Koji Murataの映画メモ

映画に関するコメントのみお受けします。

邦画 2011年

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 金沢の映画館で、深川栄洋監督『白夜行』(2011年、ホリプロ)。原作は東野圭吾。
 昭和55年。東京の下町で質屋の主人が殺された。警察は二人の男女を容疑者とみなすが、男は事故死、女は自殺した。
 数年後、自殺した容疑者の娘・雪穂(堀北真)は親戚の養女となり、有名女子高から大学へと進んだ。さらには、資産家の息子と結婚する。一方、被害者の質屋の息子・亮司(高良健吾)は実家を去って行方知れずに。
 だが、かつての質屋の店員が殺され、雪穂の周囲にも事件がつきまとう。質屋殺人事件を追ってきた笹垣刑事(船越英一郎)も、毒殺されかかる。やがて、笹垣は定年退職するが、事件の恐るべき真相をつかむのだった。
 細部に無理がないではないが、非常に周到に組み立てられたプロットです。
 若い堀北と高良もいいし、船越が意外な好演(失礼ながら、あまりうまい役者だと思ったことはありませんでした)。
 雪穂の人生が、太陽のない「白夜行」というタイトルのいわれ。
 「風とともに去りぬ」や切り絵、無線が巧みに用いられています。
 他に、戸田恵子ら。宮川一朗太も懐かしい。
 松本清張作品を連想しました。
 1980−98年という時代背景の作品です。

 帰りの新幹線でDVD。
 深作欣二監督『復活の日』(1980年、東宝)。製作は角川春樹、原作は小松左京。
 1982年に米軍が密かに開発していた細菌兵器MM-88が流出して、世界中で人命を奪う。
 生き残ったのは、南極調査隊の男性855人と女性8人、それにイギリスの原子力潜水艦の乗員だけである。彼らはアメリカのコンウェイ提督(ジョージ・ケネディ)を中心に生存を図る。
 ところが、昭和基地の地震学者・吉住博士(草刈正雄)が、アメリカ東海岸での大規模な地震を予測した。この衝撃で米軍の自動攻撃装置が作動すれば、ソ連が核攻撃され、ソ連の自動反撃装置も作動する。そうなると、南極も標的の一つになってしまう。
 米軍のカーター少佐と吉住は、潜水艦でワシントンに向かい、自動攻撃装置を解除しようとするが、間に合わなかった。細菌兵器と核兵器で、世界は二度の死を経験する。
 生き残った吉住は、南極の仲間を捜して長い長いたびに出るのだった。
 他に、オリビア・ハッセイ、米大統領にグレン・フォード、上院議員にロバート・ボーン、潜水艦の艦長にチャック・コナーズら。
 大統領が上院議員のことをopponentだったがenemyではなかったと言っているのが、印象的。
 日本側は、渡瀬恒彦や千葉真一、多岐川裕美、緒方拳ら。
 ヘンリー・シルヴァ演じる将軍は、『博士の異常な愛情』を連想させるし、全体として『渚にて』に通じる。
 ほどなくエイズが社会問題になった頃ですが、原作は1964年とか。
 草刈の英語は大したものです。今はどうしているのでしょうか?
 カーター少佐は「人生はいいものだ」と言い残して死に、吉住は「ライフ・イズ・ワンダフル」と言う。

 久しぶりに神保町シアターに。
 吉村公三郎監督『眠れる美女』(1968年、松竹)。
 原作は川端康成。脚本は新藤兼人。
 江口老人(田村高広)は高名な作家で、老人仲間(殿山泰司と北沢彪)に紹介されて、不思議な夜の店に赴く。店の女(初井言栄)の案内で、眠ったままの若い美女と一夜を過ごすのだ。相手は眠ったままだし、老人は男としては役立たずになっている。それでも、一種の回春剤になった。
 眠れる美女を横にしながら、江口は自分の女性遍歴を回想する。
 江口の娘・美子(香山美子)は、同僚の二人の男性と交際していたが、一方の樋口(大出俊)に処女を奪われた。美子はもう一方の純朴な吉田との結婚を決意する。
 江口の老人仲間は、相次いで件の店で亡くなった。
 娘を嫁がせ、仲間を失った江口は、過去を思い、眠れる美女たちを想像するのだった。
 「梅の花 桃の花 人の世の わが見し夢ぞ 哀しけれ」
 田村が巧みに老人を演じています。
 他に、山岡久乃や松岡きっこら。
 初井の無表情な役柄が印象的です。
 江口は娘が処女を失ったことを吉田に申しわけなく思うのに、娘がレイプされたことには、さほど動揺していません。不思議なものです。
 江口は67歳という設定ですが、今の67歳の方々ははるかに元気ですね。
 ドイツ版も数年前につくられたとか。

 初めて神戸映画資料館に出かけました。
 夕方5時の上映回で、観客は私だけ。なにか贅沢な気分でした。いい施設です。
 すずきじゅんいち企画・監督・脚本『442 日系部隊 アメリカ史上最強の陸軍』(日米、2010年)。
 第二次世界大戦で活躍した米陸軍442連隊の日系アメリカ人のドキュメンタリー。
 アメリカ人でありながら強制収容所に入れられた者たちや、ハワイ防衛から外された日系人たち。彼らが祖国への忠誠を示し、人種差別を克服するために、イタリア、フランスの激戦地で、勇敢に戦う。
 彼らはダッハウでユダヤ人強制収容所を解放している。彼らがアメリカで強制収用所に入れられていたのだから、歴史の皮肉である。
 いまや、彼らも80代、90代である。寡黙な彼らは、家族にも戦争の話をそれほどしていなかったという。
 自分は英雄ではない、自分が勲章をつけるのは、戻れなかった戦友のためだ、と一人は言う。
 彼らの多くが、戦後も戦場の悪夢に苦しんだとか。
 日本人の血を引く、本当に立派な人々がいたことに、感動します。
 また、アメリカは日系アメリカ人を強制収用所に入れたことを違憲と認め、公式に謝罪しています。過去の過ちを認められる点は、アメリカの立派なところであり、自国の過去をすべて美化するのが愛国心ではありません。
 ダニエル・イノウエも堂々たるもの。残念ながら、今の日本にこんな政治家はいませんね。

 三条ムーヴィックスで、十河壮吉監督『わが心の歌舞伎座』(松竹、2010年)。
 昨年4月に閉場した東京の歌舞伎座(昭和26年開館)をめぐるドキュメンタリー。
 中村芝翫から尾上菊五郎まで、大幹部たちが歌舞伎座の思い出を語る。猿之助や雀右衛門、歌右衛門らの懐かしい映像も。
 大道具や小道具など裏方の重要性もよくわかる。
 歌舞伎ファンなら見逃せない作品です。
 役者さんの個性も、実に様々です。
 しかし、彼らの登場の順番や配置は、年齢や家格など色々な要素を考慮しなければならないのでしょう。
 富十郎さんが最近亡くなりましたし、勘三郎さんも芝翫さんも休演です。残念なことです。
 雀右衛門さんにも、もう何年もお目にかかっていませんが、もう舞台を拝見することはむずかしいかもしれません。
 来週、大阪の松竹座に仁左衛門さんを観にいくのですが、一層楽しみになりました。
 3時間の長編。ナレーションは賠償千恵子です。


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