Koji Murataの映画メモ

映画に関するコメントのみお受けします。

外国映画 2012年

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5月9日 外国映画59

 自宅でビデオ。
 デレク・ジャーマン、ポール・ハンフレス監督『セバスチャン』(1976年、イギリス)。
 ジャーマンの監督第一作とか。
 古代ローマで、近衛隊長セバスチャン(レオナルド・セバスチャン)は皇帝の寵愛を受けながら、キリスト教徒であるがゆえに辺境の前線基地に追いやられた。
 そこでは、隊長シベリウス(バーネイ・ジェイムズ)のもとで、数人の男だけの過酷な生活が待っていた。シベリウスはセバスチャンをサディスティクに虐待するが、彼に肉欲を抱いている。セバスチャンはマゾヒスティックな喜びに芽生え、シベリウスを愛するが、あくまでプラトニックで肉体を与えようとはしない。
 ついに、シベリウスはセバスチャンの死刑を命じる。仲間の弓矢に射られて絶命する美しいセバスチャン。三島由紀夫をはじめ、多くの芸術家が愛した、有名な光景でラストを迎える。
 聖セバスチャンの物語に、ジャーマンが得意の同性愛解釈を与えた作品です。
 全編ラテン語が話され、怪しげなダンスが踊られる。
 男性の裸体に大きなぼかしが入る。70年代の日活ロマンポルノを彷彿とさせます。
 新宿バルトへ。
 ニコラス・ヴィンディング・レフン監督『ドライヴ』(2011年、アメリカ)。
 寡黙な主人公のドライバー(ライアン・ゴスリング)は、映画のスタントマンで自動車の整備工場でも働いている。その運転技術を活かして、犯罪の手助けもしている。
 そんなドライバーのアパートの隣室に、アイリーン(キャリー・マリガン)親子が住んでいる。いつしか、ドライバーと親子は親密な関係に。だが、アイリーンの夫スタンダードが刑務所から出所してきた。
 サタンダードは、刑務所時代の仲間から犯罪に巻き込まれようとしている。アイリーン親子を助けるため、ドライバーは運転をかって出るのだが、スタンダードは殺されてしまう。背後には、マフィアの金をめぐる陰謀が渦巻いていた。どらばーは残された親子を守るため、暗黒街のボスたちに立ち向かって行く。
 前半は『タクシードライバー』を、後半は『レオン』を連想させます。
 寡黙で優しい主人公が、残酷で暴力的な顔を見せます。
 ゴスリングの魅力が全開!
 ありきたりな話のようで、そうではない。クールな主人公の、クールな映画です。
 
 上京する新幹線の中でDVDを一本。
 オリヴァー・ストーン監督『トーク・レディオ』(アメリカ、1988年)。
 ダレスの地方ラジオ局の人気パーソナリティー・バリー(エリック・ポゴジアン)は、過激なトークが売りだ。だが、彼の放言に反発し、彼を憎む聴取者も少なくない。嫌がらせの手紙や電話も相次ぐ。
 そんな中で、バリーの番組を全国ネットで放送する話が持ち上がる。別れた妻への断ち切れない思いや社長(アレック・ボールドウィン)からの圧力などで、バリーはますますヒステリックになっていく。
 ようやく過激な一夜の放送を終え、全国ネット入りが正式に決まる。ところが、スタジオの外で、バリーは彼を憎む聴取者の男に射殺されるのだった。
 デンバーで実際に起こったラジオ・パーソナリティーの殺人事件を下敷きにしている。
 ストーンとポゴジアンが共同で脚本に当たった。
 スタジオに電話をかけてくる聴取者も過激で、バリーに「ユダ公、ホモ、アカ」などの罵声を浴びせる。
 1980ね代の規制緩和を背景にした、ネット世界の原型がここにあります。

5月4日 外国映画56

 自宅でビデオ。
 ヴィターリー・カネフスキー監督・脚本『動くな、死ね、甦れ!』(1989年、ソ連)。
 第二次大戦直後の極東ロシア。日本兵の強制収容所と隣接する炭鉱町が舞台。
 ワレルカ少年(バーヴェル・ナザーロフ)は母との二人暮らしで、母への反発もあっていたずらを繰り返す。同い年の少女ガリーヤ(ディナーラ・ドルカーロワ)だけが少年の味方だ。
 やがて、ワレルカのいたずらはエスカレートし、町から逃避行することになる。少年が地方で強盗団の一味に加わった時、ガリーヤが迎えにやってくる。少年と少女は強盗団から逃れようとするのだが、悲劇が二人を待っていた。
 日本兵たちの歌う炭坑節や黒田節が、寂しげにロシアの荒野に響く。
 白黒の映像と子供たちの激情、荒んだ大人たちの生活と子供たちの無垢が対照的。
 スターリン体制の日常が活写されています。
 伝説的監督の自伝的要素の強い名作です。
 神戸の実家で母とビデオ。
 ジュリアン・デュヴィヴィエ監督『にんじん』(1932年、フランス)。
 原作はジュール・ルナール。
 夏休みで、子供たちが田舎のルビック家に帰ってくる。ルビック氏(アリ・ポール)は村長をめざしており、善良だが無口で家庭に無関心だった。ルビック夫人は夫との冷え切った関係にいら立っており、口うるさく、長男と長女を溺愛しながら、二男に「にんじん」(ロベール・リナン)とあだ名をつけて叱りつけこき使って虐げる。
 それでも、「にんじん」は明るく生きていくが、時には自殺を考えることもある。彼にとって、家庭とは「共感できない者同士が一緒に暮らす場所」にすぎない。
 兄が母の金を盗んだ責任を「にんじん」に転嫁し、「にんじん」は父の村長就任パーティーに出られない。ようやく二階から逃げ出してパーティーに駆けつけても、多忙な父は「にんじん」を相手にしない。ついに、「にんじん」は自殺を決意する。だが、間一髪で父に救われるのだった。「にんじん」は父も母を嫌っており、しかし、母に同情もしていることを知る。父と和解し、「にんじん」は一緒に生きていこうと決意するのだった。
 タイトルだけ知っていた児童文学の映画化です。
 フランスの田舎の、家父長主義的な中産階級の家庭の様子がうかがわれます。
 村長選挙の投票総数が12票というは、笑えます。

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