Koji Murataの映画メモ

映画に関するコメントのみお受けします。

邦画 2011年

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 次いで、園子温監督『冷たい熱帯魚』(2010年、日活)。
 社本(吹越満)は熱帯魚店を経営している。娘の美津子(梶原ひかり)は若い後妻の妙子(神楽坂恵)に反発し、素行が悪い。ある夜、その美津子がスーパーで万引きをして、両親が呼び出された。仲介に入ったのが、村田(でんでん)という男で、大型の熱帯魚店を美人の妻・愛子(黒沢あすか)と経営している。口八丁手八丁の男で、美津子を自分の店に住み込みで預かろうという。
 やがて、村田は社本をビジネス・パートナー扱いしだすが、実は彼は平気で殺人を重ね、妻と死体をばらばらにして遺棄する、恐るべき人物だった。社本は村田夫妻による死体遺棄を手伝わされ、利用されつくすのだが。
 脇役がもっぱらのでんでん、会心の怪演。韓国映画『チェイサー』の犯人や『復讐するは我にあり』の緒方拳を彷彿とさせました。
 主人公の社本は、村田による流血と殺人を通じて、男と父性を回復する。
 ラストは実に凄惨です。
 黒沢と神楽坂もセクシー。
 「冷たい熱帯魚」は気力のない社本、さらには現代社会の隠喩でしょうか。
 園監督の『愛のむきだし』も堪能しました。父の再婚による家庭の崩壊、カルト的集団、キリスト教、暴力と流血と、この作品と多くの点が重なり合います。

2月12日 邦画15

 東京から戻る新幹線でDVDを一本。
 小津安二郎監督『東京暮色』(松竹、1957年)。脚本は小津と野田高梧、撮影は厚田雄春。
 杉山(笠智衆)は銀行の監査役で、次女の明子(有馬稲子)と暮らしている。そこに、長女の孝子(原節子)が赤ん坊を連れて戻ってくる。大学教授の夫(信励三)と不和なのだ。
 その上、明子の素行がおかしい。麻雀屋に出入り、不良仲間と付き合っている。明子は妊娠しており、家族に内緒で中絶手術を受ける。
 件の麻雀屋の女将は、杉山を捨てて家出した妻(山田五十鈴)だった。明子は不慮の事故で亡くなり、麻雀屋の夫婦は北海道に転職する。赤ん坊を明子のように不幸にすまいと、孝子は夫のもとに戻るのだった。
 他に、中村伸郎、杉村春子、藤原鎌足、山村聡、宮口精二、そして、長岡輝子や浦辺粂子、田中春男などなど、芸達者名豪華な顔ぶれ。
 とはいえ、本作では、原節子はやや情緒不安定であり、物語も小津作品には珍しく重苦しい。
 原は1920年生まれで、山田は1917年生まれ。親子という設定は少しきつい。
 山田五十鈴さん、つい最近94歳のお誕生日を迎えられたはずです。

2月10日 邦画14

 自宅でDVD。
 根岸吉太郎監督、森田芳光脚本『ウホッホ探検隊』(1986年、日本テレビ他)。美術は木村威雄。
 東京に住む登起子(十朱幸代)はインタビュー・ライターで、二人の子供・太郎と次郎と暮らしている。夫の和也(田中邦衛)は食品会社の研究員で、北海道に単身赴任している。その夫に愛人ができたという。良子(藤真利子)という同僚だ。
 登起子はしばらく休職し考えた末、子どもたちに離婚を相談する。子どもたちは理解してくれた。夫に離婚届を送るが、ほどなく夫は良子と別れて戻ってくるのだった。
 他に、加藤治子や時任三郎(まだ若い)、柴田恭平、斉藤慶子、陣内克則ら。
 原作は干刈あがた。
 家族での行楽の際に、父が「ウホッホ」と咳をするので、次男が「僕たちはウホッホ探検隊だ」と言ったのが、タイトルの謂れ。
 なんのことはない物語だが、離婚をテーマにしながら、淡々としたホームドラマに仕上がっています。

 東京に向かう新幹線でDVD。
 山田洋次監督『家族』(1970年、松竹)。
 長崎県の離島・伊王島に住む精一(井川比佐志)は北海道での酪農を夢見て、家族と島を出る。妻の民子(賠償千恵子)と二人の子供、それに父の源蔵(笠智衆)が一緒だ。
 父は福山の次男(前田吟)の家に住むつもりだったが、次男一家の家庭の事情から、精一一家と旅を続けることになる。大阪では万博が開催されていた。ようやく東京まで着いた時、赤ん坊の容態が悪くなり、亡くなってしまう。
 一家は東北本線から青函連絡船で、ようやく北海道に到着する。新しい仲間に迎えられて、父の源蔵も陽気に「炭坑節」を歌う。その夜、父は就寝中に亡くなった。
 北海道にも春がやって来た。牛の赤ん坊が生まれ、民子も妊娠した。新しい生命の躍動である。
 長崎、福山、大阪、東京と、1970年の高度成長の頃の様子がよくわかり、実に懐かしい。
 笠の歌う「炭坑節」は味なものだった。
 渥美清や森川信、三崎千恵子、太宰久雄ら、「寅さん」チームも顔を出す。
 他に、クレージー・キャッツや花沢徳衛らも。
 因みに、精一一家は長崎出身ということもあり、カトリックという設定です。

2月6日 邦画12

 今日はレーガン元大統領の生誕100年に当たります。
 しかし、久しぶりに黒澤明監督『醜聞』(1950年、松竹)。脚本は黒澤と菊島隆三。
 新進賀画家の青江(三船敏郎)はバイクで伊豆を旅行中に、歌手の西條(山口淑子)と出会い、同じ旅館に宿泊した。そこを雑誌のカメラマンに隠し撮りされ、「恋はバイクに乗って」といううたい文句でスキャンダル記事にされてしまう。
 立腹した青江は訴訟を考える。そこに蛭田(志村喬)という弁護士が売り込みにやって来た。蛭田は結核の娘・正子(桂木洋子)を抱えて、貧乏に悩んでいる。青江は蛭田に訴訟を依頼するが、蛭田は被告である雑誌社の堀社長(小沢栄)から10万円の小切手を受け取り、依頼人を裏切ろうとする。
 原告敗訴が濃厚な折に、純真な正子が青江の勝利を祈りながら亡くなった。蛭田は自分の不正を証言して、青江と西條に勝利をもたらすのだった。
 裁判に勝ったことより、蛭田が正義に目覚めたことのほうが嬉しいと、青江は言う。「星が生まれた」のである。
 蛭田によると、当時の日本の弁護士数は5900人、アメリカは17万人だったそうです。
 他に、北林谷栄や清水将夫、千石規子、三井弘次ら。北林は蛭田夫人役で、めずらしく中年女性、つまりお婆ちゃん役ではありません。
 因みに、今年は北林の生誕100年にも当たります。


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