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京都みなみ会館へ。
エミール・クストリッツア監督・脚本『アンダーグラウンド』(フランス、ドイツ、ハンガリー、1995年)。
カンヌ国際映画祭のパルムドール受賞作品です。
1941年のユーゴスラヴィア。ナチスによる空爆が始まり、マルコ(ミキ・マノイロヴィチ)とクロ(ラザル・リストヴスキ)らパルチザンは地下室に隠れ住む。クロの子供は地下室で生まれた。マルコの弟イヴァンも猿を連れて逃げ込んだ。
クロは愛人の女優ナタリア(ミリャナ・ヨコヴィッチ)をナチの将校から奪い返そうとして、逆に捕らえられ重傷を負った。何とか、、クロはマルコとナタリアによって救出され、地下室に連れ戻された。
実は、マルコもナタリアを愛していた。そこで、彼は戦争終結後もクロたちを騙して地下室に匿い、武器を製造させて儲けていた。地上では、クロは戦死した英雄になっており、今や共産党の実力者であるマルコの肝煎りで映画化が進行していた。
地下室で育った息子の結婚式の夜に、クロは息子を連れて地上に脱出し、映画の撮影現場を現実と誤解して、ドイツ軍と戦う。だが、息子は行方不明になってしまった。マルコとナタリアも姿をくらます。イヴァンも逃げた猿を探して行方不明に。
1980年にチトーが亡くなり、1992年にユーゴスラビアは内戦に突入していた。イヴァンはドイツの精神病院から脱出して、地下道経由でユーゴの戦場に。そこでは、クロがセルビア郡の指揮官に、マルコ夫婦は武器商人になっていた。兄の裏切りを知ったイヴァンは、マルコを殴り殺すのだった。
3時間の長編ながら、惹きつけられます。
記録映像が巧みに用いられており、チトーやブレジネフ、ワルトハイム、シュミット、サッチャー、華国鋒らが登場する。
祖国とは何かという深刻なテーマをユーゴスラビアの歴史を通じて問いかけ、地下の世界がタイムマシーンの役割を果たしています。最後は兄弟殺しです。しかし、これが壮大な美術と軽妙な音楽に助けられて、見事な喜劇に仕上がっています。
「今ではなくなった国が昔あった」、「この物語に終わりはない」。
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