Koji Murataの映画メモ

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外国映画 2011年

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東京に向かう新幹線で、アベル・ガンス監督『ナポレオン』(1927年、フランス)。3時間を越えるサイレントの長編で、のちにフランシス・コッポラが復元したもの。
 ナポレオンの少年時代からイタリア遠征までを、トリプル・エクラン(三面スクリーン)を用いて、壮大なスケールで描いています。ナポレオン(アルベール・デュードネ)の鷹のような目が印象的。革命家サン・ジュストにはガンス監督が扮しています。
 ナショナリズムが産んだ英雄ナポレオンが、そのナショナリズムを乗り越えてヨーロッパの統一を夢見ています。そこに彼の活力と矛盾、限界があるのでしょう。
 ムーヴィックス三条へ。
 ルパート・ワイアット監督『猿の惑星: 創世記』(2011年、アメリカ)。
 科学者のウィル(ジェームズ・フランコ)はアルツハイマー病の治療薬を開発中で、チンパンジーを実験に使っていた。ウィルの父(ジョン・リスゴー)もアルツハイマーを患っている。実験用チンパンジーの産んだ小猿シーザーを持ち帰って養育すると、異常な知的成長を遂げた。
 やがて、大きくなったシーザー(アンディ・サーキス)は隣家とのトラブルで、猿の保護施設に隔離されてしまう。そこでは猿たちが虐待されており、シーザーはリーダーになって猿たちを団結させ施設を脱出し、さらに、ウィルの勤務していた製薬会社の研究所を襲うのだった。
 原作の猿は日本人の比喩でした。そして、1968年に『猿の惑星』が最初に映画化された頃、日本は世界第二の経済大国になりました。とすれば、このリメイクの猿たちは中国人の比喩と考えることも出来るでしょう。
 ウィルが白人で彼の上司が黒人だというのも、人間と猿との地位の逆転を示唆しています。実際、1968年当時のアメリカは公民権運動の真っ只中でした。
 
 神戸の自宅で母とビデオ。
 ウェイン・ワン監督『ジョイ・ラック・クラブ』(1989年、アメリカ)。
 サンフランシスコ。中国からアメリカに渡ってきた4人の初老の婦人たち。喜びと幸福のために、彼女たちが麻雀の卓を囲む。ジョイ・ラック・クラブである。彼女たちはみなそれぞれに、中国で過酷な経験をしていた。いずれにも娘がいるが、娘たちはアメリカ生まれで母たちの苦労を知らない。
 四人の婦人の一人(キュウ・チン)が亡くなり、その娘ジュン(ミンナ・ウェン)は母が中国に残してきた双子の姉たちに会いに、中国に出かけることに。
 四人の母子の物語が、それぞれ母と娘の視点から描かれています。
 原作者も監督も女性で、ジュンの父以外の男性は、ほとんどろくでなしという感じ。
 ラストで、双子の姉に会ったジュンが中国語を初めて話すのが印象的。
 「アヒルがダチョウになりたくて首を伸ばすと、白鳥になった」―-母から娘に託された希望です。
 自宅でビデオ。
 エリッヒ・フォン・シュトロハイム監督『グリード』(1924年、アメリカ)。
 鉱山で働くマック(ギブソン・ゴーランド)は母の勧めで歯科医になり、サンフランシスコで開業した。そこで友人マーカス(ジーン・ハーショルト)の恋人トリーナ(ザス・ピッツ)を治療して恋に落ちる。
 マックとトリーナは結婚するが、5000ドルの宝くじが当たったことから、妻は守銭奴になっていく。マックはマーカスの讒言で職を失い、酒に溺れて、ついには吝嗇な妻を殺してしまう。
 罪を恐れたマックは死の谷に逃げ込む。マーカスがそれを追う。しかし、二人とも砂漠で息絶えるのだった。
 暗い暗い、救いのない作品。
 原題は貪欲という意味です。
 金と小鳥。マックが飼っていたつがいの小鳥が、彼ら夫婦の運命を象徴しています。
 砂漠では、金貨よりも一滴の水のほうが貴重なのでした。
 因みに、監督のシュトロハイムは怪優としても有名ですが、貴族を表すフォンは自分で付け加えたそうです。
 皆さん、いつも色々なコメントをありがとうございます。
 さて、ソウルから帰路にもう一本。
 フィル・アルデン・ロビンソン監督『フィールド・オブ・ドリームズ』(1989年、アメリカ)。
 レイ・キンセラ(ケヴィン・コスナー)は、アイオワで家族と農業を営んでいる。ある日、「それを作れば彼がやって来る」という謎の声に駆られて、トウモロコシ畑に野球場を作る。そこに、伝説の選手「シューレス・ジョー」が現れる。
 さらに、レイは謎の声に駆られて、1960年代の反体制派の作家テレンス・マン(ジェームズ・アール・ジョーンズ)を探しに、ボストンまで出かける。やがて、レイとテレンスはムーンライト・グラハム(バート・ランカスター)という野球選手を求めて、さらに旅に出るのだった。
 アメリカ史の激動の中で、野球だけは変わらなかったと、テレンスは言う。
 この作家のモデルはサリンジャーだそうです。
 野球を題材に、まさにアメリカン・ドリームを描いたファンタジー。
 名優ランカスターの映画としては遺作に当たるそうです。

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