Koji Murataの映画メモ

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邦画 2011年

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8月12日 邦画81

 東京に向かう新幹線でDVDを一本。
 市川崑監督・脚本『夜来香』(1951年、新東宝)。
 戦時下の中国で、軍医の関(上原謙)は夜来香こと秋子(久慈あさみ)という娼婦と出会い、恋に落ちる。しかし、空爆で二人は離れ離れに。
 戦後、関は秋子の出身地である神戸の製薬会社に就職し、彼女を捜している。二人がようやく再会できた頃、しかし、関は戦争の後遺症で失明してしまう。関は秋子に迷惑をかけまいと、姿を隠す。
 その頃、関の昔の部下だった青年(川喜多小多)が闇商人(河村惣吉)にだまされて危険な仕事に手を出そうとしていた。それを知った関は青年を救おうとして、命を落とす。何も知らない秋子は、関の戻るのを待っているのだった。
 他に、伊志井寛や伊藤雄之助ら。
 『愛染かつら』や『君の名は』と同じく、すれちがいメロドラマ。
 山口淑子の歌う主題歌は、高音で難しいですね。
 戦地の様子も神戸の様子もリアリティはなく、ストーリーも人物描写も平板。
 市川監督作品としては、凡庸な出来のように思いました。
 金沢の映画館で宮崎吾朗監督『コクリコ坂から』(2011年、スタジオ・ジブリ)。企画と脚本は宮崎駿。
 1963年の横浜。女性ばかりが住むコクリコ荘で、高校2年生の松崎海(声=長澤まさみ)は毎朝海に向かって旗を揚げている。朝鮮戦争で亡くなった父が船乗りだったからだ。
 同じ高校の3年生・風間俊(声=岡田准一)は、養父のタグボートで学校に通っている。男ばかりが巣食う学生会館カルチェラタンが、老朽化のため取り壊されようとしており、俊はその反対運動を指揮している。
 海と俊はお互いに慕いあうようになるが、実は二人は異母兄弟だという疑いが。
 私の生まれる前年の時代設定です。
 坂本九の「上を向いて歩こう」など、懐かしいメロディが。
 女の園と男の魔窟。海と風の出会い。
 十分よくできた作品だと思いますが、予定調和的に、恋も学生運動もハッピーエンド。
 しかも、俊や海たちは団塊の世代で、その後の日本社会に大きな負荷をかけることになります。
 
 シネヌーヴォへ。
 井筒和幸監督『岸和田少年愚連隊 BOYS BE AMBITIOUS』(1996年)。
 岸和田の中学校。チュンバ(矢部浩之)と小鉄(岡村隆史)は学校をさぼっては、喧嘩を繰り返している。チュンバにはリョーコ(大河内奈々子)という彼女がいる。
 やがて、中学校を卒業すると、ヤクザになる仲間もいた。チュンバと小鉄は高校に進むも、間もなく中退。レストランで働くものの、また喧嘩を繰り返す。その都度、チュンバはおかん(秋野暢子)と裁判所に通う羽目に。
 町一番の暴れ者カオルちゃんに小林稔侍。カオルちゃんが電車を無理やり止めてしまうシーンは、印象的。
 他にも、吉本の芸人たちが多数登場する。
 井筒監督、下町のアナーキーを描かせると、冴えますね。

8月4日 邦画78

 東京からの帰路にDVD。
 山田洋次監督『遥かなる山の呼び声』(松竹、1980年)。民子三部作の最後の作品。日本版『シェーン』であり、タイトルも『シェーン』の主題歌による。
 民子(賠償千恵子)は夫を亡くし、一人息子の武志(吉岡秀隆)と酪農牧場を苦労しながら経営している。そこに、旅の男・田島(高倉健)が現われ、牧場を手伝いたいという。民子ははじめ半信半疑だったが、武志は田島を慕うようになる。また、民子にしつこく言い寄る会社社長(ハナ肇)も、田島との喧嘩に敗れてからは彼を兄貴と慕うようになる。
 だが、田島は逃亡中の殺人犯だった。男はやがて逮捕される。しかし、民子はいつまでも田島を待つ覚悟を決めるのだった。
 他に、武田鉄矢や畑正憲(獣医の役)、渥美清(人口受精師)ら。
 田島が網走刑務所に護送される、ラストの車中が感動的。
 ハナの演じる会社社長は矮小な人物だが、思いのほかの男気を示す。矮小の中の偉大を見過ごすと、偉大の中の矮小にも気づかなくなります。
 その後、東京に向かう新幹線でDVD。
 野村芳太郎監督『拝啓天皇陛下様』(松竹、1963年)。
 山田(渥美清)と棟本(長門裕之)は徴兵され、軍隊で新兵として2年をともにする。山田は字も読めないが、愛すべき人柄で、棟本のほうはインテリの小説家だ。彼らの中隊長(加藤嘉)は愛国者の鑑のような人物で、山田にも目をかける。やがて、彼らの部隊は演習で天皇陛下の閲兵を受ける。山田はすっかり天皇陛下に親しみを感じる。
 やがて、山田は中国にも従軍する。シャバに戻っても仕事がないのだ。敗戦後、山田は偶然に棟本夫妻(妻は左幸子)と再会する。山田は国枝(高千穂ひづる)という未亡人に一目惚れし、一生懸命働くが、相手に去れない。数年後、再び山田は棟本夫妻の前に姿を現し、セイ子(中村メイコ)という婚約者を紹介する。ようやく幸せになれる直前に、しかし山田は酔ってトラックに撥ねられ亡くなってしまう。
 「拝啓天皇陛下様 あなたの最後の赤子がひとり今夜亡くなりました」と字幕。
 他に、藤山寛美や山下清本人も。
 天皇陛下様も登場するが、顔は見えない。
 激動の時代を生きる、庶民のバイタリティーと友情の物語。
 軍隊や権威主義も、コミカルに風刺されている。
 「中隊長殿は頭を撃たれても、天皇陛下万歳と5回も叫んだ」と、山田は信じている。子供の頃、この映画をテレビで観ており、この科白だけは鮮明に覚えていました。
 

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