Koji Murataの映画メモ

映画に関するコメントのみお受けします。

外国映画 2011年

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 自宅でビデオをもう一本。
 マックス・オフュルス監督『輪舞』(フランス、1950年)。
 19世紀末のウィーンを舞台に、狂言回しのもとで様々な恋愛が輪舞する。
 まず、娼婦(シモーヌ・シニョレ)が兵士に惚れる。その兵士は小間使いに惚れる。その小間使いは若旦那に惚れる。その若旦那は人妻に惚れる。人妻の夫は尻軽女と浮気する。だが、その娘は詩人(ジャン=ルイ・バロー)に惚れる。その詩人は女優に惚れている。ところが、その女優は若い伯爵(ジェラール・フィリップ)と一夜を共にする。その伯爵は泥酔して、冒頭の娼婦を買う。夜が明けて、伯爵が娼館を去る頃、兵士が訪ねてくるのだった。
 1964年にリメークされていますが、本作は白黒です。
 やっぱり、ジェラール・フィリップはかっこいいですね。
 レストランでマネージャーが若い給仕に言う。「女性客の目を見てはいかん。男性客の手を見てはいかん」。

 下関に向かう新幹線の中でDVDを。
 テオ・アンゲロプロス監督『永遠と一日』(1998年、ギリシア)。
 詩人のアレクサンドレ(ブルーノ・ガンツ)は重い病で、明日入院すれば生きて戻れないことを知っている。そうとは告げず、娘夫婦を訪ねると、亡妻アンナ(イザベル・ルノー)との思い出の海辺の旧宅を売ったという。
 アレクサンドロは妻の思い出の旅に出るが、そこでアルバニア難民の少年と出会う。アレクサンドロは少年を救い、アルバニア国境に向けて二人で旅をする。そこに、過去の様々な思い出が蘇ってくる。
 この監督らしく、現在と過去が見事に交差します。
 詩人は言葉を操りながら、本当の自分の言葉を失い苦悩しています。
 主人公が亡妻に明日の長さを問うと、アンナは「永遠と一日よ」と答える。実際には一日だが記憶と想像力があれば永遠になります。
 美しい映像で、総じてもの静かな作品です。新幹線の中で観賞したことが悔やまれます。
 因みに、少年役は実際のアルバニア難民だったそうです。
 ヨーロッパ情勢の複雑さも感じさせます。

 京都シネマへ。
 ジャン=リュック・ゴダール家督『ゴダール・ソシアリスム』(2010年、スイス、フランス合作)。
 ゴダールの最新作です。以前、どなたかご覧になったとコメントがありましたね。
 三部構成になっており、第一部「こんな事ども」は豪華客船が舞台で、フランス語やドイツ語、英語、ロシア語などが飛び交う。ファシズムの歴史が語られています。第二部「どこへ行く、ヨーロッパ」はフランスの片田舎の4人家族が主人公。第三部「われら人類は」は人類史の重要な場所を歴訪していきます。
 音声が中断されたり、様々な映像を取り入れたりと、例によって実験的で、これまた例によって全編に警句や名言が散りばめられています。
 「携帯の目的は不在を告げることだ」
 「民主主義と悲劇がアテネ(古代ギリシア)で結婚した。その子供は内戦である」
 「自由の代償は大きい。臆病、売春、裏切りなどである」
 ヨーロッパの行方やファシズムの過去、民主主義の将来などがテーマなのかもしれませんが、最後に出てくる字幕が「ノー・コメント」ですから、浅学な者がありきたりのコメントをしても仕方がないのでしょうね。

 ムーヴィックス京都へ。
 ダーレン・アロノフスキー監督『ブラック・スワン』(アメリカ、2010年)。
 『レオン』で子役だったナタリー・ポートマンがアカデミー主演女優賞を受賞した作品。
 ニナ(ポートマン)は美しく才能あるバレリーナだ。著名な演出家のトマ(ヴァンサン・カッセル)に次回の「白鳥の湖」の主役に抜擢された。しかし、彼女は繊細に白鳥を演じられるが、大胆に黒鳥を演じきれない。大役へのプレッシャー、元バレリーナだった母のプレッシャーなどで、自己抑圧的になっているのだ。また、ニナに主役を奪われたベスは、自ら交通事故を惹き起こす。
 その頃、ニナに奔放なリリー(ミラ・クニス)が接近してくる。ニナはトマの厳しい指導と性的誘惑と戦いながら、母の過保護に反発し、リリーと時を過ごすが、徐々に幻想に捕らわれていく。彼女は神経質になると自ら背中をかきむしる自傷癖もあった。
 やがて、ニナはリリーが自分の大役を狙っていると思うようになる。
 いよいよ「白鳥の湖」の開演の日がやって来た。
 白鳥が自分を解き放ち黒鳥になり、悲劇の最期を迎える。
 主人公の過敏な神経を観客に伝えるため、過度に音声や映像で脅かそうとしているため、心理劇、ヒューマン・ドラマというより、オカルト的になってしまっています。
 み終わって、不快感が残りました。私は評価しません。
 しかし、ポートマンのマスターベーション・シーンとクニスとのレズビアン・シーンには、驚きました。

 自宅でビデオ。
 レオス・カラックス監督の長編処女作『ボーイ・ミーツ・ガール』(1984年、フランス)。白黒作品です。
 アレックス(ドニ・ラヴァン)は恋人のフローレンスを親友に奪われたばかり。夜のパリを彷徨するアレックスは、偶然に美しいミレーユ(ミレーユ・ベリ)という女性も恋人と別れたばかりだと知る。そこで、アレックスはミレーユの参加しているパーティーに潜り込む。そこで、二人はとりとめもなく語り合う。
 その夜遅く、アレックスはミレーユに何度も電話するが、応答がない。アレックスはミレーユのアパートに駆けつけ、風呂場で座り込んでいる彼女を抱きしめる。しかし、彼女はハサミを握りしめており、彼の抱擁のために絶命してしまうのだった。
 全編にリリックな会話が続きます。
 カラックスの作品では、セーヌ川の橋と地下鉄が魅力的です。


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