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三条のムーヴィックス京都に。
山下敦弘監督『マイ・バック・ページ』(2011年)。原作は川本三郎。
1969-72年にかけての、川本の実体験に基づく物語。
沢田(妻夫木聡)は東大卒の入社すぐの新聞記者で、週刊誌のために身分を隠して貧民街に潜入取材していた。やがて、より硬派の雑誌に配属され、先輩記者と一緒に自称「赤邦軍」の梅山(松山ケンイチ)を取材する。
実は「赤邦軍」など実態はないのだが、梅山こと片桐はメディアに取り上げられれば、一端の革命家になれると思っている。沢田もスクープをものにしたいと焦っていた。沢田と片桐の間に、奇妙な連帯感が生まれる。
ついに、片桐率いる数名の過激派は、自衛隊基地を襲い、自衛官一人を殺してしまう。片桐は思想犯か、それとも単なる殺人犯か?沢田は前者と信じ、取材源の秘匿を貫くのだが。
妻夫木も松山も力演。
当時のサブカルチャーもよく描けています。沢田は映画館で『洲崎パラダイス 赤信号』などを観ています。
また、新聞社(モデルはもちろん『朝日新聞』)社内の組織力学も、判りやすくなっています。
ラストがいいですね。沢田は意外な人物に再会して泣くのです。その再会で、彼は自分が片桐と同類だったと気づくのですね。
沢田と淡い恋愛関係にあった女子高生のモデルが言っていました。「私はしっかり泣ける男の人が好き」。『真夜中のカーボーイ』のダスティン・ホフマンのように。泣くことで、沢田は人間性を回復するのでした。
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