借金を抱えるようになる。他方、リリーはハリウッドで成功する。オスカーは借金を逃れて、シカゴから特急二十世紀に乗り込む。そこには、恋人と一緒のリリーも。オスカーはリリーともう一度契約を結び、再起を図ろうと機略を計じるのだった。
 いわゆるスクリューボール・コメディで、テンポが早い。
 ジャッフィもリリーもやたらに芝居ががっている。どこまでが現実で、どこからが芝居やら。
 精神病院から抜け出して来たという大会社の元社長も同乗しており、この人が信仰心に篤く、車内のあちこちに"repent"(悔い改めよ)というステッカーを貼りまくる。

 続いて、アピチャッポン・ラセタクン監督・脚本『ブンミおじさんの森』(タイ他、2010年)。昨年のカンヌ映画祭パルムドール受賞作品です。
 ブンミ(タナパット・サーイセイマー)は人工透析をしながら農園を営んでいるが、死期が迫っていた。ある夜、彼の食卓に19年前に亡くなった妻の霊が現れ、同じく13年前に行方不明になった息子が猿の霊になって戻ってくる。ブンミ自身も前世を夢見るようになる。それは王女であったり、虫であっったり。
 やがて、ブンミは身内の者たちに連れられて森の洞窟に入り、息を引き取る。葬式の夜、遺族たちも不思議な体験をするのだった。
 登場人物はしばしば、カルマを語っています。
 幻想的でミステリアスな作品で、いかにもカンヌ好みといったところでしょうか。
 それほど、面白いとは思いませんでした。
 王女が滝の中でナマズと交わるシーンは、少し驚き。

 京都シネマで続けて2本。
 まず、グザヴィェ・ボーヴォワ監督『神々と男たち』(2010年、フランス)。実話に基づく物語。
 1990年代のアルジェリアでは、治安が悪化しイスラム過激派によるテロが横行していた。
 小さな村に、カトリックの修道院があり、クリスチャン(ランベール・ウィルソン)をリーダーに、フランス人の修道士たちが静かに生活していた。医師のリュック(マイケル・ロンズデール)は村の病人たちの治療に当たっていた。
 しかし、クリスマスの夜に、この修道院にもテロリストがやって来る。警察は帰国を勧告するが、村人たちは慰留する。採決の末、修道士たちは留めると決めた。だが、その直後にテロリストによる襲撃が再びあり、修道士たちは一人を残して誘拐、殺害されるのだった。
 「あなたたちは神々です。しかし、人間として死ぬでしょう」という詩篇が引用されています。
 ラストの「白鳥の湖」も印象的。
 修道士役の俳優たちが立派に聖歌を歌うのにも、驚きました。
 マイケル・ロンズデールといえば、『ジャッカルの日』、そして『007ムーンレイカー』。懐かしい役者さんです。


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