Koji Murataの映画メモ

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外国映画 2011年

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 京都みなみ会館へ。
 エミール・クストリッツア監督・脚本『アンダーグラウンド』(フランス、ドイツ、ハンガリー、1995年)。
 カンヌ国際映画祭のパルムドール受賞作品です。
 1941年のユーゴスラヴィア。ナチスによる空爆が始まり、マルコ(ミキ・マノイロヴィチ)とクロ(ラザル・リストヴスキ)らパルチザンは地下室に隠れ住む。クロの子供は地下室で生まれた。マルコの弟イヴァンも猿を連れて逃げ込んだ。
 クロは愛人の女優ナタリア(ミリャナ・ヨコヴィッチ)をナチの将校から奪い返そうとして、逆に捕らえられ重傷を負った。何とか、、クロはマルコとナタリアによって救出され、地下室に連れ戻された。
 実は、マルコもナタリアを愛していた。そこで、彼は戦争終結後もクロたちを騙して地下室に匿い、武器を製造させて儲けていた。地上では、クロは戦死した英雄になっており、今や共産党の実力者であるマルコの肝煎りで映画化が進行していた。
 地下室で育った息子の結婚式の夜に、クロは息子を連れて地上に脱出し、映画の撮影現場を現実と誤解して、ドイツ軍と戦う。だが、息子は行方不明になってしまった。マルコとナタリアも姿をくらます。イヴァンも逃げた猿を探して行方不明に。
 1980年にチトーが亡くなり、1992年にユーゴスラビアは内戦に突入していた。イヴァンはドイツの精神病院から脱出して、地下道経由でユーゴの戦場に。そこでは、クロがセルビア郡の指揮官に、マルコ夫婦は武器商人になっていた。兄の裏切りを知ったイヴァンは、マルコを殴り殺すのだった。
 3時間の長編ながら、惹きつけられます。
 記録映像が巧みに用いられており、チトーやブレジネフ、ワルトハイム、シュミット、サッチャー、華国鋒らが登場する。
 祖国とは何かという深刻なテーマをユーゴスラビアの歴史を通じて問いかけ、地下の世界がタイムマシーンの役割を果たしています。最後は兄弟殺しです。しかし、これが壮大な美術と軽妙な音楽に助けられて、見事な喜劇に仕上がっています。
 「今ではなくなった国が昔あった」、「この物語に終わりはない」。
 東京へ向かう新幹線でDVDを。
 マイケル・ウォドレー監督『ウッドストック――阿井と平和と音楽の三日間』(1970年、アメリカ)。ディレクターズ・カットとのことで4時間近くあり、数日にわたり分割しながら観賞しました。マーティン・スコセッシが助監督で、編集に当たっています。
 1969年夏にニューヨークで行なわれたウッドストック音楽祭のドキュメンタリーで、ロックやフォークと50万人が集まった会場の様子が、交互に登場する。ヌードとドラッグ、フリーセックス、はてには出産と賑やかな会場だが、意外と暴力沙汰などは少なく、近隣住民からも「いい若者たちだ」との声も。
 雨でコンサートは何度も中断されたようです。
 いわゆるカウンター・カルチャーの集大成です。
 同志社の136年目の創立記念日。
 京都シネマへ。
 ロベール・ブレッソン監督『スリ』(1959年、フランス)。
 作家志望のミッシェル(マルタン・ラサール)は、怠惰な生活を続け、スリに刺激を求める。競馬場で逮捕されたが、証拠不十分で釈放された。彼はプロのスリたちと出会い、技を習得する。この間、病気の母が亡くなる。刑事が執拗に彼を狙っている。
 やがて、ミッシェルは恋人(マリカ・グリーン)を捨てて、2年も放浪の旅に。一文無しでパリに戻ると、恋人は親友の子供を産みながら、男に捨てられていた。ミッシェルは堅気になって親子を扶養しようとするが、競馬場でスリの現行犯逮捕されてしまう。
 拘置所の柵越しに恋人と面会し、ミッシェルは自分が彼女を愛していることをようやく実感するのだった。
 白黒で簡素な描写が力強く、想像力を刺激する。
 スリの技はすごいものです!
 久しぶりに京都シネマに。
 ジョン・キャメロン・ミッチェル監督『ラビットホール』(2010年、アメリカ)。
 ベッカ(ニコール・キットマン)は8ヶ月前に一人息子を交通事故で亡くし、心を整理できずにいる。そのため、夫ハウイー(アーロン・エッカート)ともうまくいかなくなっている。ベッカの母も長男を麻薬中毒で亡くした経験があり、娘を慰めようとするが、ベッカは聞く耳をもたない。ベッカの妹の妊娠が、わずかに明るい話題だ。
 やがて、ベッカは息子を死なせた青年と偶然出会い、彼と語り合うようになる。青年はパラレル・ワールドの漫画を描いている。その入り口が「ラビットホール」だ。この逆境とは異なる環境に、もう一人の自分が生きているかもしれない。ベッカはそう思い出すのだった。
 キットマンは力演、エッカートもいい味を出していると思います。
 それにしても、モチーフの陳腐さからは脱しきれない、「ラビットホール」の見出せない作品でした。
 自宅でDVD。
 マイケル・ムーア監督『ボウリング・フォー・コロンバイン』(2002年、アメリカ)。
 1999年4月20日、アメリカがコソボを大規模空爆した日、コロンバインの高校で銃の乱射事件が発生し、多くの者が亡くなった。さらに、小学校6年生の児童が同級生を撃ち殺す事件も。
 ムーア監督は、アメリカの銃犯罪の原因を突き止めようとする。銃による殺人は日本で年間39件に対しアメリカでは1万1000件以上。カナダも銃が多いが、殺人事件は少ない。
 乱射事件の犯人たちに影響を与えたとされるロック歌手マリリン・マンソンや全米ライフル協会会長のチャールトン・へストンにもインタビューしている。また、被害者の青年二人を連れてKマート本社に乗り込み、弾丸の販売中止決定を勝ち取っている。
 過剰な恐怖と不安が銃による犯罪の多発を生んでいるのではないか、と示唆されています。
 犯行前に二人の高校生はボウリングを楽しんでいたとか。これがタイトルの由来です。
 恣意的な編集が問題にされた作品でもありました。
 大スター・へストンが痛々しい。

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